親安倍のイデオローグ(2)長谷川幸洋/アベノポリシーの危うさ(301)
東京新聞・中日新聞論説委員の肩書きを持つマスコミ人に長谷川幸洋氏がいる。
イデオローグというのは当たらないかも知れないが、自社以外のメディアに寄稿しているので、言論人であるとは言えるだろう。
たかじん氏亡き後は面白くもないので視聴していないが、「何でも言って委員会」の常連メンバーだった。
長谷川氏が『解散総選挙に「大義」が必要?バカも休み休み言いなさい』というタイトルの文章を書いているのを読んで驚いた。
私も「大義なき解散総選挙」と書いたからだ。
⇒2017年9月17日 (日): 究極の国政私物化-大義なき解散総選挙/アベノポリシーの危うさ(281)
長谷川氏は得意げに書いている。
私は先週のコラムで、9月臨時国会での冒頭解散を予想した(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52905)。末尾で首相の決断について「いまは『いずれ、なんらかの展開があったときに分かる』としか申し上げられないのが、実に残念」と書いたら、直後に解散報道が相次いだ。自分で言うのもなんだが、まさに申し分のない展開である(笑)。
なぜ予想できたかといえば、秘密はべつに何もない。自分の読みだ。首相や官房長官に取材しようと思えばできなくはないが、恥ずかしくて「解散するんですか」などとはとても聞けない。「バカな質問するなよ」と苦笑いされるのがオチだからだ。
こんなことを自慢するのはお里が知れるという感じであるが、それは置いておこう。
長谷川氏は次のように言う。
衆院解散に大義は必要なのか。私は、とってつけたような大義名分は必要ないと思っている。なぜかといえば、衆院解散とは本質的に与野党の権力闘争であるからだ。
政権与党はこれこれの国家戦略と理念、政策を掲げて国民に信を問う。それに対して、野党も野党なりの国家戦略と理念、政策を掲げて戦う。国民はそれを見たり聞いたりして、どちらに国の行く末を任せるのに適当か、判断を下す。それが総選挙だ。
「とってつけたような」大義名分は必要ないのは言うまでもない。
「政権与党はこれこれの国家戦略と理念、政策を掲げて国民に信を問う」と言うが、内閣改造後一度も国会を開かず、臨時国会冒頭の解散であれば、政権与党の掲げる「国家戦略と理念、政策」とやらをどう判断するのか?
自民党内部にさえ戸惑いがあるのだ。
⇒2017年9月21日 (木): 国会を閉じたい理由は何だろうか?(続)/アベノポリシーの危うさ(285)
何について信を問うのか訳が分からないから、次のような記事になる。
東京新聞9月22日
アベ友の一人になってしまっている長谷川氏の曇っていて分からないのだろうか?
長谷川氏は次のように言って、安倍政権の政策を支持する。
安倍政権の経済政策は成長重視だ。
いわゆるアベノミクスのことだろうが、成長重視の経済政策が行き詰まっているから、唐突に消費税の使途に触れざるを得なくなっているのだ。
長谷川氏が論説委員を務めている新聞の今日の社説をコピーしよう。
孤軍奮闘している望月衣塑子記者を批判するくらいなら、時節が社論になるよう努力すべきではないのか。
自分は社内野党のつもりかも知れないが、客観的に見れば時代遅れのオジサンに過ぎない。
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