デフレ脱却という政策目標の誤り/アベノポリシーの危うさ(310)
「アベノミクス」と称する経済政策の1丁目1番地は、日銀の黒田東彦総裁による「異次元の金融政策」であろう。
しかす既に4年以上経つのに、広言していた2%の物価上昇目標は未だに達成できていない。
にも拘わらず、反省の姿勢がまったくないまま緩和政策を続けている。
「PDCA]というマネジメントの原則に照らしてみても、安倍一強のマイナスは明らかであろう。
出口政策についても具体策を示していない。
国債の大量購入で日銀が保有する国債は発行残高の4割超に膨らみ、市場では不安が強まっている。日銀が将来、出口局面で国債の買い入れを減らせば、市場に出回る国債が増えて国債価格が下落(金利は上昇)すると見込まれる。市場が混乱する恐れがあるほか、日銀が抱える国債に巨額の含み損が発生したり、日銀にお金を預けている民間金融機関への利払い費が膨らんだりして、日銀の財務が悪化する懸念がある。日銀の信頼性が損なわれて円が売 られれば、極端な円安やインフレを招きかねない。
黒田日銀総裁 異次元緩和強気、出口は遠く
企業の業績は上がっても、社員の実質賃金は下がっているので、消費は冷え込んだままだ。
⇒2017年10月19日 (木)::アベノミクスというイカサマ/日本の針路(346)
そもそもデフレは絶対的な悪なのか?
デフレスパイラルといわれるような状況が好ましくないことは、多くの人のコンセンサスであり、アベノミクスはデフレ脱却を最大の眼目としている。
⇒2013年7月 1日 (月):金融緩和の効果と影響-アベノミクスの危うさ(8)/花づな列島復興のためのメモ(239)
しかし多くの大衆にとってはインフレよりもデフレの方が有難いのではないか?
⇒2013年7月30日 (火):物価上昇はハッピーな事態なのか?/アベノミクスの危うさ(10)
実際、井沢元彦、中原圭介『「歴史×経済」で読み解く世界と日本の未来』PHP研究所(2017年8月)には、中原氏により次のようなことが解説されている。
経済学者も日本政府も欧米の価値基準にならって「デフレは悪だ」と決めつけてきたわけです。実態を見ているとは、とても言えませんね。
中原氏は「東洋経済オンライン」2016年5月31日で、『「アベノミクスは大失敗」と言える4つの根拠』で、次を指摘している。
(1)円安により企業収益が増えたとしても、実質賃金が下がるため国内の消費は冷え込んでしまう。
(2)大企業と中小零細企業、大都市圏と地方といった具合に、格差拡大が重層的に進んでしまう。
(3)米国を除いて世界経済が芳しくない見通しにあるので、円安だけでは輸出は思うように増えない。
(4)労働分配率の見地から判断すると、トリクルダウンなどという現象は起きるはずがない。
リアルに社会を見れば、納得する人が多いのではないか。
未だにアベノミクスを自慢している安倍首相は、まさに「裸の王様」である。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)
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