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2017年10月12日 (木)

安倍首相の暴言と衆院選序盤(?)の情勢/日本の針路(343)

昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」で、党首討論を行っていた。
まあ時間も限られたものなので深い論戦など期待できないことは承知していたが、安倍首相が「モリカケ疑惑」について論点をはぐらかしてまともに答えていない(答えられない?)のが確認できた。
弁護士の郷原信郎氏は、安倍首相の発言について、次のような重要な指摘をしている。

安倍首相が、「籠池さんは詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」と発言した。内閣の長である総理大臣として、絶対に許せない発言だ。
籠池氏は、森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給の事実についての詐欺罪で逮捕され、起訴された。しかし、刑事事件については、「推定無罪の原則」が働く。しかも、籠池氏は、その容疑事実については、完全黙秘を貫いていると報じられている。その籠池氏の公判も始まっておらず、本人に言い分を述べる機会は全く与えられていないのに、行政の長である総理大臣が、起訴事実が「確定的な事実」であるように発言する。しかも、安倍首相は、憲法の趣旨にも反する、不当極まりない解散(【“憲政史上最低・最悪の解散”を行おうとする「愚」】)を、総理大臣として自ら行った。それによる衆議院選挙が告示された直後に、自分の選挙を有利にする目的で行ったのが昨夜の放送での発言なのである。安倍首相は「丁寧な説明をする」と言っていたが、それは、籠池氏が詐欺を働いたと決めつけることなのか。
「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」は、“首相失格の暴言”

このような首相発言が許されるとすれば、もはや今、日本は法治国家ではないとするが、まったく同感である。
各紙が衆院選の情勢分析を行っている。
大同小異のようであり、日本経済新聞のものを見てみよう。

衆院定数465議席のうち、自民、公明両党で300議席に迫る勢いだ。自民だけでも安定多数の244議席を上回る見通しとなっている。小池百合子東京都知事が立ち上げた新党「希望の党」は選挙区で苦戦し、比例代表と合わせても70議席程度にとどまるとの結果になった。
Photo
与党300議席に迫る勢い 衆院選序盤情勢

まったく憂鬱になるが、おそらく最終的な結果も余り変わらないだろう。
何しろ政府が全力を懸けてやっているのである。
メディアも「安倍VS小池」にフィーチャーしている。
マジョリティである「B層」は、まんまと誘導されている。
⇒2017年10月 9日 (月):希望の党の支持基盤としてのB層/日本の針路(342)

しかし、安倍も小池も、根っ子は日本会議なのだ。
安倍一強を倒すと言ってみても、日本会議というコップの中のことである。
⇒2016年8月14日 (日):日本をダメにする日本会議という存在(2)/日本の針路(288)
⇒2015年12月26日 (土):日本をダメにする日本会議という存在/日本の針路(268)

しかし前原誠司民進党代表を誑かし、野党共闘路線を破綻させたのだから、影響は大きい。
せめてもの救い(?)は、小池百合子東京都知事の化けの皮が剥がれたことであろう。
そして、立憲民主党の意外な(?)健闘である。
ツイッターのフォロワー数や、立憲民主党に寄せられている個人献金の多さに、新しい政治の胎動を感ずる。

かくなる上は、参院民進党は断固として前原と袂を分かつべきだ。
そして、今後の野党共闘の地固めをすることに全力を注ぐべきだ。

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