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2017年12月15日 (金)

新幹線のインシデントと品質不正/技術論と文明論(83)

12月11日、博多発東京行きの「のぞみ34号」で異音や焦げ臭い異臭などが発生するという「重大インシデント」が発生した。
新幹線は、開業以来、速さだけでなく安全性、正確性を誇ってきた。
その安全性に揺らぎが生じているのか?

インシデントとは、事故などの危難が発生するおそれのある事態を言う。
ISO22300の定義は次のようである。

Situation that might be, or could lead to, a disruption, loss, emergency or crisis
「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」

幸いにして事故には至らなかったが、インシデントが重視されるのは、ハインリッヒの法則という経験則があるからである。
大きな失敗の背景には、多数の小失敗が存在し、下図のようなピラミッドを形成している。
Photo_4
⇒2011年4月 9日 (土):福島原発事故の失敗学

原因については今後の調査を待ちたいが、冷泉彰彦氏は次のように推測している。

Ws000000台車とギアボックスの双方に異常が発生したということは、その箇所に質量の大きな異物が衝突して、台車とギアボックスを同時に損傷したという可能性だ。
しかし、バラスト(線路の敷石)が衝突したぐらいで台車が壊れることは通常はなく、鋼鉄製などの異物が当たったとか、あるいは車両の床下機器の一部が落下して台車とギアボックスを損傷したという可能性を考えなくてはならない。可能性としては低そうだが、まったくゼロではない。13・14号車における「うなり音」については、ギアボックス内の潤滑油が漏れて減ることで、内部抵抗が増加した音ということかもしれない。
新幹線「重大インシデント」はなぜ起きたのか

まったくの杞憂かも知れないが、気になるのは、神戸製鋼等で品質不正が常態化していたというニュースとの関連性である。
⇒2017年10月28日 (土): 日本を代表するメーカーの不正/技術論と文明論(80)
⇒2017年10月29日 (日): 日本を代表するメーカーの不正(続)/技術論と文明論(81)

新幹線の原点は、完全立体交差化や自動列車制御装置(ATC)、列車集中制御装置(CTC)等で人為ミスを減らすなどの徹底した安全思想のはずである。
大動脈であり、通勤の足でもある新幹線で事故が発生したら被害は甚大である。
インシデントの徹底的な究明を期待したい。

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