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2017年12月20日 (水)

森友疑惑(62)核心を示す録音記録/アベノポリシーの危うさ(331)

「森友疑惑」の核心を示す学園側と財務、国土交通両省との協議の詳細を示す音声データが明らかになった。
8億円値引きの根拠となった地中のごみについて、学園側の工事業者が「3メートルより下にあるか分からない」と主張して、虚偽報告の責任を問われかねないと懸念しているのに対し、国側が「9メートルまでの範囲でごみが混在」しているとの表現なら、虚偽にならないと説得し、協議をまとめていたのだ。
何という「霞が関文学」であることか!

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 データでは、国側が「三メートルまで掘ると、その下からごみが出てきたと理解している」と発言。これに対し、工事業者が「ちょっと待ってください。三メートル下から出てきたかどうかは分からない。断言できない。確定した情報として伝えることはできない」と主張した。
 さらに国側が「資料を調整する中でどう整理するか協議させてほしい」と要請すると、工事業者は「虚偽を言うつもりはないので事実だけを伝える。ただ、事実を伝えることが学園さんの土地(価格)を下げることに反するなら、そちらに合わせることはやぶさかでない」とやや軟化した。
 この後、学園の代理人弁護士(当時)が「そちら(国)側から頼まれてこちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら目も当てられない」と懸念。工事業者は「三メートル下からはそんなに出てきていないんじゃないかな」と付け加えた。
 国側は「言い方としては『混在』と、『九メートルまでの範囲』で」と提案したものの、工事業者は「九メートルというのはちょっと分からない」と難色を示した。
 しかし、国側が「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、三メートル超もある。全部じゃないということ」と説得すると、工事業者がようやく「あると思う」と同意。国側が「そんなところにポイントを絞りたい」と決着させた。
「森友」国有地 売却協議の詳細判明 「9メートルまでごみ混在、虚偽にならぬ」

このデータから窺えるのは、国側の異常な配慮であり、この配慮が「忖度」という流行語を生みだしたのである。
さらにその「忖度」はどのように生まれたのか?
「森友疑惑」を原点に戻って考えれば、日本会議を中心とする仲間主義が根本要因である。
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アベ政治プロデュース【アッキード疑獄・シンゾウゲート疑獄】相関図

「森友疑惑」は、巷間、ロッキード事件を捩って「アッキード疑惑」などと呼ばれていたのである。
アッキードとは、安倍昭恵夫人の関与を表しているが、財務省や国交省の「忖度」が昭恵夫人の存在なくしてあり得ないからである。
そして、もちろん昭恵夫人に何らかの力があるということではなく、首相夫人という立場が「忖度」の根底にあることは、自明であろう。
⇒2017年12月 7日 (木):森友疑惑(61)起点は安倍首相夫妻/アベノポリシーの危うさ(325)

録音データが示しているのは、「森友疑惑」の核心が、高橋洋一氏が言うように「財務省のチョンボ」から想定されるようなケアレスミスなどではない、ということである。
財務省や国交省の関係者が確信的に、あるいは主体的にシナリオを作っているのであり、高橋氏はそれをことさらに軽く言うことで「印象操作」を図っていると言わざるを得ない。
⇒2017年12月 1日 (金):森友疑惑(60)高橋洋一氏の的外れ/アベノポリシーの危うさ(323)

将棋で言えば、安倍夫妻は既に詰んでいるのである。

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