延戦による被害増大責任/永続敗戦の構造(11)
1945年8月14日から15日にかけて、全国各地で空襲を受け、多数の犠牲者が出た。
日本の戦争指導者が「国体護持」に拘り、ポツダム宣言の受諾が遅れた。
『日本のいちばん長い日』に描かれているように、事実として「敗戦受容派」と「徹底抗戦派」の間で、緊迫した状況があった。
⇒2015年8月25日 (火):『日本のいちばん長い日』と現在/日本の針路(219)
映画で印象的だったのが、陸軍が責任追及を逃れようと関連書類を延々と焼却する作業を行った姿だった。
「モリ・カケ」はPKO日報に見るように、公文書を自分たちの都合に合わせるのは、今も変わっていない。
戦災の記録も市民によって復元する試みが続けられている。
米軍資料から空襲の実態を調べる市民団体「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議」によると、14日は米軍機約1000機が出撃した。日本は45年8月10日、降伏を求めるポツダム宣言を条件付きで受諾する方針を連合国側に伝え、米軍は空襲を一部停止した。しかし、受諾条件を巡って日本政府が揺れていると判断した米軍は14日の空襲を実行した。
米軍の作戦任務報告書では、14日は光海軍工廠(こうしょう)(山口)など6地点が主な空襲目標とされた。京都・舞鶴の港湾などに機雷を敷設し、広島や長崎に原爆を投下した部隊は長崎原爆と同形で通常爆薬の模擬原爆を愛知に落とした。神奈川・小田原では、15日未明の空襲で12人が死亡。米軍機が帰還途中に爆弾を投下したとみられる。
終戦直前 空襲10カ所 米機1000機、犠牲2300人
北朝鮮のミサイル発射をめぐって緊迫した事態となっている。
8月10日の衆議院安全保障委員会で、小野寺五典防衛相は、米軍基地のあるグアムが攻撃された場合、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたる可能性があると答弁した。
元経産官僚の古賀茂明氏は次のように述べている。
トランプ政権は「アメリカ・ファースト」を掲げ、これまでの常識を覆すような言動を続けている。トランプ政権誕生が決まった昨年末の時点で、日本人は、立ち止まって冷静に考え直してみるべきだった。しかし、安倍政権は、何も考えずに、従来の日米関係の延長線上で行動している。そして、今や、トランプ政権とともに戦争を始めるかもしれないというのっぴきならないところに追い込まれているのだ。
古賀茂明「グアムへの北朝鮮ミサイル迎撃すれば、戦争状態 日米安保に殺される日本」
「もう一度冷静に日米関係を根本から考え直す最後のチャンスだ」とする古賀氏の意見に耳を傾けたい。
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