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2017年11月 4日 (土)

総選挙とリベラル派/リベラルをどう考えるか(1)

総選挙で立憲民主党が健闘したことから、リベラルが話題になっている。
産経新聞の『【衆院選】日本だけ特殊、「リベラル」の意味-本来の語義から外れ「憲法9条信奉」「空想的平和主義」か』を見てみよう。

 リベラルという言葉が盛んに使われるようになったのは、衆院解散が目前に迫った先月下旬、民進の前原誠司代表が「安倍晋三政権に勝つため、野党勢力を結集させる」と、小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党への合流を模索して以降のことだ。
 小池氏は、憲法観の一致や集団的自衛権の限定的な行使を認める安全保障関連法への賛成を「踏み絵」として提示。受け入れを拒否した左派が「リベラル派」と呼ばれるようになり、枝野幸男氏(53)=埼玉5区=による「リベラル新党」立民の設立につながった。立民は主張が近い共産や社民と連携を深め、全国の249選挙区で候補者を一本化。これら3党がリベラル勢力と呼ばれている。
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 『広辞苑』によると、「リベラル」とは、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」、『大辞泉』は「政治的に穏健な革新をめざす立場をとるさま」とする。実際に使われている意味と語義が異なる背景には、「リベラル」が特殊な意味で語られることが多かった日本ならではの事情があるという。
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 外国でのリベラルという言葉の使われ方は日本と異なる。日本大の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)によると、米国では少数者の権利や福祉政策を重視する立場を指すことが多く、欧州では国家の市場への介入を防ぐ経済的な意味が強い。
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 今回の衆院選では、自民、公明、希望、維新4党を「保守派」、共産、立民、社民3党を「リベラル派」と位置づけて語られるケースが多いが、岩井教授は「対決の構図を作るための色分けにすぎず、本来の意味からかけ離れている」と批判。「政治家の発言や政党の公約を見極めて投票先を選ぶことが重要だ」と有権者に呼びかけている。

よく分からないのが、日本大岩井奉信教授の言葉だ。
「政治家の発言や政党の公約を見極めて投票先を選ぶことが重要だ」としながら、「対決の構図を作るための色分けにすぎず、本来の意味からかけ離れている」と批判する。
「政治家の発言や政党の公約」から「対決の構図を作った」のだとすれば、「政党の公約を見極め」る上で、参照すべきではなかろうか。

産経新聞によれば、リベラルは本来は「自由主義的に穏健な革新をめざす立場」を指すが、日本では異なって用いられている。
憲法改正に関して、9条を変えることに反対しているのが「日本のリベラル」であり、それはむしろ保守的である、と言いたいようである。

この論点に限れば、この指摘は当たっていると言えよう。
総選挙において、小池氏の「踏み絵」を踏まなかった人たちがリベラルと言われている。
特定秘密保護法、集団的自衛権の行使、共謀罪等は一連の流れである。
明らかに、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」と真逆の方向性である。
まさに、本来の意味におけるリベラルである。

踏み絵はリベラル勢力を「排除」するものであったのである。
小池氏が「反安倍」を主張しても、それは立場・価値観の差というよりも、勢力争いなのである。
⇒2017年10月 4日 (水):「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

世界的なレベルで、リベラルは退潮だという。
しかし、今こそリベラルの価値が重要化していると言える。
21710034
東京新聞10月3日


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