明確になった衆院選の構図/日本の針路(336)
今年のノーベル物理学賞は、やはり本命の「重力波」の観測に授与された。
⇒2017年10月 2日 (月):日本の研究力を回復するために(4)重力波/日本の針路(335)
こういう研究成果に接すると、衆院選の様相がまったくツマラナイことのように思えてくるが、「民進党の枝野幸男副代表が「立憲民主党」を立ち上げ、「自公」「希望」「リベラル」の三つ巴の選挙戦の構図となった。
小池百合子代表が「希望」受け入れの条件とした踏み絵は以下のようだという。
私には関係がないが、特に「第7項」は如何なものか!
上限金額もなしに「指示する金額を提供せよ」と言われても、判断のしようがないのではなかろうか。
民進党全体の合流を考えていた前原誠司代表はとんだピエロ役だったことになる。
小池百合子氏は典型的な「排除の論理」を持ち出した。
自民党から旧社会党出身者まで、幅広い人材を抱えた民進党。引退議員を除いて前職は81人、元職・新顔の公認内定者137人と合わせると218人に上る。前原氏は「民進党すべての候補予定者を公認してほしい」と記者団に語った。
小池氏の宣言は、こうした前原氏の意向を否定し、「排除の論理」で絞り込みを図るというものだ。「野合批判」を避け、民進色を振り払う狙いがある。前日の会見では、安全保障法制への賛否を条件に挙げ、この日は「安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党の構成員として必要最低限のことだ」と断じた。
小池氏、政策不一致の候補「排除する」 民進との合流
もっともらしいような言い方をしているが、まだ実体がない新党なので、小池氏が独裁するということだろう。
さかんに「しがらみのない」という表現を使うのもその意味だだと考えられる。
争点は「親安倍か反安倍か」と「改憲・安保法是か非か」であるが、小池氏の手口を見ていると、「改憲・安保法是か非か」は「民主か独裁か」でもある。。
総選挙の結果は、おそらく自民党の相当の議席減、希望はそれなりの議席を獲得するだろう。
しかし「与党+希望+維新」では本当に大政翼賛会の再来である。
リベラルはいまや絶滅危惧種に近いが、敗戦という痛切な体験を踏まえて戦後日本の中で一定の勢力を形成してきた。
多様な意見を容認するので今の政治状況では大きな勢力になりにくいが、大政翼賛会を作って再び失敗を繰り返すわけにはいかない。
今こそリベラルの旗を高く掲げなければならない。
東京新聞10月3日
価値観における戦前・戦中に対する戦後の優位性を噛みしめるべき時だ。
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