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2017年8月 1日 (火)

加計疑惑(40)自縛して自爆か/アベノポリシーの危うさ(267)

安倍首相が、加計学園の特区への申請を知った時期について、「1月20日に申請が正式決定した時点」と明言したことには驚いた。
安倍信者以外、誰が信じると言うのだろうか?
もちろん、一般論として言えば、「知った」というのは個人的な認識の問題であるから、本人がそう言い張れば、なかなか否定は難しい。
しかし、この答弁は、幼児の弁解のようであり、歴史に残るものとなろう。

「腹心の友」である加計孝太郎氏と、頻繁に、ゴルフ、会食などを繰り返していたことは、首相自身が認めている。
そこで考えられるのは、利害関係者との接触について規定した大臣規範に抵触することを指摘されるのを恐れたのであろう。
1707313
東京新聞7月31日

菅義偉官房長官は例によって、安倍首相が獣医学部新設を目指す学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長と会食を繰り返したのは、関係業者からの供応接待を禁じた大臣規範に抵触しないとの認識を示した。
菅氏の認識を披瀝されてもなあ。
なんの論理や根拠を示さずに断定するのが安倍政権の常套的手法なのだ。

大臣規範というよりも、国家戦略議長と事業者の関係として捉えるべきだろう。
昨年10月以降、獣医学部新設を認める条件として、「広域的に獣医学部が存在しない」「平成30年4月設置」などが設定された。
この条件は、実質的に「京産大外し」として機能した。
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)

これらの条件付加は、「加計ありき」であったことを疑わせるに十分であると言えよう。
また、昨年9月9日の国家戦略特区諮問会議の時点で、安倍首相が、加計学園の特区申請を認識していたとすると、そこでの議長の安倍首相の指示が、加計学園の獣医学部新設に便宜を図ったものであることを、事実上認めざるを得なくなる。
であればこそ、条件付加と安倍首相とを無関係にしたいのだろう。

9月9日の国家戦略特区諮問会議では、八田達夫氏の「獣医学部の新設は、人畜共通の病気が問題になっていることから見て極めて重要ですが、岩盤が立ちはだかっています」
と発言したことを受けて、安倍首相は「本日提案いただいた「残された岩盤規制」や、特区での成果の「全国展開」についても、実現に向けた検討を、これまで以上に加速的・集中的にお願いしたい」と発言している。
この時点で、安倍首相が、加計学園が特区申請をしていることを認識していたとすれば、その指示によって加計学園に便宜を図ったことが否定できなくなる。

山本地方創生相は、「広域的に獣医学部が存在しない」「平成30年4月設置」などの条件について、「安倍首相の指示・意向は一切なく、自分が決定した」と言っている。
しかし、9月16日のWGの冒頭で、藤原豊内閣府地方創生推進事務局審議官が、「総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいております」と発言しており、安倍首相の指示について、「加計学園が申請していたことを認識していたかどうか」が重要になるのだ。

加計学園が今治市で獣医学部を新設しようとしていることを認識していたか否か?
安倍首相は敢えて「1月20日」というムリな設定をする賭けに出た。
しかし「加計学園の特区申請は今年1月20日に知った」という話を維持できるとは考え難い。
このことが自縛になり、遠くない先に自爆することになるだろう。

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