暗号革命と素数(1)暗号化の基礎/知的生産の方法(161)
素数について、初めて学校で教わった時の記憶がない。
ちょっと調べてみたら、以下のような図があった。
算数の系統表の一部 (新学習指導要領における算数・数学内容系統一覧表より抜粋)
つまり、小学校5年の教程に位置づけられている。
遙かな昔であるが、小学校の担任教師の顔を思い浮かべても、素数にまつわるエピソードをまったく思い出さない。
しかし、この素数が暗号のパラダイムシフトに深く関係している。
暗号と言って先ず思い浮かべるのは、例えば、ホームズものの『踊る人形』であろう。
森谷明子『春や春』光文社文庫(2017年5月)でも、俳句甲子園を目指す高校生の共通の話題として取り上げられていた。
⇒2017年7月 7日 (金):森谷明子『春や春』/私撰アンソロジー(48)
何かのいたずら書きだろうか?
しかし、ホームズは、これがメッセージだと考え、人形の図形とアルファベットを対応させた。
最初のステップは、英語で最も使用頻度の高い文字「E」の特定である。
ホームズは何とか解読して、対応表を完成する。
古典的な暗号の代表が、文字の置換である。
このように、暗号化のカギを知っていることが、解読の必要条件である。
しかし、このカギの安全性をどう担保するか?
カギを盗まれたら、暗号化の意味がなくなる。
特にインターネットが普及した現代において、「確実な情報伝達」と「情報の保秘」という反対のベクトルの要請にどう応えるかが重要な課題になっている。
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