リベラル・アーツとの関係(3)/リベラルをどう考えるか(4)
社会で要請される知識は、本来「理系」とか「文系」とかという枠とは無関係である。
理系の知識も文系の知識も学ぶ文理融合系や、学際系の学部が誕生しているのは必然であると言える。
複数の学問的(学際的)な視点から学んだり、一つの専門領域を深く学びつつ、それを支える複数の学問領域を学ぶ学部は昔から存在した。
東京大学に教養学部があり、現在は大学院総合文化研究科と一体的に運用され、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部と称している。
ICU(国際基督教大学)の教養学部 アーツ・サイエンス学科が私の受験生の頃から設置されていた。
かつて文理学部という学部が多くの地方国立大学を中心に存在した。
それが専門化の必然的な結果ではあるのだろうが、ほとんどが例えば文学部と理学部へと分化した。
いま、秋田の奇跡と称される国際教養大学が見事に成功しているのを見ると、いささか残念のような気がする。
リベラルアーツ系学部の新設としては、山梨学院大学の国際リベラルアーツ学部新設を紹介したことがある。
⇒2014年6月24日 (火):遠藤麟一朗とリベラルアーツ/知的生産の方法(98)
また、「情報」「環境」「社会」「人間」「文化」などの付した「新リベラルアーツ系」も増えている。
【文系でもない理系でもない新しいリベラルアーツとは】いま注目されるリベラルアーツ教育の新しい波
この傾向は、安倍首相の教育改革の理念の真逆の方向性である。
⇒2017年11月 5日 (日):リベラル・アーツとの関係/リベラルをどう考えるか(2)
奇しくも小泉進次郎自民党副幹事長から、安倍首相の政治手法に疑問が投げかけられている。
これをガス抜きと見る人もいるが、問題の根は深いところにあるのではなかろうか。
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