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2017年10月 4日 (水)

「希望の党」のミッションはリベラル狩り/日本の針路(337)

希望の党は何のために設立されたのか?
第一次公認192人が発表された。
1171004
東京新聞10月4日

10項目の踏み絵を踏まなかった者は排除し、挙句の果ては、枝野氏らが立ち上げた立憲民主党には刺客を立てた。
露骨なリベラル狩りである。
したたかと言えばしたたかであるが、そう思うようには運ばないだろう。
おそらく一番喜んでいるのは、自民党であり、安倍首相であろう。
しかし選挙が公示されていないのに、惨憺たる状況が晒されてしまっている。

民進党から希望の党へ移って、公認された面々の胸中はどうだろうか?
安堵しているのか、仲間を売ってしまったという贖罪意識か?
議員でいることが目的化している人たちにとっては前者であろうが、多少でも志を持って政治家になった人はどうだろうか?

前原氏は、民進党が解体必至の状況で、多少でも価値が残っているうちに、藁をも掴む覚悟で、できるだけ有効に使おうという発想だったのであろうか。
⇒2017年9月11日 (月):民進党の解体と「真の野党」への再編成/日本の針路(328)
しかし愚直な前原誠司氏は、赤子の手を捻るように、小池百合子氏してやられた。
偽メール事件と言い、この人の資質に大きな疑問を感じさせられる。

民・希合作についての上西小百合衆議院議員の見方として、次のような記事があった。

 上西氏は「小池都知事の後ろで動いたのは、小沢一郎さんと細川護熈さん。しかも小沢さんは幹事長の座を要求しているらしい。明日、テレビ朝日の政治部デスクの細川隆一さんと一緒の生番組に出演するから、この辺も聞いてみよう」とツイートした。
 また、上西氏は28日に衆院解散を受けてツイートし「民進でも、共産でも、それこそ維新でもいい。今回の総選挙はありとあらゆる事が許される。悪魔のように細心に、天使のように大胆に。壮絶な戦いをして欲しい。今回の総選挙に出馬できる政治家は幸せだと、逃げた私は本気で思う。敵は自民だ、希望じゃない。間違うな」とつづり、さらに「野田佳彦と安倍晋三の漫画が終わった。腐った5年はまるまる私の議員時代だ」と連続ツイートしていた。
上西小百合氏、希望の党「後ろで動いたのは小沢一郎さんと細川護煕さん」

しかし小沢氏も、細川氏も、小池氏の手法は面白くないようである。
リベラルを排除した結果、枝野氏らが「立憲民主党」を立ち上げ、大物議員らは無所属での出馬することになった。
結局、安倍政権の打倒はフェイクで、民主党の分断(リベラル狩り)が小池氏の狙いだったのだろう。
だとすれば、それなりに成功したようにも見える。

小池氏は当初、原発ゼロなどと言って、安倍政権に対立するかのように振舞っていたが、
政策協定書には、原発ゼロは書いてない。
⇒2017年10月 3日 (火):明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)
こんな幼稚な詐術が長続きするわけがない。
希望の通り民進党を解体させはしたが、解体は時間の問題であった。
⇒2017年9月11日 (月):民進党の解体と「真の野党」への再編成/日本の針路(328)

マスメディアは、「自公VS希望」に焦点を絞っているが、しかし例えばTeitterのフォロワー数では後からスタートした立憲民主党が、既に希望の党に大差をつけているという。

Ws000000_2枝野幸男氏が立ち上げた新党「立憲民主党」が2017年10月2日夕、公式ツイッターアカウントを開設した。翌3日昼段階で、既にフォロワー5万人を獲得するなど、勢いをみせている。
一方、同じく新党で小池百合子都知事が代表を務める「希望の党」は、9月26日に公式ツイッターアカウントを開設するも、フォロワーは1800人程度にとどまっている。
リプライにも違いが
立憲民主党のツイッターのフォロワーは3日昼現在、5万8000人超とその数を着実に伸ばしている。対する希望の党は、約1800人と伸び悩んでいる。他政党と比較しても、自民党11万人、公明党7万人に次ぐフォロワー数となっており、民進党にも倍以上の差をつけている。
希望の党、立憲民主党に抜き去られる 公式ツイッターのフォロワー数に大差

実際の投票行動とは別だろうが、将来の動きの先取りのようにも見える。
希望の党は、第一次公認に引き続き公認を追加発表するということであるが、既に急速に失速しつつあるように思われる。
例えば、音喜多駿、上田令子両都議が「都民ファーストの会」を離脱した。
真相は分からないが、小池百合子「希望の党」代表に対する信頼感が失われていることは間違いないだろう。

小沢氏は無所属で出馬するという。
自由党出身で希望の党公認で出馬する人は、潜在的離反者と見ていいだろう。
音喜多氏らの動きのように、「都民ファーストの会」の雲行きが怪しくなってきたが、「希望の党」も早晩内部矛盾が表面化し、大政党にはならないと思われる。
「倭国大乱」は未だ開幕前である。
⇒2017年9月28日 (木):衆院解散は「倭国大乱」に似ているか?/日本の針路(332)
そこにわずかな明かりが灯っているように見える。

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