« 安倍首相の任命責任は消えていない・山本幸三前地方創生相/アベノポリシーの危うさ(287) | トップページ | 安倍首相の任命責任は消えていない(2)金田勝年/アベノポリシーの危うさ(289) »

2017年9月 5日 (火)

かかる時かかる首相をいただきて・・・/アベノポリシーの危うさ(288)

北朝鮮が3日、6回目の核実験を行なった。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載できる水素爆弾の実験を成功させたと主張しており、もちろん強く批判されなければならない。1709043
東京新聞9月4日

核兵器は非人道の極であり、いかなる理由があろうとも、いかなる国の保有や使用には反対である。
核兵器の被爆国である日本は、核兵器廃絶の先頭に立つべきである。
しかし、世界の120余国が参加した核兵器禁止条約の参加しなかった。
⇒2017年8月 6日 (日):今こそ、主導して核兵器禁止を前に進めるべきだ/日本の針路(325)

安倍首相は、米朝の緊張緩和に努力すべきなのに、トランプ大統領に追従して、一緒に軍事的緊張を高め続ける姿勢をとってきた。
時事通信によれば、ホワイトハウスが本日書面で発表した日米首脳電話会談の内容には「両首脳は2国間の断固たる相互防衛の約束を確認した」と説明されていたという。他方、日本政府は、核実験後の電話会談で「相互防衛」について話したことを明かしていなかった。

北朝鮮のミサイル発射や核開発に対し、トランプ大統領は「世界史に類をみない炎と怒りで報いを受けるだろう」と発言をエスカレート。そして本来、同盟国の首相としてトランプをなだめ、平和的解決へ向けた交渉の仲介役を買ってでなければならない安倍首相は「私たちもさらなる行動をとっていかなければならないとの認識でトランプ大統領と完全に一致した」などと言って追従するばかり。軍事行動も辞さないとする米国の激昂に同調し、先週のミサイル発射の際も「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威」と述べるなど、自ら軍事衝突を煽りに煽っている。たとえばドイツのメルケル首相が「米国と北朝鮮の対立に軍事的な解決策はない」と表明したのとは対照的だ。
 しかも、このタイミングでわざわざ米側と「相互防衛」を確認したということは、仮に米国が軍事行動に出た場合、日本の米軍基地を攻撃の拠点とすることや、海上の米艦隊を自衛隊艦が援護することも、すでに決定しているという見方もできる。いや、北朝鮮からICBMが発射されれば、米国が軍事行動に出る以前に、日本がそのミサイルを迎撃することを約束した可能性もある。当然、北朝鮮が報復として在日米軍基地のある日本の都市を攻撃したり、自衛隊員が米軍と北朝鮮との戦闘に巻き込まれて戦死する可能性も高まっていく。
 これのなにが「抑止力」か。安倍政権が米国に恭順の意を示し、軍事的に一体化した結果、そのために日本が攻撃対象となるのだ。
安倍首相がトランプ大統領と“対北朝鮮戦争”への参加を勝手に約束! 米国との軍事一体化で日本も攻撃対象に

戦後73年目の最大の戦争の危機である。
俳人の長谷川櫂氏は、東日本大震災に際して、菅直人氏が首相であることを次のような短歌に詠んだ。

かかる時かかる首相をいただきてかかる目に遭ふ日本の不幸
⇒2011年7月 3日 (日):長谷川櫂『震災歌集』/私撰アンソロジー(3)

よもや6年後に、より切実な思いでこの歌を想起するとは思わなかった。

|

« 安倍首相の任命責任は消えていない・山本幸三前地方創生相/アベノポリシーの危うさ(287) | トップページ | 安倍首相の任命責任は消えていない(2)金田勝年/アベノポリシーの危うさ(289) »

ニュース」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

アベノポリシーの危うさ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: かかる時かかる首相をいただきて・・・/アベノポリシーの危うさ(288):

« 安倍首相の任命責任は消えていない・山本幸三前地方創生相/アベノポリシーの危うさ(287) | トップページ | 安倍首相の任命責任は消えていない(2)金田勝年/アベノポリシーの危うさ(289) »