日本を代表するメーカーの不正/技術論と文明論(80)
神戸製鋼と日産自動車という日本を代表する大メーカーの不正が続けざまに発覚した。
日産自動車の筆頭株主はルノー エスエイであるが、日本を代表する企業と言っても間違いではないだろう。
神戸製鋼は、かつて安倍首相も在社したことのある名門中の名門というべき大企業である。
2つの事件は独立した事象であるが、同時期に起きたことがまったくの偶然とも思えない。
神戸製鋼の不正は底なしの様相だ。
東京新聞10月14日
未だ全容は不明であるが、会社の存亡に係わることになるのではないか。
神戸製鋼所は26日、アルミ・銅など製品のデータ改ざん問題について再度会見を開いた。2016年9月から17年8月までに納入したのは525社で、このうち8割超の437件で自社、顧客の点検などにより安全性の高さが立証されたという。都内で記者会見した川崎博也会長兼社長は「すべての製品の安全性検証を終えるのがいつかはまだ分からないが、検証完了に向けて最大限努力していく」と陳謝。「業績予想も見通せていない」と述べた。
・・・・・・
――新たに機械事業でも不適切な案件が出てきた。これまで最終製品を扱う事業では不正が見つかっていないと説明していた。
「最終製品を扱う事業でも新たに不正が見つかったのは非常に残念だ」
――顧客から費用請求や契約の打ち切りはあるか。業績への影響は。
「いまの時点では契約取り消しは具体的にない。ただ、例えば早期の取り換えは必要ないが、将来には交換の必要があるとの申し出も、一部の取引先から伝えられている。今後、そういう要求はあるだろう」
「業績予想については現時点では見通せてはいない。来週、30日に予定する17年4~9月期決算発表の段階でなんらかのコメントをしたい」
神鋼社長「すべての安全性検証、業績とも見通せず」
日本社会の「成長の限界」を象徴しているように感じられる。
⇒2013年5月17日 (金):「成長の限界」はどのような形でやって来るか?/花づな列島復興のためのメモ(214)
⇒2015年9月12日 (土):モーレツからビューティフルへ/戦後史断章(21)
⇒2016年9月27日 (火):日本社会の価値意識の転換/技術論と文明論(73)
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