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2017年10月25日 (水)

マクロ経済指標と経済の実相/アベノポリシーの危うさ(312)

総選挙に勝利した安倍首相は、当然のようにアベノミクスを再加速させるという。
しかし、アベノミクスで経済は良くなっているのか?
確かに、直近の株価は好調である。
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週刊朝日11月3日号

しかし、実生活で好景気を実感している人は少ないと思われる。
企業業績は好調であっても、実質賃金に反映されていないからだ。
171103_2
同上

広辞苑の第7版のニュースが流れているが、もう忘れ去られたような言葉に「トリクルダウン」がある。
アベノミクスという言葉と一緒に流行した言葉だ。
経済再生担当相だった甘利明氏は、2014年11月の記者会見で、「アベノミクスの基調が頓挫したわけではないが、トリクルダウンがまだ弱い」と語っており、安倍政権の経済政策のブレーンである経済学者の浜田宏一氏は、「アベノミクスの最初のステージはトリクルダウン」としていた。
Photo
【アベノミクス失敗?】トリクルダウン理論が崩壊中!

それがいつの間にやら、安倍政権のブレーンである竹中平蔵慶應大学教授は、「トリクルダウンなんて起こるはずがない」と言った。
⇒2016年1月17日 (日):いかさま経済政策の破綻(続)/アベノミクスの危うさ(68)
稲田朋美元自民党政調会長も2016年5月15日のNHK日曜討論で、「安倍政権としてはトリクルダウンという考え方はとっていない」と発言した。
⇒2016年6月11日 (土):トリクルダウンの幻/アベノポリシーの危うさ(79)

幻の流行語大賞である。
井沢元彦、中原圭介『「歴史×経済」で読み解く世界と日本の未来』PHP研究所(2017年8月)において、中原氏は「本来、経済政策や金融政策というのは、国民生活を悪化させないためにどうすればいいのかという視点が原点にあるはずです」と言っている。
まさに「経世済民」である。

またmアベノミクスを推進しているリフレ派の経済学者は、一般教養の土台が欠如していると酷評しているが、同感である。
未だにアベノミクスを再加速させるなどと言っている安倍首相は、やはり「裸の王様」である。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)
⇒2017年10月21日 (土): デフレ脱却という政策目標の誤り/アベノポリシーの危うさ(310)

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