偉そうに振舞わない政治家・羽田孜/追悼(109)
羽田孜元首相が28日午前7時6分、老衰のため、東京都内の自宅で死去した。
82歳だった。
82歳で老衰?
この長寿社会で、ちょっと違和感がある。
確か脳梗塞を発症し、半身不随の陥ったということを聞いたことがある。
脳血管障害の後遺症は人それぞれであるから一般論では語れない。
私の場合、右半身の麻痺は継続しているが、日常生活は自立で生活している。
この日常生活の活動(ADL:Activity of Daily Life)が重要である。
多少は不自由があっても、継続的に身体を動かしていることが、急速な衰えを防ぐと考えたい。
羽田氏は1935年8月24日、東京都大田区で生まれた。成城大経済学部卒業後、69年衆院選で父の羽田武嗣郎元衆院議員の後継者として、旧長野2区から自民党公認で初当選し、連続14選を果たした。
中曽根、竹下両内閣で農相、宮沢内閣で蔵相を歴任し、小沢一郎・自由党共同代表らとともに「竹下派七奉行」の一人に数えられた。
93年6月に宮沢内閣不信任決議案に賛成して自民党を離党。小沢氏らと新生党を結成し、党首に就いた。同8月、細川内閣に副総理兼外相で入閣し、94年4月の細川首相辞任後、第80代首相に就任した。
内閣発足直前に社会党が連立を離脱したため、少数与党での不安定な政権運営となり、6月に総辞職した。在職日数は戦後2番目に短い64日だった。
退陣後は新進党、太陽党、民政党を経て、98年4月の民主党結成に参加。2012年11月の衆院解散で政界を引退した。最近は、体調を崩しがちで、自宅などで療養を続けていた。
夏場は、半袖の上着の「省エネルック」を愛用した。
羽田孜元首相が死去…82歳、「省エネルック」
せっかく自民党を離脱し政権交代の流れを作りながら、歴史的な非自民政権では首相を細川護煕氏に譲った。
「剛腕」小沢一郎氏に引き回された印象があるが、対話と改革を重んじた政治家だった。
寿命を縮めた要因として、脳血管性認知症を指摘する人もいるが、私がコメントすべきことではないだろう。
羽田氏は結婚披露宴に招かれると、新郎新婦に詩人・吉野弘氏の「祝婚歌」を贈った。「二人が睦(むつ)まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派すぎないほうがいい」から始まる。羽田氏の人生訓でもある。
意見の違う人とも愚直に語り合う。もの別れになっても相手と、しこりが残らない。
羽田孜氏死去 「立派すぎない」政治家
偉そうに振る舞う政治家が多い中で、稀少な存在だったと言えよう。
今朝から北朝鮮のミサイル発射で大騒ぎである。
自由党京都支部の鈴木まりこという人のツイートである。
同感である。
合掌。
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