小池新党はポピュリストの本領か?/日本の針路(331)
「今なら勝てる」というまことに風格なき判断で、安倍首相が解散総選挙を表明した。
⇒2017年9月24日 (日):国会を閉じたい理由は何だろうか?(3)/アベノポリシーの危うさ(287)
⇒2017年9月26日 (火):国会を閉じたい理由は何だろうか?(4)/アベノポリシーの危うさ(288)
これを好機と捉えたのが、小池百合子東京都知事である。
若狭勝氏や細野豪志氏らが検討していた新党の党首になって、「希望の党」としてスタートすることになった。
メディアの関心はしっかり小池氏の方に向き、安倍首相は引き立て役になった感がある。
風を読むのに長けた小池氏が勝負に出たということだろう。
小池氏は結党の理由について「しがらみがないからリセットできる。しがらみのない政治、大胆な改革を築く」と説明した。党の理念については「改革する精神のベースにあるのは伝統や文化、日本のこころを守る保守の精神だ。寛容な改革の精神に燃えた新しい政党だ」と強調した。
安倍晋三首相の衆院解散方針について「北朝鮮情勢がこういうなかで、政治空白があっていいはずがない」と批判。そのうえで「各地に候補を立て有権者の希望に応えられるように展開していく」として全国規模で候補を擁立する意向を示した。
また、「2020年の五輪・パラリンピックの成功に向けた準備を都知事として進める。あくまでも都知事として戦いに臨む」と述べ、次期衆院選での国政転出を否定した。衆院選後の首相指名選挙への対応については「戦いが終わった時に考える」と述べるにとどめた。
参加メンバーについては「今この時期に日本をリセットしなければ、国際間競争、日本の安全保障などを十分守り切れない。そんな危機感を共有する仲間が集まった」と語った。有権者に対して「不安を抱くからこそ、希望の党をつくり、しがらみのない政治をつくることで、国民に希望を届けていきたい」と訴えた。
会見には小池氏のほか、自民党を離党した若狭勝衆院議員、民進党を離党した細野豪志元環境相や長島昭久元副防衛相、日本のこころを離党した中山恭子参院議員ら国会議員計14人が出席した。
希望の党 「日本をリセット」小池氏、国会議員14人会見
「今こそ行ける」というポピュリストの本領である。
小池氏が「希望の党」の商標登録を出願は2月20日付で、同じ日に「都民ファーストの会」の名称も出願していた。
虎視眈々と機会を狙っていたのだろう。
「希望の党」と日本維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)は衆院選の選挙協力の検討に入ったという。
民進党の前原誠司代表と小池代表も連携で合意したという。
衆院解散が迫るなか、小池新党の誕生で野党候補の乱立が避けられない情勢になり、前原氏は政権交代に向けて与党側と対決するためには野党勢力の結集が必要と判断。小池氏に連携の必要性を訴え、小池氏が理解を示したとみられる。
民進、希望と連携合意 前原・小池両氏、統一名簿を模索
反安倍で野党結集は必須であるが、ポピュリズムには危うさが拭えない。
12年前(2005年)に総務相が制作した選挙PR映画で「希望の党」が政権奪取するストーリーが話題になっている。
国民が選挙に行かず、「希望の党」という独裁政権が誕生し、恐ろしい日本になるという作品があった!監督「デスノート」金子修介、出演・渋谷飛鳥、木下ほうか、楳図かずお
この映画が予言でないことを祈るばかりだ。
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