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2017年7月 1日 (土)

大臣辞任(or更迭)の二重基準/アベノポリシーの危うさ(247)

東京都議選の応援演説で⾃衛隊の政治利⽤の発⾔をした稲⽥朋美防衛相に関し、安倍晋三 ⾸相は当⾯続投させる構えだ。
⇒2017年6月28日 (水):自衛隊を私物視する愚かな稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(245)

任命責任者は安倍首相であるから、他人が判断をどうのこうのと言うのは控えたいところだが、実力組織の自衛隊を統括する大臣の適格性の問題である。
看過していい問題ではない。

稲田氏は、27日に東京都板橋区で開かれた自民党候補の集会で問題発言をし、同日夜に発言を撤回した。
30日にも釈明の記者会見を行ったが、「誤解」を実に35回も連発した。
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稲田防衛相「誤解」35回連発、会見大荒れ

稲田氏自身の言葉とは真逆に、どこからどう見ても誤解か生じる余地はない言葉だ。
憲法は全ての公務員が「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定している。
政治活動と自衛隊の分離は「シビリアンコントロール」(文民統制)の基本であり、自衛隊法は隊員の政治的行為を制限している。
公職選挙法への抵触は明らかであり、明確に大臣適格性を欠いている。

稲田氏や菅官房長官は、撤回済みと言う。
しかし、一度発した言葉は撤回しても消えて無くなるわけではない。
「綸言汗の如し」であり、未遂ではなく既遂である。
任命責任がクローズアップされるのは必至だろう。

安倍首相は翌28日、「自民党にお叱りをいただき、総裁としておわびしたい」と語ったが、首相は総裁であると共に、自衛隊の最高指揮官である。
稲田氏が首相のお気に入りであることは承知しているが、「泣いて馬謖を斬る」という言葉もある。
稲田氏を即刻罷免しなければ責任を果たしたことにならない。
認識が甘いと言わざるを得ない。

第2次安倍政権の発足以降、5人の閣僚が辞任した。
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防衛相なぜ続投 辞任5閣僚より深刻なのに…

懐かしいような顔の人もいる。
「うちわ」を配って辞任した松島みどり氏などは、こうしてみれば、ささいなことのようにも思える。
記憶に新しいところでは、今村雅弘復興相だろう。
今村氏は、講演で東日本大震災について「まだ東北だったから良かった。首都圏に近ければ甚大な被害があった」と発言した。
その前に、記者会見での暴言という伏線はあったが、今村氏の直後に首相は同じ会場で「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言。首相としておわびする」と述べて、翌日辞任させた。
⇒2017年4月 6日 (木):不適格大臣列伝(16)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(178)
⇒2017年4月25日 (火):アホな内閣(6)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(191)

まあ、熟慮が苦手で思い付きでモノを言う安倍首相ではあるが、さすがに自民党内にも批判のマグマは溜まっているだろう。

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コメント

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投稿: Jamesenemo | 2017年7月 2日 (日) 17時31分

投稿: malindaki16 | 2017年7月 3日 (月) 01時03分

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