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2017年10月26日 (木)

小池都知事の錯覚・錯誤・蹉跌/日本の針路(350)

それにしてもジェットコースターよりも激しい急降下だったと言えよう。
小池百合子東京都知事が、国政新党として「希望の党」を立ち上げると発表してから1カ月での評価の低落である。

小池氏は、昨年7月の都知事選に圧勝した。
私は、猪瀬直樹、舛添要一の二人に続き、東京都民はまた間違えたと思った。
なぜなら、彼らが選出された経緯についてのレビューが不十分であると考えたからである。
そして、「漠然とした不安」を抱いた。
⇒2016年7月31日 (日): 都知事選の暫定総括/日本の針路(282)

しかし、今年7月の都議選においても、小池都知事が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」が49議席を獲得して、都議会第1党となった。
都議選においては、公明党も小池知事を支持したので、支持勢力は過半数の64を大きく上回り、79議席となった。
この結果が小池氏にある種の万能感をもたらしたであろうことは想像に難くない。

それは「希望の党」をの設立を発表する際の高揚した感じからも窺えた。
若狭勝、細野豪志の両氏が、2人で協議していた新党議論を打ち切ってリセットすると言い放った。
そして、自分だけの判断で、首班指名に公明党の山口那津男氏の名前を持ち出したりする「はしゃぎ」ようだった。
1711252
東京新聞10月25日

特に、民進党のリベラル議員を「排除する」と言ったことが有権者の反感を招いた。
側近とされた若狭氏でさえ、「あの発言が・・・」と恨み節を口にした。
選挙結果により後悔しているのかも知れないが、後の祭りである。
排除した民進党のリベラル議員らによって後追い的に作られた立憲民主党に、完全に勢いを奪われた。

三浦瑠麗氏は、立憲民主党は全員当選しても少数であり、あらかじめ敗北していたことを総括すべきだ、と「朝ナマ」で言っていた。
米山隆一新潟県知事はツイッターで次のように批判した。
Photo

同感である。
三浦氏が安倍首相よりのスタンスであることは承知している。
⇒2017年9月14日 (木):親安倍イデオローグ(1)三浦瑠麗/アベノポリシーの危うさ(295)
しかしこれは米山氏の言うように、完全にお門違いのコメントというべきだろう。
選挙前後の変動率で見れば、唯一立憲民主党だけが議席を増やしているのだ。
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ところで、小池氏は何を間違えたのか?
万能感によって客観的な目を失ったからであろう。
論理的な思考の一丁目一番地は、根拠に基づく判断である。
空を見る目が曇っていたというしかない。
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ところで、小池氏の排除したリベラルとは何か?
最近は何を勘違いしてか「極左」などという人もいる。
社会の右傾化が進んだためか、単に無知なだけか。
日本のリベラルの源流は自民党宏池会なのだそうだ。
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東京新聞10月3日

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