« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

2017年11月

2017年11月30日 (木)

森友疑惑(59)財務省はなぜ厚遇したのか?/アベノポリシーの危うさ(322)

財務省が森友学園に対してとった措置は、きわめて異例であった。
立憲民主党の川内博史衆院議員の質問に対し、財務省の太田充理財局長が答弁した。
1.定期借地契約
公共随契すべてが1194件。そのうち売り払い前提の定期借地とする特例処理を行った事例は本件のみ、つまり、1194分の1
2.分割払い
同じ時期の随意契約のうち、分割払いを認めたのも森友学園だけで、その割合は1214分の1
3.金額非公表
平成25年度から28年度までの間、公共随契によって売却した件数は972件で、うち金額非公表にしたものというのは本件のみ
11941
森友学園“特例”明らかに 「1194分の1」「1214分の1」

これだけでも、この3つの特例が同時に起きる確率は、1/1194×1/1214×1/972=1/1.408×10の9乗
14億4000万分の1である。
つまり日本の人口の10倍以上の中から1人を選ぶより小さな確率である。
推測統計学では、1%とか5%を有意水準に設定するが、遥かに「起こらない」と見なせる確率である。

もちろん「本件のみ」という場合、母数はさらに大きかった可能性がある。
上記の計算は、3つの特例が独立であると考えた場合の確率であり、それが現実に起こらないような確率であるとは、どういう意味か?
極めて稀な「特例」だったことが分かる。

それぞれの特例が独立ではないとしたらどうか?
個別の確率を超えることはないので、その場合でも最大で1200分の1である。
有意として取り扱うべき水準であることに変わりはない。

つまり森友学園について、特別の力が働いたということである。
籠池前理事長風に言えば「神風」が吹いたのである。
なぜ、森友学園という特異な教育をしていた学校に限ってそのような「特例」をしたのか?
⇒2017年2月25日 (土):森友疑惑(5)特異な法人への破格の優遇/アベノポリシーの危うさ(139)

財務省が森友学園の教育方針に賛同したから、などということは考えられないし、あってはならないことだ。
やはり安倍昭恵夫人との親密関係を抜きにしては考えられないのである。
1711233
⇒2017年11月23日 (木):森友疑惑(56)会計検査院報告/アベノポリシーの危うさ(320)

「行政が歪められている」一例である。
財務省からこの答弁を引き出した川内議員はGood Jobであった。
安倍首相夫婦は籠池氏らを「詐欺」と決めつけ、自分たちが被害者の如く振る舞っている。
Ws000003_2
どう考えても年貢を納めるべき時である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月29日 (水)

森友疑惑(58)値引きのための「ストーリー」/アベノポリシーの危うさ(322)

財務省とと森友学園の交渉に関する新たな音声データを財務省が認めた。
28日、売却契約前の昨春に録音された国地中のごみについての協議で、国側は「知らなかった事実なので、きっちりとやる必要があるというストーリーをイメージしている」などと発言していた。
「ストーリー」とは何だろう?

1711292
東京新聞11月29日

「ストーリー」とは、値引きを合理化するための根拠作りに他ならないだろう。
地下に埋まっていたゴミを材料にして、森友側の意向に沿えるような説明を考えましょう、と。
いわゆる「談合」以外の何ものでもあるまい。
こういう事実を「行政が歪められた」というのではなかろうか。

日経新聞の社説は以下のように書いている。

(会計検査院)報告書は値引きの根拠となった国有地のごみの推計量について「十分な根拠が確認できず、慎重な検討を欠いていた」と指摘した。
 森友学園をめぐっては首相の昭恵夫人が開設予定の小学校の「名誉校長」に一時就任した。値引きに政治家の関与や官僚の忖度(そんたく)があったか否かが問われたが、報告書は触れなかった。
 8億円の積算根拠となる資料を財務省や国土交通省が廃棄していたからだ。保存期間1年未満の行政文書はいつでも廃棄できるとの説明に国民の納得は得られまい。保管ルールの強化は欠かせない。
 検査院によると、国土交通省大阪航空局がごみの量を過大に推計し、大幅な値引きにつながった可能性がある。政府は「法令に基づき適正な手続きで処分した」と説明してきたが、前提は崩れた。
 野党は昭恵夫人や財務省理財局長としてかかわった佐川宣寿国税庁長官らの国会招致を求めている。与党も率先して協力すべきだ。近畿財務局職員らへの背任容疑での告発を受理した大阪地検特捜部は、徹底して真相を解明してもらいたい。
国有財産の処分に透明性を

「昭恵夫人や財務省理財局長としてかかわった佐川宣寿国税庁長官らの国会招致」は多くの人に共通する思いだろう。
⇒2017年11月23日 (木):森友疑惑(56)会計検査院報告/アベノポリシーの危うさ(320) ⇒2017年11月28日 (火):森友疑惑(57)財務省の「忖度」/アベノポリシーの危うさ(321)

不思議なことだが、安倍政権が窮地に陥ると、北朝鮮がミサイルを発射する。
私は下記のような田中龍作氏のような見方の同調するものではないが、偶然とは思えないほどの暗合である。
Photo_2

少なくとも、トランプ-安倍の圧力一辺倒が有効ではないことを示しているのではないだろうか。
横田早紀江さんは次のように言っている。

「安倍総理が平壌に行き、金正恩とケンカじゃなく、ちゃんとした話し合いをしてくれたらありがたい」
 あの早紀江さんが安倍首相に注文をつけるのは、よほどのことだ。
 安倍首相の圧力一辺倒は拉致問題の解決を遠ざける――。これまで「拉致の安倍」に全幅の信頼を寄せてきた被害者家族も、言い方は柔らかいが、安倍首相の無策に失望と不信感を強めているのだろう。
横田めぐみさんの母・早紀江さんが“圧力一辺倒”の安倍首相の対北外交に異を唱え波紋

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月28日 (火)

森友疑惑(57)財務省の「忖度」/アベノポリシーの危うさ(321)

衆院予算委員会は27日、安倍晋三首相ら全閣僚が出席し基本的質疑を行った。
その中で、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省の太田充理財局長は、財務省と森友学園との交渉に関する音声データを事実上認めた。
これは明らかに従前の答弁とは異なっている。
1711283
東京新聞11月28日

音声データの内容はどうであったか?
1711282
東京新聞11月28日

財務省がこのような親切な対応をしてくれる官庁だとは寡聞にして知らなかった。
これを価格交渉と言わずして何と言うのだろうか?
やはり従前の答弁をした佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)および交渉の橋渡しをした安倍昭恵夫人付きの秘書官らの国会招致は不可欠であろう。
森友疑惑の幕を引いてはならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月27日 (月)

伊都国の位置論(4)/やまとの謎(121)

汗牛充棟のごとき邪馬台国関連本の中で、ちょっと興味を喚起されたのが、安田哲也『解読・邪馬台国の暗号-記紀に封印された倭国王朝の光と影』講談社出版サービスセンター(2007年2月)である。
奥付の著者略歴欄を見ると、昭和20年生まれで、最高検検事、鹿児島地検検事正を経て、公証人とある。
実生活でも成功した人と言えるだろう。

安田氏は著書の狙いを「魏志倭人伝」の解釈によって
1.邪馬台国が南九州にあったこと
2.そに『記紀』の暗号解読による裏づけ
と説明している。
オーソドックスな読解をして行くと、南九州説になるとも言えよう。
⇒2012年11月20日 (火):「邪馬台国=西都」説/オーソドックスなアプローチ
私が読んだのは遅かったが、安田氏の著書は中田氏に先行しており、かつ両者の論旨は独立である。

安田氏は、通説の「伊都国=糸島半島」説を、国の所在地を地名や遺跡・遺物で確定しようという発想に問題があるとする。
古代の王都には遷都がつきものであるが、地名や遺跡・遺物を理由として確定はできない。
しかも、通説では年代観が邪馬台国の時代と合わない。

「魏志倭人伝」には、伊都国唐津付近に比定される末盧国から「東南陸行五百里」である。
かつ「南水行」が可能な場所である。

のちの肥前国松浦郡 (佐賀県唐津市付近) にあったとみられる。四千余戸があり,漁業に従事したという。『古事記』には末羅県 (あがた) ,『日本書紀』『肥前国風土記』『万葉集』には松浦県とみえ,古代北九州の要地であった。
末盧国:ブリタニカ国際大百科事典

虚心坦懐に考えれば、有明海沿岸であることは自明である。
Photo

また「世有王皆統属女王国郡使往来常所駐」を、伊都国の説明と読む通説は間違いだとする。
伊都国のことは、その前の「千余戸有」で終わって、「世有王」以下は、伊都国だけでなく既出の四ヵ国に共通する事項と読む。
そして「世有王」の世は世襲の意味であるとする。

問題の「水行十日陸行一月」は、「水行十日及び陸行一月」と解すべきであるとする。
⇒2012年12月 7日 (金):魏使の行程のアポリアとしての「水行十日陸行一月」/邪馬台国所在地論

安田氏の読解による邪馬台国への行程は以下のようである。
Photo_2
通説に比べると支持する人は(現時点では)少ないが、安田、中田、幸田氏らの、伊都国有明湾沿岸、邪馬台国宮崎説は合理的であるように思う。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2017年11月26日 (日)

伊都国の位置論(3)/やまとの謎(120)

もちろん、伊都国を「魏志倭人伝」に書かれているように、末蘆国の東南に読んで考える人たちもいる。

魏志倭人伝の記述によれば、
「末廬国(長崎県唐津市付近)から東南に500里」
だそうです。通説に従うと「1里=約80m」らしいので、「500里=約40km」です。 
するとどこに辿り着くでしょうか。何と佐賀市、小城市付近なのです。
あの有名な吉野ヶ里遺跡のある、佐賀平野。・・・・
なんとなく、納得出来ると思いませんか!?
となると、奴国と不弥国も自ずと判ります。 
魏志倭人伝の記述によると、伊都国の東南100里(約8km)に奴国、さらにその東100里(約8km)に不弥国があるそうです。
つまり、佐賀市東方から鳥栖、久留米、筑後、八女のどこか・・・・ではないでしょうか。おそらく筑後川流域でしょうね。
・・・・・・
「都市は水量豊富な大河の注ぐ、肥沃な平野において発展する」
という歴史の法則があります。
魏志倭人伝の記述から、伊都国は倭の重要拠点であることが読み取れます。比定地佐賀は現在でこそ、某お笑い芸人のネタになるような田舎(失礼)ですが、確かに歴史の法則に適っています。
Photo_10
氷解!! 魏志倭人伝の謎 - 南へ水行20日は「薩摩」

邪馬台国を宮崎に比定するのは多数説ではないが、自然科学的発想のアプローチをしている『日本古代史を科学する  』PHP新書(2012年2月)の中田力氏も宮崎平野節であった。
⇒2012年11月20日 (火):「邪馬台国=西都」説/オーソドックスなアプローチ

やはり伊都国を「魏志倭人伝」の記述に忠実に、東南の方角に比定している。
Photo_11

中田説では、佐賀平野は現在より後退した位置にあり、有明湾の海岸線は現在より内陸側にあったとしている。
Photo_13

これらの説は合理的であり、定説が「伊都国=糸島半島」としたことが、解決がないような混迷に陥った原因ではないかと思える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月25日 (土)

選挙が終わって自民が本質を露わに/アベノポリシーの危うさ(321)

総選挙で負けなかったから気の緩みが出た?
そんなレベルではないだろう。
森友学園への国有地譲渡に関して、会計検査院は限りなく黒に近いという報告書を出した。
⇒2017年11月23日 (木):森友疑惑(56)会計検査院報告/アベノポリシーの危うさ(320)
にもかかわらず、安倍首相は、「真摯に説明してきた」と言うだけで、さらなる説明はする気がないようである。

11月23日付各紙の森友・加計学園問題への言及を毎日新聞が整理している。

毎日新聞   首相は選挙での勝利を口実として、過去の問題だと片付けるべきではない。
読売新聞   (言及せず)
朝日新聞   首相の「丁寧な説明」は果たされていない。行政の公正・公平が問われる問題だ。勝ったらリセット、とはいかない。
日本経済新聞 政権への不信感はなお払拭されていないと見るべきだろう。「みそぎは済んだ」などと浮かれないことで
ある。
産経新聞   (言及せず)
北海道新聞  国民が納得していないのは明白だ。首相は「丁寧な説明」を実行に移す責務がある。
河北新報   選挙で「みそぎ」が済んだわけではない。今後も丁寧な説明が求められる。
中日新聞   選挙を経たからといって免責されるわけでもない。
東京新聞 首相自身、問題の解明に進んで協力し、丁寧な説明に努めるべきである。
中国新聞   政府側には、納得できる説明が求められる。昭恵夫人や加計学園の加計孝太郎理事長を国会に招いて話を聴くことも必要ではないか。
西日本新聞  首相は自らの疑惑を払拭し切れなかった。
森友・加計学園問題、終わっていない 新聞27社が社説でくぎ刺す

さすがに安倍メディアになっている読売新聞と産経新聞は言及していない。
際立った姿勢である。
こうした世論であるにもかかわらず、最重要当事者の安倍昭恵夫人は相変わらずのノーテンキぶりだ。

安倍昭恵夫人がきのう23日、三重県伊勢市で開かれた民間団体主催のシンポジウム「第1回世界こどもサミット2017」に出席し、「今年は学校のことで、いろいろございました」と述べ、会場の笑いを誘ったという。
 なんという、国民を馬鹿にした発言だろう。
 何も終ってはいない。
 自ら名誉園長を引き受けた森友学園疑惑は、籠池理事長夫妻は拘留されたままだし、ゴミ撤去費用の試算疑惑は深まるばかりだ。
 みずからのツウィートで「わるだくみ」だったとバラシタ加計学園疑惑は、前川前文科省次官の証言で安倍首相による権力の私物化がますます明らかになりつつある。
 いずれも、来週から始まる国会の最大の問題である。
 ついでにいえば、昭恵夫人は、もうひとつの行政の捻じ曲げである詩織さん準強姦疑惑について、おともだちの山口某元TBS記者を弁護するツイートまでしていた。
 よくも「今年はいろいろありました」と過去形で言えるものだ。
安倍首相の命取りになりかねない昭恵夫人のこのひとこと

たまには国民のことも「忖度」しろよ、と言いたくなる天然のおバカと言えよう。
昭恵夫人だけではな。
山本幸三前地方創生相が、またトンデモナイ暴言である。
北九州市内で23日に開かれた三原朝彦・自民党衆院議員の政経セミナーの来賓あいさつで、三原氏が長年続けるアフリカとの交流について触れ、「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言していたのだ。

Photo_2 山本氏は三原氏との交友関係を強調し、「ついていけないのが(三原氏の)アフリカ好きでありまして、何であんな黒いのが好きなんだっていうのがある」と述べた。
 山本氏の事務所は24日、読売新聞の取材に対し、「(山本氏は)昔、アフリカを表現する言葉として使われた『黒い大陸』という意味で言ったと話している」と説明した。
山本・前地方創生相「何であんな黒いのが…」

極めつけは、神谷昇衆議院議員の現金配布だろう。

 自民党の神谷かみたに昇衆院議員(比例近畿ブロック)が衆院選前、選挙区内の市議に現金を配っていたことが発覚し、党内からは24日、神谷氏に説明責任を果たすよう求める声が相次いだ。
・・・・・・
 神谷氏は「政治資金規正法にのっとった寄付行為だ」などと違法性の認識を否定している。二階氏は「話を十分聞いて、何が真相か見極めてもらいたい」と述べ、必要があれば党本部として事情を聞く考えも示した。
自民内「現金はまずい」…国会審議に悪影響懸念

共通するのは、当人たちがコトの重要性を認識していないように見受けられることである。
すなわちホンネの表出と考える。
こんな自民党に、国民は多数の議席を与えたのである。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年11月24日 (金)

伊都国の位置論(続)/やまとの謎(119)

「伊都国=糸島半島」説が定説になっていることは、例えば福岡マラソンの以下のようなアピールからも窺える。
Photo_7
奴国から伊都国へ駆け抜ける!! 福岡マラソン

とはいえ、「伊都国=糸島半島」説には致命的な弱点がある。
「東南陸行五百里到伊都國」であって、伊都国はその前の末盧国から「東南」の方角のはずである。
末盧国を松浦半島唐津付近だとすれば(これにも高木彬光『邪馬台国の謎』のように異論はあるにしても、唐津は他の記述との整合性という点で不合理とは言えない)、糸島半島は、「東南」ではなく「(東)北東」と言うべきである。
Ws000000

定説は、誤差、誤記、誤認・・・としているが、伊都国の位置は重要である。
戦後間もなく、榎一雄氏により「放射説」が発表され、「魏志倭人伝」の読解に画期をもたらした。
榎一雄氏は、次の点に着目した。

伊都国までと、伊都国以降で記述のスタイルが異なる。
   伊都国以前 →方位、距離、国名
   伊都国以降 →方位、国名、距離又は日数
これは、伊都国以降の記述が、「伊都国を起点に、それぞれの国の方位等を個別に記述したもの、すなわち放射状に書かれていると解釈すべきである。

放射説によれば、邪馬台国は伊都国の南であるし、順次式に読んでも、大略南であるから、邪馬台国比定の上で伊都国をどう考えるかは重要である。Photo_9
第320回 邪馬台国の会  出雲神話と邪馬台国 『魏志倭人伝』を徹底的に読む

また、伊都国には、以下のような記述があって、伊都国自身が重要な国であったと思われる。
Photo_8
たーさんの部屋

伊都国のプロファイルを以下のように論考している論者もいる。
Ws000000_2
魏誌倭人伝の検証に基づく 邪馬台国の位置比定

このような位置づけを持つ伊都国については慎重に比定すべきではなかろうか。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月23日 (木)

森友疑惑(56)会計検査院報告/アベノポリシーの危うさ(320)

「森友疑惑」の中心テーマ、国有地の値引き問題に関する会計検査院の報告が出た。
財務省が「便宜」を図ったと思われる背景に、安倍昭恵首相夫人が名誉校長を務めていた事実があったことは否定できない事実である。
それが「忖度」であるとするなら、「忖度」が生まれる構造を問題にしなければならない。
1711233
東京新聞11月23日

会計検査院の報告書では、国の価格算定を「根拠が不十分」と批判する一方、詳しい資料が残っていないとして適正価格は明示しなかった。
Ws000000_2
「森友」検査院報告 解明、あとは首相「誰が得、究明を」

会計検査院といえども行政機関であるから、検査には限界がある。
財務省は根拠資料を廃棄してしまっていると説明しているが、多くの国民は納得していないだろう。
籠池前理事長夫妻の保釈請求は却下された。
Ws000001

保釈の手続きは以下のようである。
Photo_4
保釈金に関する2つの誤解と保釈されるまでの手順

却下した裁判所がどういう判断をしたかは分からないが、逃亡や証拠隠滅の可能性は考えられないだろう。
こうなればさらに一層、安倍昭恵夫人をはじめとする関係者の「証言」が必須ではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月22日 (水)

伊都国の位置論/やまとの謎(118)

相変わらず「邪馬台国論」の人気は衰えていないようである。
私も書店で次のムック(2017年10月)をつい購入してしまった。
Real
歴史REAL邪馬台国 (洋泉社MOOK 歴史REAL)

特に新しい内容というよりも、今までの論争の現時点でのおさらいという感じである。
「魏志倭人伝」に記載されている「国」、特に邪馬台国以外で重視されている伊都国については、定説の市島半島以外の記述はない。
Photo_4

邪馬台国への行程記事中で伊都国に関する記述は以下のようである。
Photo_5
ここまでわかった! 邪馬台国 (新人物文庫)2013年10月)

上記にあるように、糸島の「イト」が「伊都」に通じるということから、伊都国=糸島半島説がほぼ定説とされてきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月21日 (火)

そこまで堕ちたか、「文春砲」/日本の針路(355)

かつて様々なスクープをものにして「文春砲」と称された「週刊文春」もすっかり安倍官邸のプロパガンダ誌になってしまったようだ。
週刊文春が週刊新潮の中吊り広告を業者から事前入手するという出版モラルを欠いた事件が報じられたが、安倍首相の「宿敵」山尾志桜里に対する報道も異様な感じである。
最新の11月23日号には以下のような記事が載っている。
171123

「一泊二日を共にした」と、いかにも不倫関係を実証するかのような書きぶりである。
ところが小林よしのり氏は、二人の行動について次のように語っている。

昨日(12日)大阪で開催した「関西ゴー宣道場」は山尾志桜里、倉持麟太郎が公の場で始めて同席し、その様子はニコ生で生中継されたが、近々、全編動画配信もされる。
道場終了後、わしは合気道の達人のボディガードと共に、山尾氏を送って会場の外に出て、タクシーを拾って乗車させた。
そのとき、すでに週刊文春の記者が尾行していたのだが、人通りが多いため、気づかなかった。
山尾氏は大阪の友だちの家に行き、以後一歩も外出せず、今日、新幹線で帰ったのだが、東京駅に着いて山尾氏がホームに降りた途端、週刊文春の男女記者二名が襲撃してきた。
呆れたことに同じ新幹線に乗っていたのだ。
つまり山尾氏の友人宅から記者は尾行していたことになる。
それで発した言葉が
「大阪で倉持さんと泊まりましたよね?」だ。
昨夕、わしが山尾氏を送って行ったあと、倉持氏は「ゴー宣道場」師範たちと、その日の感想を述べ合う動画収録を行ない、その後は我々と設営隊メンバーの慰労会に顔を出し、その後、師範だけの反省会に移動した。
その後は高森・笹・泉美・倉持と共に、わしが予約したホテルに帰った。
どうやらこれは、週刊文春記者は把握していなかったようだ。
狂気に走る週刊文春(その1)

もちろん、小林氏の言も一つの証言であって、全面的に依拠していいかどうかという問題はある。
しかし価値判断は別として、事実関係について虚偽を言う必要性も必然性もない。
しかもすべて第三者も行動を一にしているのであるから、十分信用に足るのではなかろうか。
小林氏は次のように書いているが、文春側の反論を聴きたい。

週刊文春から山尾氏事務所に来た質問書には
〈昨日(11月12日)、山尾先生は「ゴー宣道場」に出演された後、大阪で倉持麟太郎弁護士と一緒に宿泊していましたが、間違いございませんか。〉
と神田知子の名で、書いてある。
「一緒に宿泊していましたが」と既成事実のように書いているのだから狂っている。
大阪での証人が、山尾にも、倉持にも、複数いるのに、それでも嘘をねつ造しようとする狂気はもう常軌を逸している。
狂気に走る週刊文春(その1)

なお、11月9日号では以下のような記事を載せている。
1711162

書き方がいかにもゲスではないか。
不倫関係にあることを事実にしないと気が済まないという感じであるが、仮に事実としても「秘め事」であるから、よほどのことがない限り状況証拠に過ぎない。
状況証拠だけで決めつける態度は、如何なものだろうか?
そこまで堕ちたか、「文春砲」と言わざるを得ない。
これからは「週刊文春」の記事については、基本的に信用しないようにしようと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月20日 (月)

加計疑惑(60)開校してどうなるか?/アベノポリシーの危うさ(319)

文科大臣が認可したので、岡山理科大獣医学部は4月に開校することになる。
しかし、設置審で問題にされてきた施設・設備の問題や外国人をかき集めると言う学生募集の問題以外に、肝心の教育する側についてはどうだろうか?
以下のような報道がある。

Photo_3 大学設置審の専門委員は林大臣に認可答申する直前まで、加計獣医学部の授業カリキュラムや実習の問題点を指摘し、改善を求めていた。
 とりわけ深刻なのが、計画通り「教員」を確保できるかだ。獣医学部を持つ全国16大学の代表者でつくる「全国大学獣医学関係代表者協議会」会長の稲葉睦北海道大教授はJNNの取材で、学生80人に対して100人弱の教員がいる北海道大と、学生140人に対して約半分の75人の教員(予定)しかいない加計学園を比較し、〈75人で本当に(講義、実習を)やろうとしたら寝ていられないと思いますよ。先生がた〉と懸念を示していた。
 そうしたら、ここにきて教員に就任予定だった帯広畜産大の教授が就任辞退の意向を示していると北海道新聞で報じられた。
 加計学園は就業規則の定年を延長するなど必死に教員の頭数をかき集めた様子がうかがえるから、就任辞退が相次いだら大変だ。生徒だって履修どころじゃない。
 注目は、この教授が北海道新聞の取材に「(就任意向の)最終確認は受けていない」と答えていることだ。文科省はHPで、大学・学部を新設する場合の「設置認可申請又は届出について」の質問例を公表。そこには「教員組織」について、こう記されているのだ。
早くも教授就任辞退者…加計獣医学部は深刻な先生不足も

林大臣が「問題ない」としているが、文科省は、申請又は届出の時点で教員組織等の計画が全て確定していることが必要だとしている。
形式的に開校したとしても、実質的な内容があるのか疑問である。
特に15日の衆院文部科学委員会の審議でも、閣議決定をしている「石破4条件」が、いつ充足しているち確認されたのか、曖昧なままだった。
加計疑惑は、安倍政治の象徴である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月19日 (日)

非リベラルな言動(2)足立康史代議士(続)/リベラルをどう考えるか(7)

余りにもお粗末ではあるが、選挙で選ばれた「選良」であろうから、やはり批判しなくてはならない。
「朝日新聞、死ね。」とツイートして批判を浴びた足立康史氏である。
⇒2017年11月15日 (水):非リベラルな言動(1)足立康史代議士/リベラルをどう考えるか(5)

もともと問題発言の多い人だった。
以下のような画像のツイートがある。
Photo

17日の衆院文部科学委員会の質疑では、自民党、立憲民主党、希望の党の議員3人の名前を挙げて「犯罪者」と指摘した。
憲の福山哲郎幹事長と希望の玉木雄一郎代表、自民の石破茂元幹事長である。
足立氏は3党の国会対策委員長に「つたない表現だった」と謝罪の上発言を撤回すると共に、維新および足立氏は議事録から問題のあった発言を削除することに応じる方針だという。
しかし、それで済ませて良い問題だとは思えない。

この件についての足立氏の「反省」は次のようなレベルである。
Photo_3

家族を持ち出して何を言いたいのだろう?
足立氏は「総理の意向」文書は捏造として、朝日新聞に対する批判は継続すると言う。

足立氏はこの質疑で、「総理のご意向」などと記された文部科学省の文書の存在を報じた朝日新聞の記事についても、「捏造(ねつぞう)」と繰り返していた。ただ、この発言については17日、国会内で記者団に「撤回の考えはない」としたうえで、「今も捏造だと思っている」と語った。
足立議員が「犯罪者」発言を謝罪 「捏造」は撤回せず

文書は、とっくに電子書籍化されて市販されているのである。
Photo
⇒2017年6月12日 (月):加計疑惑(18)最初のボタンの掛け違い/アベノポリシーの危うさ(231)

足立氏は、この内容全体が捏造と言うのだろうか?
だとしたら、エビデンスを示すべきではないか。
まさか「悪魔の証明」などとは言うまい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月18日 (土)

加計疑惑(59)notoriousをウリにするのか?/アベノポリシーの危うさ(318)

加計学園獣医学部がなりふり構わず韓国からの留学生を募集している。
⇒2017年11月11日 (土):加計疑惑(57)韓国人枠の評価/アベノポリシーの危うさ(316)

四国の獣医師不足に対応するという説明が、便宜的なものに過ぎないことは明白である。
それはともかく、学生募集パンフが誇大広告というよりも、虚偽広告というべきであった。
岡山理科大がノーベル賞学者を「輩出」していると理解しそうな説明が載っていたのである。

Ws000006 岡山理科大での業績と誤解を招きかねない表現について、同学園広報室は取材に15日、毎日新聞の指摘を受けて当該部分を削除するとした。
 加計学園は獣医学部定員140人のうち20人を留学生枠とし、14日の設置認可前から韓国でパンフレットを配っていた。毎日新聞が入手したカラー6ページのパンフレットは「(獣医師は)日本の会社員の2~3倍の高収入」とし、学園のホームページでもハングルで「日本で有名な名門学校法人」とアピールしている。
 パンフレットによると志願資格は来春までに高校を卒業し、所定の日本留学試験を受けていることが条件。日本語600字の志望理由書などの提出も求めている。学園の系列大はアジアや中東などから留学生を受け入れている。
ノーベル学者「輩出」? 削除へ 韓国留学生パンフ

今や加計学園が「日本で有名な名門学校法人」であることは間違いない。
悪名高き学校法人である。
昔、「notorious」という単語について、岩田一男氏が石原慎太郎氏を例に、「有名な,悪名高い,名うての」というニュアンスを説明していたことがある。
これからは「加計学園」を例にした方が分かりやすいだろう。

参考までに、大学別のノーベル賞受賞者というサイトがあったので引いておこう。」
Ws000007
ノーベル賞受賞者が多い日本の大学ってどこ?

さすがに国立大学ばかりが並んでいるが、埼玉、山梨、徳島、長崎といった地方大学から受賞者が出ている。
その辺りを、文教政策にどう生かすか?
産業界に役に立つことが高等教育の使命だと考えている安倍首相には期待できない課題だろう。
⇒2017年9月13日 (水):安倍首相の教育改革認識/アベノポリシーの危うさ(279)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月17日 (金)

山本一郎氏の意見/リベラルをどう考えるか(6)

山本一郎という人が、「文春オンライン11月16日号」に『「日本のリベラル」は科学で再興されるべき』という文章を書いている。
山本氏は、同誌によれば以下のようなプロフィールである。

1973年生まれ。作家、個人投資家。東京都出身。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わりつつ、介護と子育てと投資と研究に人生を捧げている。

山本氏は「中島岳志さんと現代日本を読み解く政治学(江川紹子) - Yahoo! ニュース個人」を材料に論議を進めている。
中島氏については、リベラルのポジショニングについての見方を紹介したことがある。
Photo_3
横軸はリベラルとパターナルという価値観。
リベラルは、基本的に個人の内的な価値の問題について権力は土足で踏み込まないという原則を持つ。
その反対語は、保守ではなくてパターナルで、価値を押しつける権威主義や父権制といった観念のことで、これは夫婦別姓、LGBT(性的少数者)の権利、歴史認識の問題などに現れやすい。
⇒2017年10月18日 (水): 総選挙終盤の情勢/日本の針路(345)

山本氏は、以下のように中島氏の見方を批判する。

「リベラルとは何か」という定義までは正しく、日本社会が追求するべき理想としてのリベラルを持ち上げるところまでは分からないでもないのですが、その定義にそって日本政治を分析するところで共産党までリベラル政党に押し込んでいて、自民党や公明党は倒すべき権威主義政党だと言い切るような内容になっているようにも見えます。

自民党が権威主義ではないと言いたいのであろうか?
そうでもないらしい。

もちろん、いまの自民党政治を見て権威主義的でないとは思いません。野党の質問時間削ってどうするんだとか、憲法改正の自民党私案はいくらなんでもゴミすぎるだろとか、突っ込みたいところは山ほどあるのが問題です。ただ、本当に権威主義的なら安倍ちゃんはバンカーで転んで世界から爆笑されても放置するような真似はしません。どう考えても中国共産党やトランプさんのほうがよほど権威主義的です。

一党独裁の中国共産党や「アメリカ・ファースト」を主張し続け、「パリ協定」から脱退したトランプ大統領が「価値を押しつける権威主義」であることは確かだろう。
しかし「バンカーで転んで世界から爆笑されても放置するような」安倍ちゃんは、権威主義ではないと言えるか?
日本の永続敗戦を是認し、自国民にもそれを求める権威主義のように思える。

山本氏は公明党に対して、驚くほど寛容である。

 公明党にいたっては、その存在自体が、宗教団体である支持母体を持ちながら、拙速な憲法改正に反対、安易な消費税の増税に反対、高齢者支援や出生率改善に努力するべきという政策を主張していて、セーフティネット推進側の筆頭のような政党です。そのような政党が自民党と連立を組んでいて与党内野党のようなブレーキ役を果たしていること自体が奇跡というか自己矛盾のような気もしますが、実際そうなっているのだから仕方がありません。ちょっと「リベラルか、パターナルか」という分類で斬れるほど明確な意味を読み解けない政党が公明党だと思います。

宗教団体は一般にパターナルであるし、それを支持母体とする公明党もパターナルであると考えるべきであろう。
「「リベラルか、パターナルか」という分類で斬れるほど明確な意味を読み解けない政党」と言っているが、そもそも上図では公明党の立ち位置は示されていない。
山本氏の言うように「セーフティネット推進側の筆頭」だとするなら、縦軸の問題であって、本来独立な2軸を混同しているのは、無意識なのか意識的なのか。
私は、小池氏が順風とみれば小池氏に近づき、逆風になれば離れるという都議会公明党を見ていると、山本氏のように賛辞を贈る気にはなれない。
⇒2017年11月13日 (月): 創価学会と官邸の関係/日本の針路(353)

江川紹子氏も次のようにツイートしている。
Photo_4

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年11月16日 (木)

加計疑惑(58)茶番の国会審議/アベノポリシーの危うさ(317)

加計学園の獣医学部新設が認可されたことを受け、衆院文部科学委員会は15日、林芳正文部科学相らが出席して審議を行った。
安倍首相も加計孝太郎氏も集積していない「当事者」不在の審議なので、最初から期待できるものではなかったが、改めて疑問点を説明できない政府側の事情が分かった。
安倍首相が何度も「丁寧な説明」と言っているのだから、質問時間云々というようなケチなことに拘らず、正々堂々と論戦を行えば良いはずなのに、徹底して逃げるつもりのようだ。

Photo 最大の焦点となる首相側の関与について、立憲民主党の逢坂誠二氏は、首相が加計学園の加計孝太郎理事長と長年の友人関係にあることを受け「首相や官邸が何らかの肩入れをしたと言われている」と追及した。
 林氏は与党側の質問の際に、政府の国家戦略特区が獣医学部新設を認める過程で「首相から文科省に指示はなかった」と明言した。希望の党の山井和則氏が、「もし首相が加計氏の相談に乗っていたら」「もし不正が明らかになれば」などと繰り返し質問しても「仮定の事柄についてお答えは差し控える」との答弁に終始した。
 野党は、国家戦略特区を活用した獣医学部新設に関しても、政府が設けた「既存獣医師養成でない構想の具体化」など四つの要件を満たしたと判断した根拠をただした。だが内閣府側の答弁が要領を得ず、審議が中断する場面もあった。
 林氏は特区にかかわる部分は「所管外」としながらも、認可に至る一連の手続きは適切に行われたと強調した。
 すれ違う議論が続き、新たな事実も出てこなかったことを受け、野党側は「これでは国民が納得しない」として、首相出席の委員会審議や、加計氏の証人喚問を求めた。加計問題を審議する参院の文教科学委員会の日程は決まっていない。
認可の正当性 論戦平行線 首相・加計氏不在で解明進まず

問題の「石破4条件」が確認できないことも明らかになった。

「加計学園が4条件を満たすとは考えられない。誰がいつ判断したのか」。立憲民主党の逢坂誠二氏は語気を強めた。4条件は2015年6月に閣議決定され、(1)既存の獣医師養成でない構想が具体化(2)新たに対応すべき分野における具体的な需要(3)既存の大学・学部では対応が困難(4)獣医師の需要の動向も考慮--からなる。
 国家戦略特区を所管する内閣府の長坂康正政務官は「文科相や農相も出席した昨年11月9日の特区諮問会議で了承された」と答弁。だが、この日の会議では獣医学部新設を認める規制緩和を決めたものの、学園が事業者に名乗りを上げて計画を具体化させたのは今年1月の段階だった。
 逢坂氏が「答弁になっていない」などと詰め寄ると、長坂氏は答弁に窮し、後ろに控えた官僚らと相談。こうした場面が続き、逢坂氏の40分の質問時間中、10回にわたって質疑が中断した。
衆院文科委 加計審議、10回中断 政府、4条件答弁窮し

なお、日本維新の会の足立康史氏は、持ち時間を他政党から融通して貰うという厚遇を得て質問に立った。

足立氏は、希望の玉木雄一郎代表と立憲の福山哲郎幹事長を名指しして攻撃。獣医学部新設に懐疑的な獣医師会から献金を受けているとして「仮に請託を受けて国会質問していれば、あっせん利得罪だ。犯罪者だ。首相を犯罪者たちが取り囲んで非難しているのが今の国会だ」と主張した。さらに「『総理の意向』との報道は捏造(ねつぞう)だ。大臣はどう思うか」と質問。林芳正文科相は「特定の報道について何かを断定するのは控える」とかわした。
衆院文科委 増えた質問時間で野党・メディア批判

足立氏の議員適格性に疑問を持たざるを得ない。
⇒2017年11月15日 (水): 非リベラルな言動(1)足立康史代議士/リベラルをどう考えるか(5)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月15日 (水)

非リベラルな言動(1)足立康史代議士/リベラルをどう考えるか(5)

リベラルの概念は不定形であるから、人によって認識が異なる面がある。
若い人の中には、「自由民主党」がリベラル陣営だと思っている人も多いらしい。
私の周りの安倍信者は、「リベラルってどういうこと?」とか「枝野は自分は保守だと言っているが」などと、不審そうである。
しかし、非リベラルの好例がある。
足立康志衆議院議員である。

朝日新聞が11月11日に『「加計」開学へ これで落着とはならぬ』という社説を掲載した。
誤解の起きないよう全文を引用する。

 加計学園が愛媛県今治市に計画している獣医学部について、文部科学省の大学設置審が新設を認める答申をした。
 はっきりさせておきたい。
 来春開学の見通しになったからといって、あの「総理のご意向」をめぐる疑いが晴れたことには、まったくならない。
 問われてきたのは、設置審の審査をうける者を決めるまでのプロセスが、公平・公正だったかどうかということだ。
 国家戦略特区の制度を使って獣医学部を新設する、その事業主体に加計学園が選ばれるにあたり、首相や周辺の意向は働かなかったか。逸脱や恣意(しい)が入りこむことはなかったか――。
 こうした疑念に白黒をつけるのは、設置審の役割ではない。教員の年齢構成や経歴、科目の体系などを点検し、期待される教育・研究ができるかを専門家の目で判断するのが仕事だ。見る視点や材料が違うのだから、特区選定の正当性を裏づけるものにならないのは当然だ。
 むしろ、きのう公表された審査資料によって、見過ごせない事実が新たに浮上した。
 設置審は今年5月の段階で、加計学園の計画について、抜本的な見直しが必要だとする「警告」を突きつけていた。修正できなければ不認可になる問題点を七つも列挙していた。
 政府は国会などで「加計の計画は、競合する他の大学よりも熟度が高いと判断した」と説明してきた。設置審の見解とのあまりの乖離(かいり)に驚く。
 七つの指摘の中には「ライフサイエンスなど新分野の人材需要の動向が不明」なことも含まれる。これは、2年前の閣議決定に基づき、設置審にかける前に、特区の審査段階でクリアしておかねばならない条件だったはずだ。設置審はまた、四国地方における獣医師の需要見通しの不備にも言及していた。
 これらの重要な点を積み残したまま、なぜ加計学園は特区の認定を受けられたのか。政府に「丁寧な説明」を強く求める。
 安倍首相は先の衆院選の際、街頭演説では加計問題にほとんど触れず、「国会があるのでその場で説明させてほしい」と述べていた。この特別国会で約束を果たす義務がある。
 問題の発覚から半年。疑問は解消されず、むしろ膨らむばかりなのに、学園の加計孝太郎理事長は公の場で一度も説明していない。野党が国会への招致を求めるのはもっともである。
 首相も理事長も、逃げ回っても問題は消えてなくならない。「どうせ国民は忘れる」と高をくくってもらっては、困る。
「加計」開学へ これで落着とはならぬ

これについて足立氏が次のようにツイートした。
Photo

足立氏が朝日新聞と違う意見を持っているのは良いとしても、代議士という性格上、言論機関に対して「死ね。」という発言は許されないだろう。
朝日新聞神戸支局で起きた「赤報隊事件」のことを想起する人もいるのではないか。
殺人教唆と取られ兼ねまい。

足立氏は次のように弁解している。
Photo_3

きっこ氏は次のように言っている。
Photo_4

設置審の認可が疑惑の払拭にはならないことは当然である。
⇒2017年11月 3日 (金): 加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)
⇒2017年11月11日 (土): 加計疑惑(57)韓国人枠の評価/アベノポリシーの危うさ(316)

朝日新聞の社説は極めて真っ当であり、風評などではない。
疑惑についての国会論戦を避けているのが、自民党・官邸側であることからも、誰が隠蔽したいのかが分かる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月14日 (火)

小池劇場は終演したのか?/日本の針路(354)

「驕る平家は久しからず」というが、「小池劇場」といわれた小池百合子東京都知事のパフォーマンスも終息したようである。
12日投票が行われた東京・葛飾区議会議員選挙(定数40・立候補者59人)が13日午前開票され、小池都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」は、公認候補者5人のうち、4人が落選した。
「都民ファーストの会」は、7月の都議選で55議席を占める最大会派に躍進したが、10月の衆院選で小池氏の率いる国政政党「希望の党」が完敗した。
⇒2017年10月26日 (木): 小池都知事の錯覚・錯誤・蹉跌/日本の針路(350)

今回の葛飾区議選は、「都民ファーストの会」にとって都議選後、公認候補を擁立した初の地方議会選だったが、当選が民進党から移った現職1人のみで、新人4人が落選して、急失速が改めて浮き彫りになった。
1711142
東京新聞11月14日

劇場型政治は、風に乗っている時は強いは、風向きが変わると一挙に低落して行く。
劇場型政治を支えているのはいわゆるB層であるが、マスメディアの影響を受けやすい。
20171004_1025072b
⇒2017年10月 9日 (月):希望の党の支持基盤としてのB層/日本の針路(342)

小池氏は「希望の党」の両院議員総会で代表辞任を表明した。
それを受け、都議会公明党の東村邦浩幹事長は「これまで小池知事寄りのスタンスを取ってきたが、これからは是々非々でやっていく」と述べ、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」との「知事与党」関係を解消する考えを示した。
小池氏が代表を降りても退勢は変らず、前途多難であろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月13日 (月)

創価学会と官邸の関係/日本の針路(353)

私は学生時代に、一度だけ創価学会の会議に参加したことがある。
尊敬していた先輩が急に学会の熱心な信者になって誘われたのだ。
もちろん違和感はあったが、嫌悪感はなかった。
公明党があったのかどうか記憶にはないが、護憲平和路線だったと思う。

いつから自民党主導の与党の立場になったのか?
安倍政権のウルトラライトの立場と、公明との母体の創価学会の立場がどう折り合っているのか、不思議な感覚だと思うが、余り深く考えたことはないが、選挙結果次第では変化するのではと思っていた。
公明党が先の衆院選を総括した10日の全国県代表協議会では、地方組織代表から安倍晋三首相(自民党総裁)が提案する憲法9条改正による自衛隊明記案への賛否を明確にするよう求める意見が出ていたそうである。

Ws000000
党執行部は重要政策を巡り自民党との対立が明確になれば連立政権の基盤が揺らぎかねないとして、自民党の議論を見守る慎重な姿勢を示した。出席者が11日、明らかにした。
 協議会では、出席者が9条改正への党見解が曖昧として方向性を示すよう要求。執行部は「改憲を党是とする自民党と公明党が対立すれば、政権そのものに関わる話になる」と述べ、賛否を明言しないことに理解を求めた。
公明地方、9条改正賛否明確化を 総括で要求 執行部は慎重姿勢

執行部は持ちこたえられるだろうか?
また、学会員の公明離れが加速するのではないか、という記事を目にした。

「10月の総選挙で公明党は5減の29議席に終わりました。比例代表では、2000年以降の衆参両院選を通じて初めて700万票を割った。これは一部の学会員が批判の意味を込めて立憲民主党に投票したり、無効票を投じたからといわれています」(創価学会関係者)
・・・・・・
 安保法制や共謀罪に賛成し、自民党のブレーキどころかエンジンになっている今の公明党に学会員の不満は鬱積し、爆発寸前という。今後、“公明離れ”がさらに加速する可能性が高い。
「今回、公明党は『5歳までの幼児教育を全て無償化する』と公約に掲げました。安倍首相も教育無償化について『全ての子供たち』と言っていたくせに、選挙が終わった途端、認可外保育は対象外にしようとしていると判明。選挙で汗を流した学会婦人部はカンカンです」(ある婦人部会員)
 こうした動きを察知した創価学会は、沈静化のために先手を打とうとしているようだ。例年、学会は創立記念日の11月18日前後に幹部人事を行う。今年は“官邸とのパイプ役”と呼ばれる幹部を要職から外すのではないか、という情報が流れている。
「この幹部は菅官房長官の“盟友”といわれています。今回、安倍首相が解散・総選挙に踏み切ろうとしていることを知ると、足元の改憲反対派の学会員の反発を危惧して『都議選が終わったばかりで準備が間に合わない』『年末にするよう首相を説得して欲しい』などと菅氏に要請したといいます。ところが、やんわりと押し切られて選挙に突入。結果、公明党の議席を大きく減らすことにつながった。創価学会が本当にこの幹部を要職から外すことになれば“懲罰人事”になりますが、同時に“官邸との決別”も意味します」(前出の創価学会関係者)
 こうした公明党の事情を知ってか知らずか、安倍首相は8日夜、「憲法を変えることを支持されたと思っている。できれば早めにしたい」と明言した。解けそうな“下駄の雪”を捨てて、別の改憲勢力と手を組むつもりかもしれない。
菅官房長官の“盟友”を更迭? 公明党に自公連立解消の兆し

安倍首相にとって改憲は至上命題なのか?
普通はそう考えるだろうが、自民党の長老山崎拓氏は次のように見ているという。
20171107_1201292
サンデー毎日11月19日号

要するに、自民党が総選挙で勢力を維持し、公明党が微減に終わった結果、巨大与党が改憲問題で割れて行くだろうと言う見立てだ。
果たしてどうなるか?
創価学会の側では内部矛盾が高まっているであろうから、公明党は与党のうま味は捨てがたいにせよ、創価学会の意向に従わざるを得ないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月12日 (日)

希望の党に希望はあるか/日本の針路(352)

希望の党が、10日、国会議員の共同代表として玉木雄一郎衆議院議員を選出した。
小池代表との共同代表体制であるが、失望から絶望へ、などと言われている「希望の党」は、希望を復活させることができるだろうか。

Ws000000
 11月10日に行われた希望の党の共同代表選挙で、玉木雄一郎衆議院議員(48)が選任された。国会議員票53票のうち、39票が玉木氏に投じられた。小池百合子代表に近く、チャーターメンバーが味方に付いた玉木氏の勝利は予想通りだと言える。
 しかしながら勝利の結果はともかく、7割強の得票率は「大勝」と言えるのか。あるチャーターメンバーは投票前に、「玉木氏は4対1以上で勝たなくてはいけない」と語っている。
 その理由は、玉木氏の対抗馬の大串博志衆議院議員(52)が、「憲法9条改正反対」「安保法制反対」の姿勢を明確にしたからだ。さらに大串氏は、新進党や無所属の会、立憲民主党との“連携”まで言及した。
【希望の党】共同代表に玉木氏就任!問われるリーダーシップ。

敗北した大串氏の立場は次のようだ。

これについて大串氏は「憲法改正の議論はあっていいが、9条改正は必要ない」と断言。安保法制についても、「日本の立憲主義を守るという立場から、集団的自衛権を含む安保法制は容認しないという立場を明らかにする」と述べ、他党との連携についても、民進党や無所属の会、立憲民主党との連携及び統一会派を組む可能性にも言及した。
しかしながら希望の党は、保守政党を標ぼうし、安全保障政策について現実視するのではなかったか。そのために政策協定書が作られ、民進党からの参加希望者は振り分けられたのではなかったか。上記のチャーターメンバーは、「安保法制も憲法改正問題も、希望の党に入る時に確認済みの事項だ。それに反するならば、同じ政党としてやっていられない。出て行ってほしい」と述べている。
これについて大串氏は、「当初の政策協定書には『安保法制を容認しない』と書かれていたが、後で修正してその文言は消えた」として、持論が希望の党の基本方針と矛盾しないことを強調。実際に当初作られた「8項目政策協定書」にはその第2項で「限定的な集団的自衛権の行使を含め、安全保障法制を基本的に容認し、現実的な安全保障政策を支援すること」と記載されていたが、後に「現実的な安全保障政策を支持する」に修正されてはいる。
よって「安保法制を容認しない」と主張しても、政策協定書に矛盾するわけではないという論理が成立するというのが大串氏の言い分だ。
希望の党は「玉木共同代表」で何が変わるか

この路線の違いは、戦術的というよりも戦略的だから、早晩希望の党の内部矛盾は顕在化するだろう。
玉木氏は、「さわやかにスポーティにいきたいと思うので、みなさん頑張りましょう」と挨拶したが、そう簡単にはいかないと思われる。
ベクトルの違いを容認すれば民進党を解党したことの意味が問われるし、路線純化をすれば大串氏の支持勢力は離党するだろう。

最近の小池百合子氏はすっかりくたびれているように見える。
「鬼道に仕え、よく衆を惑わす。年齢は既に高齢」という『魏志倭人伝』の卑弥呼の描写を思わせる。
いよいよ、「倭国大乱」かも知れない。
⇒2017年9月28日 (木):衆院解散は「倭国大乱」に似ているか?/日本の針路(332)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月11日 (土)

加計疑惑(57)韓国人枠の評価/アベノポリシーの危うさ(316)

安倍首相の「腹心の友」加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園の獣医学部新設計画に対し、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)がゴーサインを出した。
設置審の答申が10日発表され、文科相が近く認可する。

Ws000000「設置審は外形的な審査をするところで、基準さえ満たせば認可の答申をする。獣医学部の新設を認める答申が出されたが、問題の根っこにある国家戦略特区諮問会議の審議の過程への疑惑は解消されていない」。元文部科学省大臣官房審議官の寺脇研・京都造形芸術大教授はこう語る。
 さらに、「当初、8月の予定だった答申は他大学まで巻き込んで11月にまで先送りされたが、これは異例中の異例。来春の開学を考えると非常に遅く、すでに多くの受験生は志望校を決めてしまっているだろう」と指摘。「せめて疑惑まみれの獣医学部で学生が学ぶことを避けるため、いまだに沈黙を守る加計孝太郎理事長が説明責任を果たすべきだ」と求めた。
 元総務相の片山善博・早稲田大公共経営大学院教授は「愛媛県の長年の悲願が成就することや、特区の狙いだとされる地方創生はこの問題の本質ではない」と強調。「今回の問題で一番の疑惑とされる、時の首相の『おともだち』を優遇したのではないか、官僚がそんたくしたのではないか、という点が解明されていない」と一連の経緯を疑問視した。
 また、設置審の議論についても「最初から認可ありきのストーリーで進められた印象だ」と述べ、「首相をはじめとする政治家や省庁幹部が国会で語った内容に納得した国民が、どれだけいるだろう。ほかに獣医学部を新設したい大学があったにもかかわらず、加計学園だけに認められたプロセスは十分に検証されていない」と断じた。
加計学園 「疑惑」残したまま 決着に疑問の声

設置審の判断と国家戦略特区の判断が別であることで、このままゴーサインを出して良いのか?
良いはずがない。
⇒2017年11月 3日 (金):加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

しかも、同学部は、韓国で学生を募集していたことが分かった。
NHKの「あさチャン」が報じた。
獣医学部に関して、定員の7分の1に匹敵する韓国人留学生を集めている。
さすがに、ツイッターなどに多くの批判が湧いている。
Ws000001_2

Ws000002

何のために、どのような学部を創るのか?
トランプ大統領のアジア歴訪では韓・中の前座的だと言わざるを得ないし、国家戦略特区の名で友人が韓国からの留学生を、国費で補助しようとしているのだ。
ウヨクが反日的と糾弾しないのが不思議なくらいだ。
国家戦略特区における議論を再検証しなければなるまい.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月10日 (金)

トランプ大統領のアジア歴訪/世界史の動向(57)

アジアを歴訪中のアメリカ・トランプ大統領が、韓国、中国訪問を済ませ、ベトナムでAPECの臨んだ。
この長い歴訪は、世界にとってどのような意味を持つのだろうか?
また、日本の外交は成功したのか?

私の周辺の安倍信者は、「やはり安倍ちゃんの外交力はスゴイ」などと言っているが、本当か?
韓国、中国でもそれぞれすくなくとも表面上は「熱烈歓迎」を受けたように見える。
日本では安倍首相の、まるで宗主国の元首を迎えるかのような接遇が印象に残った。
この「ご接待」は成功したのだろうか?
私にはそう見えない。
⇒2017年11月 7日 (火):トランプ大統領にへつらう安倍首相とマスメディア/永続敗戦の構造(12)

外務省OBの天木直人氏は以下のように論評している。

 首脳外交とは、決して首脳間の個人的友好関係を誇示するものではない。
 その国の国民を背負った二国間の首脳の、国家の威信と国益を賭けた凌ぎ合いなのだ。
 ひるがえって、それに先立って行われたトランプ大統領の来日はどうだったか。
 個人的友好関係を強調するあまり、ゴルフと会食パフォーマンスが優先された。
 米国大統領の初来日にもかかわらず国賓としなかったのは、天皇陛下の謁見を避けるためではなく、ゴルフをしたかったからに違いない。
 いまとなってはそう思わざるを得ない。
 トランプ大統領の国会演説よりも、トランプ大統領とのゴルフと会食を優先したかったのだ。
ゴルフと会食を優先した安倍対米首脳外交の歴史的敗北

しかも、そのゴルフたるやひどいものだったようだ。

 政界で話題になっているのはバンカーにハマった1番ホールでの安倍首相の衝撃映像だ。1回ではバンカーからボールを出せず、2回目のショットで何とかバンカーから脱出。安倍首相は先を歩くトランプと松山英樹に取り残されまいと、バンカーからフェアウエーに一気に駆け上がろうとしたが、バランスを崩して後方にスッテンコロリン1回転。亀みたいに手足をバタつかせて自身がバンカー入りしてしまった。この“珍プレー”をテレビ東京がニュースで放送すると、ユーチューブに映像がアップされ、瞬く間に再生回数が30万回を超えた。
ゴルフで転倒 衝撃映像で露呈した安倍首相の“体調悪化説”

別にミスショットやトランプ大統領との腕の差をあげつらっているのではない。
ゴルフ、豪華会食、プレゼントという一連の発想が、底の浅さを示している。
残念ながら、世界の舞台でリーダーシップを発揮して行けるとは思えない。
しっかり勉強したことがないツケが回ってきているのだ。
加計孝太郎氏とも「留学」という名目で渡米して、実際は遊びまわっていたに違いあるまい。

安倍首相の姿勢と対照的に猛烈な勉強ぶりで知られる佐藤優氏は、以下のように批判している。
171110
東京新聞10月10日

自民党も、本気で安倍降ろしを考えないとマズイだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 9日 (木)

リベラル・アーツとの関係(3)/リベラルをどう考えるか(4)

社会で要請される知識は、本来「理系」とか「文系」とかという枠とは無関係である。
理系の知識も文系の知識も学ぶ文理融合系や、学際系の学部が誕生しているのは必然であると言える。

複数の学問的(学際的)な視点から学んだり、一つの専門領域を深く学びつつ、それを支える複数の学問領域を学ぶ学部は昔から存在した。
東京大学に教養学部があり、現在は大学院総合文化研究科と一体的に運用され、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部と称している。
ICU(国際基督教大学)の教養学部 アーツ・サイエンス学科が私の受験生の頃から設置されていた。

かつて文理学部という学部が多くの地方国立大学を中心に存在した。
それが専門化の必然的な結果ではあるのだろうが、ほとんどが例えば文学部と理学部へと分化した。
いま、秋田の奇跡と称される国際教養大学が見事に成功しているのを見ると、いささか残念のような気がする。

リベラルアーツ系学部の新設としては、山梨学院大学の国際リベラルアーツ学部新設を紹介したことがある。
⇒2014年6月24日 (火):遠藤麟一朗とリベラルアーツ/知的生産の方法(98)
また、「情報」「環境」「社会」「人間」「文化」などの付した「新リベラルアーツ系」も増えている。
Photo_3
【文系でもない理系でもない新しいリベラルアーツとは】いま注目されるリベラルアーツ教育の新しい波

この傾向は、安倍首相の教育改革の理念の真逆の方向性である。
⇒2017年11月 5日 (日):リベラル・アーツとの関係/リベラルをどう考えるか(2)
奇しくも小泉進次郎自民党副幹事長から、安倍首相の政治手法に疑問が投げかけられている。
これをガス抜きと見る人もいるが、問題の根は深いところにあるのではなかろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 8日 (水)

疑惑の仲か、安倍とトランプ/アベノポリシーの危うさ(316)

安倍首相のトランプ大統領の接遇は、異例というよりも以上と言うべきであった。
⇒2017年11月 7日 (火): トランプ大統領にへつらう安倍首相とマスメディア/永続敗戦の構造(12)

トランプ大統領は、「日本へ行って、仲いいアベはんに武器をぎょうさん売ったで」と見も蓋もないツイートをしている(なぜか関西弁風になる)。
Trump_2

安倍首相は、モリカケ疑惑から逃れるために、なりふり構わない姿勢である。
強引に国会を閉じ、臨時国会開催の要求は棚晒しにし、チャンスだと考えれば解散をする。
「勝てば官軍」という意識なのかも知れないが、歴史の評価に耐えるとは思えない。
⇒2017年10月30日 (月): モリカケ疑惑の行方/アベノポリシーの危うさ(313) ⇒2017年10月31日 (火): 国会・ディベート・クリシン/アベノポリシーの危うさ(314)
⇒2017年11月 3日 (金): 加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

一方のトランプ大統領も、いよいよ足許まで疑惑が押し寄せている。
タックスヘイブン(租税回避地)の法律事務所から漏洩した「パラダイス文書」が、トランプ政権に新たな「ロシア疑惑」を突き付けている。

Ws000000_2 大富豪で、知日派としても知られるロス氏。多数の企業を束ねる「ロスグループ」は、低迷企業を投資で再生させ、世界各地で巨額の利益を上げてきた。なかでも、ナビ社はかつてロス氏自身が取締役を務め、株価を倍増させた。ロス氏は後にナビ社への投資を「ホームラン」と振り返った。 
ただ今年2月に政権入りする前に保有資産の大半を手放した。商務長官として利益相反がないようにするためだ。グループの主要な役職も退き、ナビ社とも距離を置いたように見えた。
 だがロス氏はナビ社の実質的な株主の立場を続け、ロシアのプーチン大統領と近い企業との取引を続けていたことが、「パラダイス文書」でわかった。
 ロス氏のロシア側との関係の発覚は、トランプ政権のアキレス腱(けん)になっている「ロシア疑惑」の根深さを改めて印象づけるものだ。
・・・・・・
 トランプ氏自身に対する米国民の視線も厳しさを増している。ワシントン・ポスト紙が2日に公表した世論調査では、ロシア疑惑を巡って「大統領自身も罪を犯した可能性が高い」と考える人が49%に上っている。ロス氏ら閣僚の進退問題に発展すれば、既に落ち込んでいる支持率への影響も避けられない。
 トランプ氏はアジア歴訪に出発した3日朝、記者団に「ロシアとの結託はない。何もない。率直に言って(捜査が)継続しているのは侮辱だ」と不満をあらわにした。
・・・・・・
 パラダイス文書に名前が登場したトランプ政権関係者はロス氏だけではない。閣僚や有力支援者など、ロス氏以外にも12人の名前がICIJの取材で判明した。「既得権層による富の独占」を批判して大統領選に勝利したトランプ氏だが、政権はタックスヘイブン(租税回避地)と深く結びついている。
新たなロシア疑惑、トランプ政権に火種 パラダイス文書

日米の政権は異常なほど親密ぶりをアピールしているが、崩壊は意外に早いのではないか。
アメリカの直近の選挙情報である。
Photo

日本が先か、アメリカが先か分からないが、まあ一方だけということはないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 7日 (火)

トランプ大統領にへつらう安倍首相とマスメディア/永続敗戦の構造(12)

まるで宗主国と植民地のような姿である。
訪日したトランプ大統領は、横田米軍基地に降り立ち、兵士たちを前に演説を行った 。
羽田空港を選ばなかったところに、トランプ大統領の意識が窺える。
外務省OBの孫崎亨氏は次のようにツイートしている。
Photo_2

横田基地から埼玉県の霞ケ関カンツリー倶楽部」(川越市)に直行、出迎えた安倍首相および松山英樹プロを交えゴルフに興じた。
安倍首相としては親密性を訴求したかったのだろうが、外交的な成果はあったのか?

Photo_3世界ランキング4位の松山英樹を交えて安倍首相と9ホールを回った。ラウンド終了後、安倍首相は「ゴルフのプレー中ならではの会話が弾みました。突っ込んだ話もできた」と“ゴルフ外交”の成果を強調したが、実際は、ほとんど会話がなかったようだ。「突っ込んだ話」どころか、ミスショットを連発し、2人から白い目で見られていたという。
・・・・・・
「1番ホールでドライバーを250ヤード近く飛ばし好スタートを切ったトランプ大統領に対し、何と安倍首相はいきなり“チョロ”。のっけから赤っ恥をかいたためか、その後、チョロ、ダフリ、バンカーの連続。カートでコースの右から左へせわしなく移動しながら、降りては小走りで動き回っていました。チョコマカしてよほど暑かったのか、途中でベストを脱ぎ捨てていました」(官邸担当記者)
 まったく成果のなかった“ゴルフ外交”の警備のために、警視庁は今回、過去20年間で最大規模の約1万8000人を動員。首都高など一部で交通規制も敷いた
ミス連発、ほぼ会話なし…安倍首相のゴルフ外交は大失敗

トランプ大統領が厚木に降り立つマッカーサーを連想させる一方で、一日の大半をトランプ大統領と接待する安倍首相の姿を垂れ流すTVにウンザリした。
171107
日刊ゲンダイ11月7日

日本がまだ占領状態に置かれたままであることを実感せざるを得ない。


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年11月 6日 (月)

リベラル・アーツとの関係(続)/リベラルをどう考えるか(3)

私は、安倍政権の考え方は、基本的にリベラル・アーツとは馴染まないと考える。
安倍首相に近い自民党議員の勉強会「文化芸術懇話会」がそれを証明している。
2015年9月の総裁選が無投票であったことに勢いをえて、安倍首相は首相側近の加藤勝信・官房副長官と萩生田光一・党総裁特別補佐を同会の「顧問格」に据え、会の拡大を図った。

同会の基本的な性格として、Wikipediaに次のような説明がある。

2015年5月には自由民主党の若手リベラル国会議員により「過去を学び、分厚い保守政治を目指す若手議員の会」が立ち上げられた現状を憂えた若手タカ派によって結成された勉強会である。

自民党内のリベラル狩りであり、希望の党の先駆だったと言える。
⇒2017年10月 4日 (水):「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

同会の初会合の講師は、なんとあの百田尚樹氏であった。

2015年(平成27年)6月25日に行われた初回会合の出席者には、総裁安倍晋三に近い議員も多く、同年9月に行われる予定の総裁選挙を前に、安倍の無投票再選の機運を高める狙いがあるとされた。
出席者からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」との声が上がり、「安全保障関連法案をどうわかりやすく説明したらいいか」との質問や「(安保関連法案を違憲とする)憲法学者や元内閣法制局長官に全く権威はない」との声が出たという。
また、講師として招かれた作家の百田尚樹は、集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘し、「反日とか売国」という表現を使いながら、「日本を貶める目的をもって書いているとしか思えないような記事が多い」と指摘すると、参加議員から「そうだ、そうだ」と賛同の声が上がったという。さらに、百田は、沖縄県の地元紙・沖縄タイムスと琉球新報の2紙が政府に批判的だとの意見が出たことに対して、「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。
Wikipedia

まるで質の悪い右翼の集会のようである。
百田尚樹氏は、数多くのベストセラーを持つ作家であり、大衆の心を捉える術に長けている。
しかし、それはヒトラーに通じるものであると言うべきであろう。
⇒2014年11月21日 (金):百田尚樹の『殉愛』の売り方/知的生産の方法(110)
⇒2014年11月22日 (土):クリティカル思考の反面教師としての百田尚樹/知的生産の方法(111)
⇒2014年11月28日 (金):安倍首相の盟友・百田尚樹の馬脚/日本の針路(76)
⇒2014年12月 6日 (土):誰が百田尚樹の首に鈴を付けるのか/日本の針路(80)

百田尚樹氏は、安倍首相の肝いりでNHKの経営委員を務めていた。
いかに安倍首相が見識を欠くかの好例であり、モリカケ疑惑の本質を示唆する人事であった。
百田氏については、以下のような相関図を紹介したことがある。
Photo
⇒2014年12月29日 (月):百田尚樹の正体?/人間の理解(8)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年11月 5日 (日)

リベラル・アーツとの関係/リベラルをどう考えるか(2)

リベラルという言葉に関係する言葉として思い浮かぶのは「リベラル・アーツ」である。
リベラルアーツとは何であろうか?

文部科学省は国立大学改革の方向性として“文系不要論”を打ち出している。
即戦力にならないというのが理由であるが、大学を職業教育機関として「だけ」位置づける発想が理解できない。
⇒2015年6月19日 (金):文科省の国立大学改革通知はナンセンス/日本の針路(181)
⇒2015年9月14日 (月):文系学部狙い撃ちの愚/知的生産の方法(126)
⇒2015年12月29日 (火):「知のあり方」が問われた年/知的生産の方法(139)

安倍政権の基本政策の1つに「人づくり革命」がある。
⇒2017年8月18日 (金):改造内閣(4)内閣の基本方針/アベノポリシーの危うさ(278)
しかし、モリカケ疑惑に頬被りして、どのような「人づくり革命」を行なおうとするのだろうか?
ドイツメルケル首相との対比で、安倍首相の教育認識を問うた西川伸一氏の『ドイツ科学の卓越性の秘密:Nature 最新号の記事を読んで』が話題になっている。

安倍政権の下での急速な知力の低下が危惧されているのである。
⇒2017年9月23日 (土):日本の研究力(知的生産力)の低下を憂う/日本の針路(329)

安倍首相の認識が端的に表出されているのは、平成26年5月6日にOECD閣僚理事会で行った「安倍内閣総理大臣基調演説」である。
もっともらしいような言葉が並んでいるが、「学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に取り込みたいと考えています」というのである。
⇒2017年9月13日 (水):安倍首相の教育改革認識/アベノポリシーの危うさ(279)

要するに「教養教育は不要」というに等しい。
教養教育とは、専門分化する前に学ぶ課程である。
昔は大学の学部の前半を「教養学部」と称することが一般的だったが、現在は各大学でそれぞれのネーミングを付けているようである。

教養教育とは、リベラル・アーツ教育である。

リベラルアーツとは、奴隷制を有した古代ギリシャやローマで「人を自由にする学問」として生まれた。5~6世紀の帝政ローマの末期には、言葉に関わる「文法」「修辞学」「論理学」の3つと、数学に関わる「算数」「幾何」「天文」「音楽」の4つで、併せて「自由7科」という考え方が定着した。これらが奴隷でない自由人として生きていくために必要な素養とされたのである。古代では、音楽も数学的な知識として分類されているのが興味深い。このリベラルアーツは日本では教養と訳されることが多い。
大学の教育は一般的に専門教育と教養教育で構成される。経済学部なら経済学、法学部なら法学、理学部なら物理学や数学等の専門を学ぶと同時に、社会人として必要な教養を身につけるために、専門以外の知識を幅広く身につけるための「教養科目」が置かれているのだ。だから大学に入学すると、この教養科目群と専門科目群の双方から一定の単位数を卒業までに修得する必要がある。
・・・・・・
こうした専門教育とセットになった教養教育を行うのではなく、4年間を通じて教養教育のみを行う大学がある。アメリカではこのような大学をリベラルアーツ・カレッジと呼ぶが、ハーバード大学などの名門アイビーリーグなどがそれに該当する。
【文系でもない理系でもない新しいリベラルアーツとは】いま注目されるリベラルアーツ教育の新しい波

東京大学合格を目指して、国立情報学研究所などが開発してきた人工知能「東ロボくん」の弱点は、リベラル・アーツの不足であった。
⇒2016年11月18日 (金):「東ロボくん」とリベラル・アーツ/知的生産の方法(164)

大学誘致が「地方創生」の切り札のように考えられているが、実際に成功しているのは、中嶋嶺雄氏が尽力した秋田国際教養大学など、限られているようである。
同大学は、ユニークなカリキュラムで知られるが、リベラル・アーツ教育の典型であると思われる。
Ws000000
AIU SPIRITを育む国際教養大学の5つの特徴

高い山のためには豊かな裾野が必要である。
高等教育の職業教育化を推進することは、日本の衰退を招くことになるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 4日 (土)

総選挙とリベラル派/リベラルをどう考えるか(1)

総選挙で立憲民主党が健闘したことから、リベラルが話題になっている。
産経新聞の『【衆院選】日本だけ特殊、「リベラル」の意味-本来の語義から外れ「憲法9条信奉」「空想的平和主義」か』を見てみよう。

 リベラルという言葉が盛んに使われるようになったのは、衆院解散が目前に迫った先月下旬、民進の前原誠司代表が「安倍晋三政権に勝つため、野党勢力を結集させる」と、小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党への合流を模索して以降のことだ。
 小池氏は、憲法観の一致や集団的自衛権の限定的な行使を認める安全保障関連法への賛成を「踏み絵」として提示。受け入れを拒否した左派が「リベラル派」と呼ばれるようになり、枝野幸男氏(53)=埼玉5区=による「リベラル新党」立民の設立につながった。立民は主張が近い共産や社民と連携を深め、全国の249選挙区で候補者を一本化。これら3党がリベラル勢力と呼ばれている。
Ws000000
 『広辞苑』によると、「リベラル」とは、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」、『大辞泉』は「政治的に穏健な革新をめざす立場をとるさま」とする。実際に使われている意味と語義が異なる背景には、「リベラル」が特殊な意味で語られることが多かった日本ならではの事情があるという。
・・・・・・
 外国でのリベラルという言葉の使われ方は日本と異なる。日本大の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)によると、米国では少数者の権利や福祉政策を重視する立場を指すことが多く、欧州では国家の市場への介入を防ぐ経済的な意味が強い。
・・・・・・
 今回の衆院選では、自民、公明、希望、維新4党を「保守派」、共産、立民、社民3党を「リベラル派」と位置づけて語られるケースが多いが、岩井教授は「対決の構図を作るための色分けにすぎず、本来の意味からかけ離れている」と批判。「政治家の発言や政党の公約を見極めて投票先を選ぶことが重要だ」と有権者に呼びかけている。

よく分からないのが、日本大岩井奉信教授の言葉だ。
「政治家の発言や政党の公約を見極めて投票先を選ぶことが重要だ」としながら、「対決の構図を作るための色分けにすぎず、本来の意味からかけ離れている」と批判する。
「政治家の発言や政党の公約」から「対決の構図を作った」のだとすれば、「政党の公約を見極め」る上で、参照すべきではなかろうか。

産経新聞によれば、リベラルは本来は「自由主義的に穏健な革新をめざす立場」を指すが、日本では異なって用いられている。
憲法改正に関して、9条を変えることに反対しているのが「日本のリベラル」であり、それはむしろ保守的である、と言いたいようである。

この論点に限れば、この指摘は当たっていると言えよう。
総選挙において、小池氏の「踏み絵」を踏まなかった人たちがリベラルと言われている。
特定秘密保護法、集団的自衛権の行使、共謀罪等は一連の流れである。
明らかに、「個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的」と真逆の方向性である。
まさに、本来の意味におけるリベラルである。

踏み絵はリベラル勢力を「排除」するものであったのである。
小池氏が「反安倍」を主張しても、それは立場・価値観の差というよりも、勢力争いなのである。
⇒2017年10月 4日 (水):「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

世界的なレベルで、リベラルは退潮だという。
しかし、今こそリベラルの価値が重要化していると言える。
21710034
東京新聞10月3日


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 3日 (金)

加計疑惑(56)大学設置審認可へ/アベノポリシーの危うさ(315)

学校法人加計学園」(岡山市)の獣医学部新設の可否を審査している文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が、新設を認可するよう林芳正文科相に答申する方針を固めた。
答申は10日の予定だとされ、これにより来春の開学が可能になる。
これで、「加計疑惑」は一件落着であろうか?

残念ながらそうではない。
加計学園の獣医学部新設計画では、政府の国家戦略特区制度を活用した手続きが「加計ありき」で進められたのではないか、が疑惑の焦点であった。
学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相の「腹心の友」であり、首相官邸の働き掛けの有無などについて疑問が呈されてきた。
設置審と国家戦略特区制度は別の制度的枠組みであり、設置審の判断が疑問に答えるものではないからである。
設置審の判断は、必要条件であっても十分条件ではないのだ。

1711032_3
東京新聞11月3日

 特区担当の内閣府が文部科学省に、獣医学部新設に関して「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと伝えたとする記録文書が、5月に明らかになった。

 菅義偉官房長官は当初「怪文書」と切り捨てたが、前川喜平前文科事務次官が「確実に存在した」と証言し、文科省の再調査で確認された。内閣府は発言を否定した。
 前川氏はさらに在任時の昨年九月、和泉洋人首相補佐官に「総理は自分の口からは言えないから」と手続きを促されたと説明。同八月に当時内閣官房参与だった木曽功学園理事から「早く進めてほしいのでよろしく」と言われたと明かしたが、和泉、木曽両氏とも働き掛けはないと主張した。
Photo
 記録文書には、首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行(当時は官房副長官)が再三登場。新設条件の修正に関する内閣府のメールに「(修正指示は)萩生田副長官からあったようです」との記載もあった。萩生田氏は関与を否定している。
 安倍首相が今年六月の記者会見で「議事は全て公開している」と胸を張った特区の審議でも、疑義が生じている。
 二〇一五年六月の特区ワーキンググループに加計学園の三人が出席していたのに、議事録では伏せられ、発言も記載されなかった。獣医学部新設には「既存の大学で対応が困難」などの四条件が必要とされるが、議事要旨には、クリアしたかどうかを詳細に話し合った形跡は見当たらない。
 獣医学部新設は予定地の愛媛県今治市などが申請。昨年十月に安倍首相が議長として出席した特区諮問会議で議論されたが、首相は事業者が加計学園であることを知ったのは、計画が認定された今年一月になってからと説明した。こうした自身の言動を含め、説明責任が問われている。
「加計ありき」残る疑惑 問われる首相の説明責任

設置審の判断で加計疑惑が解消されたわけではないことを確認すべきだろう。
国家戦略特区の判断の検証を曖昧にするようなことがあっては、将来に禍根を残すことになると思う。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年11月 2日 (木)

暗号革命と素数(3)RSA暗号/知的生産の方法(165)

暗号の要諦は、次のように言える。
1.暗号文は解読ルールを知らない人間には、分かりにくい程良い。(保秘)
2.暗号文による伝達は確実に伝わる程良い。(伝達性)
⇒2017年7月12日 (水): 暗号革命と素数(1)暗号化の基礎/知的生産の方法(161)

この2つの要件は、基本的に両立が難しい。
保秘は分かりにくさを旨とし、伝達性は分かり易さを旨としているからである。
この両立が、素因数分解を応用することで可能になった。
現在のところ大きな数を素因数分解できる効率的な方法は見つかっていない。
2つの素数 P と Qを掛けて P×Qを求めることは簡単にできるが、逆に掛けた結果の P×Q から P と Qを効率的に求めることは極めて難しい。
⇒2017年8月26日 (土):暗号革命と素数(2)大きな数の素因数分解/知的生産の方法(162)

科学雑誌「Newton]2013年4月号の『素数のふしぎ』という特集に、インターネット時代の暗号方式である「RSA暗号」の簡潔な紹介があった。
RSA方式では、公開鍵をウェブサイトの利用者に送り、利用者はこの鍵を使った計算で暗号化を行い、ウェブサイトに送る。
20171102_1254172
20171102_1254222

RSA暗号では、ウェブサイトの公開鍵がインターネット上で公開されており、その公開鍵で暗号化している。
素因数分解という昔教わったことがある誰でも知っている方法であるが、「巨大な数の約数を発見すこととが非常に難しい」という事実によって、取引の安全性が担保されているのだ。
素数の世界は不思議が一杯である。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年11月 1日 (水)

「見立て」の手法・再論/知的生産の方法(164)

前に「見立ての手法」について触れたことがある。
⇒2013年5月 7日 (火):「見立て」の効用/知的生産の方法(53)

NHKの朝の連ドラ『ひよっこ』オープニングで典型的な「見立ての手法」が使われていた。
桑田佳祐さんの歌が流れている時に使われていた田中達也さんのミニチュア写真の映像である。
Photo_4
『ひよっこ』タイトルバックも担当 ミニチュア写真家・田中達也の展覧会

このように「A」をまったく別の「B」として見立てることは、文芸のレトリックとして広く用いられてきた。
例えば紀貫之は「さくら花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける」と空に波が立つと見立てた。

レトリックは言葉の技術であるが、言葉は思考の乗り物であるから「見立て」は思考の方法論でもある。
日本人は、本歌取りのように、 「A」と「B」を同時に意識する手法が殊に好きだと言われる。
それが文化に奥行きをもたらしたのだという説もあるがどうだろうか?

この「見立て」の力に卓越していたのが、梅棹忠夫さんである。
梅棹さんは産業の発達を生物の器官の発達に擬えた。

人類史において,文明の初期には,まず農業の時代があり,そこでは,食糧の生産が産業の主流をしめた。やがて工業の時代がおとずれ,物質とエネルギーの生産が産業の主流をしめるようになった。つぎに産業の主流をしめるようになるのが,情報産業である。経済的にも,情報の価値が,経済のもっともおおきい部分をしめるようになるであろう。
⇒2009年4月10日 (金):「情報産業論」の先駆性

 

梅棹さんが世界の識者に先駆けて、このような見通しを発表したのは1963年であった。
まさに『ひよっこ』の時代である。
そして、情報産業という概念がその後の日本の電子産業の隆盛を導いたとも言われる。
現在、老若男女こぞってスマホやタブレットなどの情報端末を片時も離さず、AI(人工知能)の話題が溢れていることを思えば、見事に的を射抜いた先見性であった。

かし今や電子業界は苦戦を余儀なくされている。
のみならず、「失われた〇〇年」が続いているように、産業界もしくは社会全体が停滞している。
この停滞を打破するためにはアップル社のキャンペーンで言うように、「Think Different」が重要であろう。

しかし、言うは易く、行うは難し。
どうすればいいのだろうか?

創造的発見は、既知のものを新しい視点から見たり、新しく見聞したことを自分の問題のヒントすることが重要だと言われる。
梅棹さんは、若い時から登山や探検を通じ、見慣れぬ世界に身を置いてきた。
そのことが、もの見方・考え方を鍛えたと考えられる。
政府はインバウンドに注力しているが、創造性を涵養するためには、アウトバウンドにも力を入れるべきであろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »