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2017年12月16日 (土)

拉致被害者家族と安倍政権/日本の針路(357)

安倍政権は「北朝鮮への最大限の圧力を」というものの、気になるのは拉致被害者である。
拉致被害者曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんと増元るみ子さんの母親信子さんの死が相次いで報じられている。
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静岡新聞12月13日

帰ってこないまま、家族の年齢は高くなって行く。
安倍首相は、ことあるごとに「拉致問題は最優先事項」と声高に唱えてきた。
しかし、具体的なアクションは見えてこない。
側近の山本一太氏は蓮池透氏の陳情に対して何も動かなかったという。
⇒2017年12月10日 (日): 「裸の王様」状態が昂進する安倍首相/アベノポリシーの危うさ(328)

安倍首相自身、拉致被害者・横田めぐみさんの母で、拉致被害者救出運動のシンボル的存在でもあった横田早紀江さんを、2年にわたって無視し続けているという情報もある。

 この事実を明かしたのは有田芳生参議院議員。12月2日のツイッターにこんな投稿が掲載された。
〈横田早紀江「政府は一生懸命、知恵を練って下さっていると思いましたが、40年たっても何も分からない状況に、一体何だろうか、信じてよかったのかとの思いが家族にはあります」(めぐみさんが拉致された11月15日の記者会見)。早紀江さんが思いを綴った手紙を安倍首相に書いても梨のつぶてです。
 たしかに、かつては対北朝鮮強硬路線で安倍首相や救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)と完全に同一歩調をとっていたようにみえた横田早紀江さんだが、最近はその姿勢に変化が見られていた。めぐみさんが拉致された日から40年にあたる11月15日の会見では、有田氏のツイッターにあるように、「信じてよかったのか」と、後悔の念をただよわせていた。
・・・・・・
 しかも、こうした冷淡な態度は、早紀江さん個人に対してだけではない。安倍政権は第二次政権発足時に「拉致問題対策本部」のもと拉致関連の会議体を6つも発足させているが、それから5年あまり「日刊ゲンダイ」(12月4日付)が会議の開催状況を調べたところ、いずれの会議体もほとんど開かれることなく開店休業状態になっていたという。
 ようするに、拉致問題を前面に出して国民の人気を獲得し、首相にまでのしあがり、いまもことあるごとに拉致問題の解決を強調している安倍首相だが、実際は北朝鮮への強硬姿勢じたいが目的であり、拉致問題の解決や被害者家族の思いなんてまったく本気で考えていなかったというだろう。
 そしておそらく、早紀江さんは安倍首相のこうした態度をそばでみているうちに、その本質を見抜いてしまったのではないか。
安倍首相が横田早紀江さんの直訴の手紙を2年間、無視し続けていた! 政治利用の裏で拉致被害者家族への冷淡

まさかと思ったが、いろいろ勘案すると、驚きでも何でもないのかも知れない。
トランプ大統領が拉致被害者に面会したことが、面会させたことを手柄にように話す安倍首相の感覚を疑う。

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「世界で最も注目されているトランプ大統領が国連の場でめぐみさんのことに触れてくださった。また、来日した際、私の要望に応えて、拉致被害者、家族と直接会い、解決していくという決意を述べていただいた。大統領が発言したわけですから、これは米国が拉致問題について(解決を)コミットしたことになる」
安倍首相の発言を聞いた元家族会事務局長の蓮池透氏がこう言う。
「自国の国民を救えず、米国に頼ること自体、恥ずべきことですが、そもそも安倍首相は拉致解決など本気で考えていません。強硬姿勢のトランプ大統領を巻き込むことはむしろ解決を遠ざけますよ。大統領の国連演説、拉致家族との面会は、北朝鮮を“ひどい国”と描くことで、圧力をかけやすくするためです。家族は利用されているだけ。拉致解決は難しい問題なので、誰がやればうまくいくというのは言えませんが、少なくとも安倍首相である以上、絶対に解決しません。家族は高齢化している。自民党総裁の任期延長なんてとんでもありません」
・・・・・・
 これが拉致被害者家族のまっとうな見方であって、解決のためにはまず、安倍首相退陣しかない。
蓮池透さんが激白「安倍退陣こそ拉致問題解決の第一歩」

安倍首相は拉致問題も選挙向けのアピールのためのパフォーマンスに過ぎないのだ。

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