« 2017年6月 | トップページ

2017年7月

2017年7月20日 (木)

仲間ファーストの共謀2・山本地方創生相のフライング疑惑/アベノポリシーの危うさ(258)

やはり「週刊文春」のスクープと言うべきだろうなあ。
7月27日号で、山本幸三地方創生相が獣医師会に対して、政府が決定する2カ月前に加計に決めたと説明していた決定的証拠を入手し、『「加計に決めました」出来レース議事録』という記事にまとめている。
同記事から引用する。
Img_21582

山本氏が獣医師会を訪問した時の議事録に山本氏の説明内容が記されていたのだ。
Photo
「加計に決めた」政府決定2カ月前に山本大臣発言 議事録を入手

前後の動きを「週刊文春」誌から引用する。
Img_21603_2

「加計ありき」であるのは明らかであり、問題は、「加計ありき」の是非であると言えよう。
確かに、加計学園はずっと開設を希望しており、根回ししているのだから当然だという人もいる。
それが「たまたま」安倍首相の友だちだった?
「プロセス」に一点の曇りもない?

しかし、大学の設置や運営には多額の税金が使われるのである。
条件を決めてからの「プロセス」には一点の曇りもないのかも知れないが、全体を俯瞰した場合、適切なのかどうか?
首相出席の予算委でどこまで明らかにされるのか分からないが、新しい疑惑が生まれている以上、幕引きが許されるわけがない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月19日 (水)

仲間ファーストの共謀・稲田防衛相の隠蔽疑惑/アベノポリシーの危うさ(257)

またしても稲田朋美防衛相である。
それにしてもヒドイ。
稲田防衛相が2月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたのだ。
1707192
東京新聞7月19日

2月15日には、この問題で、稲田防衛相の対応を隠蔽と批判する4野党が一致して辞任を求めた。
⇒2017年2月19日 (日):不適格大臣列伝(15)稲田朋美防衛相(6)/アベノポリシーの危うさ(134)

こんな大臣不適格人間をいつまで放置しておくのか?
⇒2016年10月16日 (日):稲田防衛大臣の資質と適性/人間の理解(18)
⇒2016年10月22日 (土):南スーダンの安全と危険/アベノポリシーの危うさ(102)
⇒2016年11月21日 (月):不適格大臣列伝(3)・稲田朋美防衛相/アベノポリシーの危うさ(107)
2016年12月 4日 (日):不適格大臣列伝(4)・稲田朋美防衛相-2/アベノポリシーの危うさ(111)
⇒2017年1月 5日 (木):不適格大臣列伝(6)・稲田朋美防衛相-3/アベノポリシーの危うさ(120)
⇒2017年2月 8日 (水):不適格大臣列伝(11)稲田朋美防衛相(4)/アベノポリシーの危うさ(130)
⇒2017年2月10日 (金):不適格大臣列伝(13)稲田朋美防衛相(5)/アベノポリシーの危うさ(132)

森友疑惑でもあからさまで悪質な虚偽答弁をした。
⇒2017年3月12日 (日):森友疑惑(19)稲田防衛相の係わり/アベノポリシーの危うさ(154)
⇒2017年3月19日 (日):森友疑惑(26)稲田防衛相は何を隠したかったのか/アベノポリシーの危うさ(161)

その上、防衛相の肩書きを錯覚して自衛隊を私物視し、都議選惨敗のA級戦犯の1人となった。
⇒2017年6月28日 (水):自衛隊を私物視する愚かな稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(245)

それでも自分のお気に入り(思想・信条が近い)という理由で更迭しなかったツケが、内閣支持率急落という局面で回ってきたのだろう。
すでに支持率は危険水域と言われる20%にまで落ちている。
どこまで下がるか見ものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月18日 (火)

葉っぱのフレディ-いのちの旅・日野原重明/追悼(107)

聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんが、18日、呼吸不全で死去した。
105歳だった。

Ws000001 1911年山口県生まれ。京都帝大医学部卒。41年から内科医として聖路加国際病院に勤めた。同病院内科医長、聖路加看護大学長、同病院長などを歴任。2002年度朝日社会福祉賞。05年に文化勲章を受章した。
 専門は内科学。54年、勤務していた聖路加国際病院で、国内の民間医療機関で初めて人間ドックを導入した。成人病と呼ばれていた脳卒中、心臓病などを「習慣病」と呼んで病気の予防につなげようと70年代から提唱してきた。旧厚生省は96年になって成人病を生活習慣病と改称し、今では広く受け入れられている。
 医師が患者を大切にして、対等に接する米国医療の側面に戦後早くから注目し、看護師の仕事も重視した。51年の米留学後、医師の卒後臨床研修の改革や、看護教育の充実、看護師業務の拡充などを求めてきた。聖路加看護大学長を務め、88年には看護学として日本初の大学院博士課程を開設した。
100歳超えて現役医師 日野原さん「習慣病」も提唱

日野原さんは昭和45年の「赤軍派」ハイジャック事件の日航「よど号」に乗客として搭乗していた。

 日野原氏は45年3月、出張で搭乗したよど号で事件に遭遇。乗客がハイジャックを理解せず、メンバーも説明に窮する中、声をあげて「人質を取る乗っ取り」と説明。「ハイジャックする人が説明できないのはおかしい」とマイクで語り、緊張する機内をなごませた。
 日野原氏は後年、産経新聞への寄稿で、メンバーが革命歌「インターナショナル」を歌うと、乗客が別れの歌「北帰行」を吟じたエピソードなどを回顧。「生きるも死ぬも皆が同じ運命にあるという意識から生じたストックホルム症候群という敵味方の一体感に一同が酔ったといえるのかもしれない」と振り返っていた。
「思い上がりを正した恩人。直接おわびしたかった」日野原氏の訃報によど号メンバーも弔意

私には、レオ・バスカーリアの『葉っぱのフレディ-いのちの旅』のミュージカル化の印象が強い。
同書は子供向けの絵本であるが、1998年10月27日の日本経済新聞朝刊のコラム「春秋」と産経新聞朝刊のコラム「産経抄」が揃って紹介したことが忘れられない。
「産経抄」から引用する。

絵本といえば絵本、童話といえば童話なのだが、「死」についての本である。子どもに「死」を考えさせる絵本は珍しいのではないか▼小欄へ贈ってくださる本は多いのだが、そんなことでご紹介する気になった。本の題は『葉っぱのフレディ』(みらいなな訳、島田光雄画)といい「いのちの旅」という副題がある。作者はアメリカの哲学者レオ・バスカーリア、生涯でただ一冊書いた童話だった▼葉っぱのフレディは大きな木の太い枝に生まれ、夏には木かげをつくって涼しい風を送っていた。しかし、季節はかけ足で過ぎ、秋の寒気がきて紅葉する。霜をうけ枯れ葉となった仲間はつぎつぎに散っていく▼「こわいよう、ぼくも死ぬの?」とおびえるフレディに友人のダニエルは教えた。「その通りさ、でも世界は変化しつづけているんだ。変化しないものはひとつもないんだよ。死ぬというのも、変わることのひとつなんだ。だれでもいつかは死ぬ。でも“いのち”は永遠に生きている」▼だが春に生まれて冬に死んでしまう一生にどんな意味があるというのだろう。「ねえ、ぼくは生まれてきてよかったのだろうか」。よかったのさ、夏は木かげをつくり、秋は紅葉でみんなを楽しませたじゃないか、といってダニエルは夕暮れの光のなか枝を離れていく▼翌朝は雪で、フレディもねむりに入るが、また春はめぐってきた…。わたしたちはどこから来て、どこへ行こうとしているのだろうか。子どもはだれでも一度はそのことを考える。そういう難問に、この本は真正面から答えている。

約20年が過ぎたが、この絵本の問いかけはますます考えさせられる。
人生を1年に見立て、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」というが、わが人生も、白秋から玄冬へ入った。
生き続けるかのように見えた日野原さんも、自然の摂理に従って、従容として旅立って行ったのだろう。
合掌。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月17日 (月)

加計疑惑(35)今治市の情報不開示の不可解/アベノポリシーの危うさ(256)

「加計学園」の獣医学部新設問題で、愛媛・今治市が情報公開請求に応じて開示してきた職員の首相官邸訪問記録などの関係書類を一転して全面非開示とした。
170715
東京新聞7月15日

まさに「語るに落ちる」であろう。
国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の竹中平蔵東洋大学教授らがいうように、「今回の決定プロセスには1点の曇りもない」のならば、すべてオープンにすれば良い。
それをわざわざ非開示にするというのは、インチキや不明朗だったと認めたのも同然だろう。

全面非開示とされたのは、市が国家戦略特区に申請する直前の2015年4月2日、特区担当の市職員が首相官邸を訪問した出張記録など9件である。
今治市は開示判断を変えたことについて「再度精査した結果」と説明し、一方、国の関与は否定した。

いま、世論調査で、多くの国民が「安倍首相は信用できない」という結果が出ている時に、誰が信じるだろうか。
自分たちにとって都合の悪い情報は隠す。
『森友、加計問題』の本質は情報公開と公文書管理にアリ」と言われている。

 そもそも今回の森友・加計問題は、通常とは異なる権力の行使が行われ、その結果として普通では降りないはずの許認可が降りたと同時に相当額の税金が投入されているにもかかわらず、その権力行使の正当性を裏付ける記録が何も残っていないところに問題の核心がある。権力行使の妥当性をめぐる議論が交わされているのではなく、そもそもそこで権力が行使されたかどうかが確認できないまま、時間ばかりが過ぎているのだ。
 もし安倍政権が、森友にしても加計にしても、一切不当な政治介入はなかったと主張するのであれば、一連の手続きが適正だったことを示す文書を公開すればいいだけの話だ。しかし、安倍首相やその周辺は、当時の記録は既に「廃棄」され、交渉担当者たちも当時の「記憶」がないの一点張りで逃げ切ろうとしている。それはそれで政治的には大きな問題だが、そもそもその記録が残っていないことや、その保存や情報公開が義務付けられていないことの方がより大きな問題なのだ。
 「国家戦略特区」も「岩盤規制への風穴」も、それはそれで政治的には重要な論点かもしれない。しかし、もし権力が行使されたのであれば、その妥当性を証明する挙証責任は政府側にあり、それを裏付けるための証拠となる文書を保存しておくことは、権力が不正に行使されていないことを証明する上では必須となる。政府や官僚にとっては、その証拠を保存しておくことは、国民に対して自分たちの行為の正当性を証明する上では必要不可欠なものだ。ましてや今回のように、評価額の8分の1の値段で国有地が払い下げられていたり、従来の基準では認められていない新設の獣医学部の設置が特別に認められたのであれば、その決定の正当性の裏付けを残しておくことは、国民に対する説明責任は言うに及ばず、政府にとっても担当の官僚にとっても、身の安全を保障する命綱になるはずだ。繰り返しになるが、それを残していないということは、まずあり得ない。

今治市の姿勢は全く不可解であり、この一事だけでもクロの心証だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月16日 (日)

加計疑惑(34)大学設置基準は意欲の問題か?/アベノポリシーの危うさ(255)

新しく学部を開設する作業は大変である。
私も親しい友人が新学部の準備責任者だったので、大体の推測はできる。
あるいは、私自身が直接専門学校の開設準備に携わったこともある。
文科省の「設置基準」はきめ細かく、厳しい。

このような規定を「岩盤規制」と見るかどうかは、立場によるだろう。
しかし、一定の「質」の確保のためには、何らかの基準は必要である。
ところが、安倍首相は「意欲があれば獣医学部新設を認める」と言う。
加計疑惑を逃れるために深く考えないで言ってしまったのだろうが、耳を疑うような言葉である。
皿を1枚割ってしまったから、他の皿も割ってしまおう、と言うに等しい。

しかし、ネット上には「安倍さんカッコいい(*≧∀≦*)」というような反応もあるのだから、驚く。
加計学園グループが今治市に設置しようとしている獣医学部の開設準備の経緯は以下のようである。
1707052
東京新聞7月5日

加計学園と同様に獣医学部新設構想を持っていた京都産業大が、断念せざるを得なくなった事情を記者会見で説明した。

 同大は、学校法人「加計学園」などと共に特区での新設を要望していたが、政府が昨年11月、広域的に獣医師系養成大学が存在しない地域に限り新設を認める方針を決定。既に大阪府立大(堺市)に獣医師系学部があるため、条件的に排除される形となっていた。
 黒坂副学長は、断念の理由は地域的な条件によるものではないと説明。特区に関する告示で指定された2018年4月の開学には準備期間が足りず、加計学園が先に申請したため優秀な教員の確保も難しくなったとした。
 副学長は「残念だ」と述べる一方、加計学園をめぐる問題については「大学によって状況は異なり、(加計学園が)どう準備していたのかは知らない」と話した。
 京産大は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた創薬分野などで実験動物を扱う獣医師養成を目指し、京都府綾部市での校舎建設を計画していた。 
獣医学部断念を発表=京産大「準備期間足りず」

要するに、開学までの準備期間の不足などが理由である。
京産大排除の論理を組み立てたのは誰か?
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)
まさに「総理の意向」文書に記されていたこととも合致する。
2

⇒2017年5月17日 (水):加計疑惑(3)総理の意向という文科省文書/アベノポリシーの危うさ(209)
⇒2017年5月26日 (金):加計疑惑(5)文書の存在確認/アベノポリシーの危うさ(216)

これでもシラを切るつもりなのだろうか?。
「安倍さんカッコいい(*≧∀≦*)」だろうか?

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月15日 (土)

加計疑惑(33)戦略特区という利権/アベノポリシーの危うさ(254)

最初は、いかにも怪しげな、という「印象」の加計疑惑であった。
⇒2017年3月14日 (火):森友疑惑(21)加計学園の李下の冠/アベノポリシーの危うさ(156)

しかしどんなに巧妙に隠しても隠しきれないものである。
先ず、全体の構図を簡単に要約している「炙り出されてきた加計学園疑獄の黒幕」から。

1)
認可が下りる前から「加計学園獣医学部認可」を既成事実化する行政ルールとそのプロセスを見ていくと、「官邸の最高レベルの意向」が、安倍晋三によるものであることは自明。
2)
絵を描いた”和泉洋人首相補佐官が、前川喜平・前事務次官に圧力をかけたときに言った言葉-「総理の口から言えないから、私が代わりに言う」という言葉から、確定していい。
3)
では、すべてを仕切っているのが、安倍晋三と和泉洋人の二人なのか?
そうではない。
なぜなら、追い詰められると、決まって外遊を理由に海外にトンズラするような男になど、仕切りができるはずがないからだ。
    第一、この男には、常に『家庭教師』が必要なのだから。
4)
では、和泉洋人が、安倍をけしかけた?
あり得ない。出世にだけしか関心がない乞食官僚に過ぎないのだから、そんなリスクは冒さない。
つまり、この二人には、『家庭教師』がいた、ということだ。それが、全体の青図面を描いた本当の黒幕。

安倍首相&和泉洋人首相補佐官の「家庭教師」の名前は?

つまり、国家戦略特区の5人の民間議員は、8月の時点で、すで「加計学園に内定」を出していたということなのだ。
設計図の日付けが「2016年12月28日」になっている。
1月4日の一般公募前に、すでに加計学園獣医学部の青図面が完成していた
のである。
それどころか、12月14日に着工していたのである。
入札なり、コンペティションなりの公募を行う前に、「すべてが決まっていた」ということである。
つまり、8月に認可の前提となる「内定」が決まっていたということ。

認可の「内定」が出ていたからこそ、加計学園は50億円以上もの借り入れを起こしたのである。
もちろん、文部科学省は、認可に反対していたのであるから、「内定」を出すはずがないのである。
    文部科学省の職員の目は、京都産業大学のエントリーに向けられていだだけでなく、官邸の萩生田や内閣府から圧力をかけられていたのであるから、そもそもが「内定」を出せるはずもないのだ。
「加計学園ありき」は、完全に文部科学省の意思を無視して強行されたということである。
日本獣医師会の蔵内勇夫会長が証言したように、「明らかに加計学園ありき」で、獣医師会にも、相当なプレッシャーがかけられていた。
    安倍内閣は、ここでも「黙って、言うことをきけ!」ということだ。
だから、安倍政権下で、やりたい放題やっている竹中平蔵ということになる。

Ws000001
加計学園はこの3年間で、52億も借り入れを増やしています。私学振興・共済事業団は、私学に土地を担保に資金を貸す政府組織です。 融資の使途は設備投資に限定されてますが、加計が52億もの設備投資をした形跡がありません。 今治市からの補助金をあてにしたマネーロンダリングがありそう。
黒川敦彦@今治で加計問題追及中 @democracymonst

国家戦略特区での獣医学部新設の決定に関わった諮問会議の民間議員である八田達夫大阪大学名誉教授や竹中平蔵東洋大学教授の記者会見の内容は、論点をずらそうという意図がミエミエなことが私でも分かる。
⇒2017年6月29日 (木):加計疑惑(27)論点をずらす特区諮問会議の学者/アベノポリシーの危うさ(246)

特区という制度自体が、「特別な施策を可能にする」ものであるから、運用次第では容易に利権に転化するのである。
特区に係わる人間には高い倫理性が必要だが・・・

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2017年7月14日 (金)

中国民主化運動の象徴・劉暁波/追悼(106)

天安門事件(中国の民主化運動)の象徴的存在だった劉暁波(リウシアオポー)氏が7月13日、入院先の遼寧省・瀋陽の病院で死去した。
61歳だった。
私は、天安門事件の20周年を迎える日に、天安門広場を訪れる機会があった。
そのものものしい警戒ぶりに、事件が未だに歴史にはなっていないことを実感した。
⇒2009年6月 5日 (金):天安門の“AFTER TWENTY YEARS”

事実、新疆ウイグル族が関与していると考えられる自爆テロが起きたりしている。
⇒2013年11月 4日 (月):天安門自爆テロ?/世界史の動向(1)

劉氏は、北京オリンピックがあった2008年、「世界人権宣言」 60周年に合わせ、インターネット上で中国の民主化を呼びかける「08憲章」を発表して、中国共産党の一党独裁の放棄や言論の自由などを訴えた。
しかし、2009年に「国家政権転覆扇動罪」で懲役 11年の判決を受け服役した。

北京オリンピックがあった2008年、劉氏は「世界人権宣言」 60周年に合わせ、インターネット上で中国の民主化を呼びかける「08憲章」を発表。中国共産党の一党独裁の放棄や言論の自由などを訴えた。多くの署名が集まったが、2009年に「国家政権転覆扇動罪」で懲役 11年の判決を受けた。
服役中の2010年、「中国での基本的人権の確立のため長年にわたり非暴力の闘いを続けてきた」という理由でノーベル平和賞を授賞した。
だが当時は獄中にあったため、授賞式には出席できなかった。妻の劉霞(リウシア)さんも中国当局によって自宅に軟禁され、代理出席は叶わなかった。

Photo
劉暁波氏と、妻の劉霞氏
授賞が決まった直後、劉氏は劉霞さんに「(ノーベル平和賞は)天安門事件で犠牲になった人々の魂に贈られたものだ」と、涙を流しながら語ったという。
2017年5月末、服役していた刑務所で腹部に異常が見つかった。中国当局は6月、劉氏が末期の肝臓がんであることを公表した。
劉氏はドイツかアメリカでの治療を希望。7月8日に診察したドイツとアメリカの医師は「安全な移送は可能」としていたが、中国当局が出国を認めず、劉氏の望みは叶わなかった。
劉暁波氏が死去 中国民主化運動の象徴、ノーベル平和賞の人権活動家

中国はアメリカと並んで、世界の2大強国になった。
しかし今後の発展は、民主化なしにはあり得ないだろう。
そえを確認できなかったのは心残りかも知れないが、礎になったことは人々が記憶し続けろと思う。
合掌。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月13日 (木)

加計疑惑(32)支持率の下落が止まらない安倍政権/アベノポリシーの危うさ(253)

先に行われた閉会中審査を踏まえ、民進党など野党が求めた安倍晋三首相出席の予算委員会開催は、自民党に拒否されていた。
⇒2017年7月11日 (火):加計疑惑(31)忖度が首相を追い込む皮肉/アベノポリシーの危うさ(252)

それが一転して開催に同意することになった。
安倍政権の支持率低下が止まらないのを見て、官邸側が慌てて肯定的な態度を示したものである。
首相の意向を忖度ばかりする自民党国対は、滑稽なことに気が付かないのであろうか?

 首相は13日、竹下氏に「国会の場に出て説明する意思がある」と電話で伝えた。この後、竹下氏は民進党の山井和則国対委員長に連絡し、予算委開催へ調整を進める方針を示した。8月上旬に内閣改造が予定されていることから、野党側は、加計問題の経緯を把握している現閣僚の答弁が必要として、7月中の速やかな開催を求める。
 竹下氏は山井氏に対し、予算委開催に当たっては与野党の時間配分を「1対1」とすることが条件だと通告。これに対し、山井氏は「そこは交渉だ」として野党側への配分拡大を求める意向を示した。
 これに先立ち、竹下氏は国会内で行った山井氏との会談で、首相質疑をいったんは拒否。山井氏は「国民から逃げ回っている」と強く反発していた。
 山井氏は同会談で、萩生田光一、杉田和博両官房副長官、和泉洋人首相補佐官ら政府関係者と、加計学園の理事長ら計7人の証人喚問も求めたが、竹下氏は応じなかった。また、山井氏は臨時国会の早期召集も改めて要求。竹下氏は「首相官邸に伝える」と述べるにとどめた。
安倍首相、予算委出席へ=加計問題説明、世論考慮

報道各社の世論調査で、内閣支持率は東京都議選を前に急落し、自民党は23議席の歴史的惨敗を喫した。
⇒2017年7月 2日 (日):都議選の結果は国政にどう影響するか/日本の針路(323)
⇒2017年7月 5日 (水):自民ワーストの都議選と自民の「反省」/日本の針路(324)

 2日の東京都議選は、加計学園の獣医学部新設問題などの影響で内閣支持率が急落した直後に行われ、自民党の議席は57から23まで半減した。その後、実施された世論調査でも、軒並み30%台となり、第2次安倍政権発足後の最低水準を記録した。
Photo_6
安倍政権の支持率低迷で積極財政求める声-財政再建とのジレンマも

最近の世論調査では、不支持の理由は「安倍首相が信用できない」がトップである。
石破茂前地方創生担当相も、安倍首相が看板政策を「地方創生」「1億総活躍」「人づくり革命」などと次々更新してきたことを、「大河ドラマではない」と批判している。
内閣改造などの小手先の対応は効果が出ないだろうし、積極財政では矛盾が拡大する。
インチキ政権の年貢の納め時が近づいている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月12日 (水)

暗号革命と素数(1)暗号化の基礎/知的生産の方法(161)

素数について、初めて学校で教わった時の記憶がない。
ちょっと調べてみたら、以下のような図があった。
Photo_3
算数の系統表の一部 (新学習指導要領における算数・数学内容系統一覧表より抜粋)

つまり、小学校5年の教程に位置づけられている。
遙かな昔であるが、小学校の担任教師の顔を思い浮かべても、素数にまつわるエピソードをまったく思い出さない。
しかし、この素数が暗号のパラダイムシフトに深く関係している。

暗号と言って先ず思い浮かべるのは、例えば、ホームズものの『踊る人形』であろう。
森谷明子『春や春』光文社文庫(2017年5月)でも、俳句甲子園を目指す高校生の共通の話題として取り上げられていた。
⇒2017年7月 7日 (金):森谷明子『春や春』/私撰アンソロジー(48)

以下のような図が何を意味するか?
Dancing_men

何かのいたずら書きだろうか?
しかし、ホームズは、これがメッセージだと考え、人形の図形とアルファベットを対応させた。
最初のステップは、英語で最も使用頻度の高い文字「E」の特定である。
ホームズは何とか解読して、対応表を完成する。
古典的な暗号の代表が、文字の置換である。
Photo_6
このように、暗号化のカギを知っていることが、解読の必要条件である。
Photo_4

しかし、このカギの安全性をどう担保するか?
カギを盗まれたら、暗号化の意味がなくなる。
Photo_7

特にインターネットが普及した現代において、「確実な情報伝達」と「情報の保秘」という反対のベクトルの要請にどう応えるかが重要な課題になっている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月11日 (火)

加計疑惑(31)忖度が首相を追い込む皮肉/アベノポリシーの危うさ(252)

前川前文科事務次官の参考人招致があった。
疑惑の中核と目される人物が出席しないのだから、当然のことながら、霧は立ちこめたままである。
21707112
東京新聞7月11日

日経新聞社説も「与野党は関係者をさらに国会に招致し、事実の解明に向けた努⼒
を続けるべきだ。」と書いているが、上図に載っている人たちは、疑惑解明のためにも自ら進んで国会の審議に出席するべきだ。

問題の本質の一端は、首相周辺の過剰な忖度にある。
「総理のご意向」と記された文書が、意向に反するのか?
もし、意向に反するものならば、間違った「忖度」だったのだから、首相はやり直しを指示すればいいのだ。

やり直しの指示がないということは、意向通りだということである。
竹下自民党国対委員長は、都議選の前に、閉会中審査について、「都議選の結果を見て考える」と言っていた。
意味不明ではあるが、都議選の結果の自民党の惨敗を受けて閉会中審査に応じたことを見れば、勝っていれば、あるいはそこそこの敗北であれば、閉会中審査に応じないつもりだったのだろう。

その竹下氏は、閉会中審査を踏まえ、民進党など野党が求める安倍晋三首相出席の予算委員会開催に否定的な考えを示した。

 「野党の質問は『言った』『言わなかった』というレベルにとどまり、何も新しいことは出てこなかった。これで予算委を開く必要があるのか。このレベルの議論だったら国会ではなく、別のところでやればいいだけの話だ」と述べた。国会内で記者団に語った。
自民・竹下亘国対委員長、加計問題めぐる安倍晋三首相入りの予算委員会開催に否定的

もはや喜劇的と言うしかない。
首相の外遊中に日程を設定し、疑惑の中核を呼ばないで、「何も新しいことは出てこなかった」とは、語るに落ちている。
新しいことが出ないように必死であるのは、夫子自身なのは明らかである。
「関係者をさらに国会に招致し、事実の解明に向けた努⼒を続けるべき」と思っているのが、日経新聞だけでなく、国民の大勢だと言うことがまだ理解できないのであろうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月10日 (月)

加計疑惑(30)今治獣医学部はライフサイエンスの拠点になる得るか/アベノポリシーの危うさ(251)

国家戦略特区制度による加計学園獣医学部新設の大義名分は、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上である。
獣医学部新設に関して、地方創生相だった石破茂氏による「石破4条件なるものがある。
Photo_2
【加計学園問題】石破4条件とはなにか?

例えば竹中平蔵氏は次のように説明している。

(1)日本では獣医学部は52年間一つもつくられていない。これでは日本がライフサイエンスで取り残されてしまう。ただ抵抗勢力もいるのでとりあえず特区で1校となった。
(2)決まってからは抵抗勢力とのバトル。加計孝太郎理事長はたまたま友人だっただけ。当然ながら安倍総理は印象操作だと主張した。
(3)抵抗勢力は批判できるものは何でもするということで本当にたまたま安倍総理の友人という点を責めた。私は、加計学園問題とは印象操作がつくられた問題のことだと捉えている。
(4)抵抗勢力の圧力を避けるために「広域的に」という条件をつけた。これで新潟、京都、今治が候補になり3つぐらいは認可したいと考えた。ところが獣医師会が物凄い圧力をかけてきて1校ということに…。四国には獣医学部がなく、今治は10年間要求し続けていた。だから3つの候補の中で選ばれた。
(5)国民に対してちゃんと説明はしているのにメディアで物凄いバイアスがかかって前川さんの発言がドーンと出た。印象操作が物凄くあった。
竹中平蔵が総括する加計学園騒動の全て。5つのポイントにまとめてみた

竹中平蔵氏が論点をずらしていることは既に指摘した。
⇒2017年6月29日 (木):加計疑惑(27)論点をずらす特区諮問会議の学者/アベノポリシーの危うさ(246)

ここでは今治市に開設する加計グループの岡山理科大学獣医学部が、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上に貢献できるかどうかについて、考えてみよう。
同じ加計グループの千葉科学大学薬学部では、設立当初の定員150人(その後120人に減員)で、国家試験合格者が20数名である。
つまり8割程度の卒業生が、薬剤師の国家資格を得られなかったというのが現実である。

獣医師と薬剤師はもちろん異なるが、国家試験との関係で見れば共通性がある。
今治市に設置予定の獣医学部は定員160人(既に設置審議会の審査で20名減員)で、そのうち一体、何人が国家試験に合格できるであろうか?
獣医学部は出たけど獣医師国家資格も取得できないというのでは、国際的なライフサイエンス分野での競争力向上など、とても期待できまい。

内閣府の指示で「広域的に存在しない」と言う条件を付したことにより断念せざるを得なくなった京産大は、京都大学との連携によるiPS細胞による創薬研究構想を持っており、4条件に適うように思われる。
Ws000001
獣医学部設置構想について
⇒2017年5月28日 (日):加計疑惑(7)京産大排除の論理/アベノポリシーの危うさ(218)

加計疑惑については、徹底的に解明しないと「国家百年の計」に悔いを残すことになろう。
⇒2017年6月11日 (日):加計疑惑(17)官邸と加計グループの多面的な関係/アベノポリシーの危うさ(230)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 9日 (日)

加計疑惑(29)前川招致の論点と問題/アベノポリシーの危うさ(250)

前川前文科省事務次官の参考人招致が、10日に行われる。
加計疑惑の論点は数多いのでとても1回の招致で終わるとは思えない。
主要な論点は以下のように整理されている。
Photo
加計問題 あす前川氏招致 「行政ゆがめられた」「官邸圧力」焦点

個人的に言えば、内閣府から文科省に送られたメールの文章に示されている修正の経緯に関心がある。
Ws000008
加計有利な要件「官房副長官が指示」 内閣府のメール

字句の修正により文意を大胆に変える「霞が関文学」の精華とも言える。
メール自体、は山本幸三途方創生相によれば、「文科省から内閣府へ出向していた職員が、陰に隠れてやった」ということだ。
しかし、この修正によって京産大は断念せざるを得ず、加計学園のみという条件が整ったのだ。
少なくとも萩生田副官房長長官や和泉首相補佐官は何らかの関与をしているであろう。
⇒2017年6月22日 (木):加計疑惑(24)「主犯」は萩生田副長官か?/アベノポリシーの危うさ(240)

一貫して情報を隠蔽しようとし、疑惑解明に消極的なのは、官邸サイドである。
Ws000000
1通のメール、首相側近の関与疑惑浮上 文科省再調査

首相不在での閉会中審査を容認した民進党の姿勢にはガッカリするが、自民党の都議選敗北の戦犯たちも、こぞって「丁寧な説明」から逃げ回っている。

 大敗の“戦犯”のひとりである稲田防衛相は7日、都内のホテルで開催するはずだった政治資金パーティーを「諸般の事情を考慮した」として、急きょ中止した。
「稲田大臣は都議選の応援演説で“防衛省、自衛隊としてもお願いしたい”と発言し、大バッシングを浴びました。それから間もない九州豪雨の対応中に防衛省を70分間も留守にしたのだから呆れます。内閣改造で交代は間違いありませんが、その前に自ら辞職を申し出るべきです」(政治評論家・伊藤達美氏)
 加計学園から「200万円の闇献金」が渡っていたことが報じられた下村博元文文科相も5日に講演会をドタキャン。「このハゲーーッ!!」のパワハラ暴行の豊田真由子衆院議員は、入院したまま行方知れずになっている。森友学園と加計学園に関与したとされる安倍昭恵夫人は、今月21日に登壇挨拶する予定だった「日米国際海洋環境シンポジウム」を辞退した。
逃げる都議選の戦犯たち “安倍一派”退陣運動が全国に拡大

いつまでも逃げ回れるものでもないだろうに、情けない人たちだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年7月 8日 (土)

「こういう人たち」への向き合い方/アベノポリシーの危うさ(249)

都議選が厳しい情勢であることは、安倍首相自身も認識していたようである。
獣医学部を1校に限定せずに全国展開するという問題発言のあった神戸の講演会では、自身の心境を俳句もどきにしてみせた。

逆風に神戸の空はさつき晴れ

これを俳句として評価するのもどうかとは思う。
政界には、中曽根康弘氏や藤波孝生氏など、俳句をたしなんだ人が少なくない。
彼らの句に比べれば、明らかに幼稚である。
プレバトというテレビ番組で名人位を得ている東国原英夫氏は次のように言っている。

 前宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏(59)が28日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!Smile!」(月~金曜・後1時55分)に出演し、24日に神戸で行われた安倍首相の講演内容をメッタ斬りした。
 安倍首相は講演内で「逆風に神戸の空はさつき晴れ」と俳句を披露したが、同局系人気番組「プレバト」で俳句の名人認定されている東国原氏は「30点ぐらい。基本を抑えていない」と評価した。理由として「高浜虚子以降の客観写生から入っていかないと俳句にならない。その基本を踏襲していない」と指摘。「思ったことを単刀直入に言えばいいというものではない」と手厳しく、「プレバト的に言うと『才能なし』」としていた。
 また、同講演で首相が加計学園問題に関連し「中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった」「地域に関係なく、2校でも3校でもどんどん獣医学部の新設を認めていく」と語ったことに対して「やけくそですね。殿ご乱心も…みたいな感じですね。とりあえず今までは1校に限定してって論調ですから、それを煙に巻くというか、薄めるためというか」とコメントしていた。
東国原氏、安倍首相をバッサリ「やけくそですね。殿ご乱心」「基本抑えていない」

その逆風の象徴が秋葉原における応援演説だったと言えよう。

 これまで国政選挙に圧勝してきた安倍首相にとり、東京・秋葉原駅前は支持者が日の丸の旗を振る街頭演説の「聖地」とされる。
 しかし、その日は違った。「安倍やめろ」の横断幕を掲げる集団が駅前ロータリーに陣取り、演説前から物々しい雰囲気に包まれていた。首相がマイクを握ると「帰れ」コールが起き、途中で「辞めろ」の大合唱に変わった。首相は選挙カーの上から指さし、有権者を批判した。
 演説の邪魔など「自民党は絶対にしない」と断言したが、その首相自身、国会で野党側にやじや挑発的答弁を繰り返してきた。先月5日の衆院決算行政監視委員会では、加計学園問題を巡り「やじを飛ばすのはやめていただきたい」と野党側に注文。だが、その約10分後、野党の質問中に「いいかげんなことばかり言うんじゃないよ」とやじを飛ばし、委員長に注意された。
 首相が街頭演説で有権者に声を荒らげるのは異例だ。一橋大の只野雅人教授(憲法学)も「安倍首相は批判されるとむきになるところがあるが、普通は考えられない」と驚きを口にする。加計学園問題などを審議する臨時国会の召集に自民が応じない点を踏まえ、只野氏は「ほとぼりが冷めるまで待つつもりかもしれないが、有権者の批判は抑え込めない」と見ている。
 政治家の発言を分析した著書もある名古屋外国語大の高瀬淳一教授(情報政治学)は「支持率低下の中で投票前日に街頭に出たこと自体が逆効果なのに、聴衆のやじに反応し、投票結果に影響したのではないか。政治家として未熟だ」と話す。首相は都議選惨敗を受けて3日に「反省すべき点は反省し、謙虚に丁寧にやるべきことを前に進めたい」と述べたが、高瀬氏は「今後よほど丁寧に政権運営しないと党内をまとめることも難しくなる」と指摘する。
安倍首相、秋葉原の激高 かばう菅氏

山尾志桜里氏が言ったように、「器が小さい」ことを示したシーンであろう。
批判者を大事にしないから「裸の王様」になるのである。
鬼塚忠氏の原作を映画化した『花戦さ』では、秀吉は池坊専好によって美の世界に目覚めたのである。
「辞めろ」という人たちに、「有難う」というくらいの度量があればなあ、というのは無いものねだりということではあるが。

「丁寧な説明」を口にする菅義偉官房長官も、いつもの口調で「全く問題ありません。きわめて常識的な発言じゃないですか」と言った。
170704_2
東京新聞7月4日

絶望的な政権である。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 7日 (金)

森谷明子『春や春』/私撰アンソロジー(48)

Img_15212

本作は、俳句甲子園を目指すことになった「藤が丘女学院」という架空の女子高の生徒たちの話である。
掲出部は主人公の茜が、国語の授業で富士という女性教師から桑原武夫の第二芸術論を聞き、納得いかないものを感じたシーンで、このことがきっかけとなって俳句甲子園を目指すことになる。

先日、桑原武夫氏の蔵書を寄贈された京都市が、勝手に廃棄処分していたというニュースを目にした。

フランス文学者で元京都大教授、桑原武夫さん(1904~88年)の遺族から寄贈された蔵書約1万冊を、京都市が2015年に無断で廃棄していたことが、遺族側関係者などへの取材で分かった。利用実績が少なかったことから「保管の必要はない」と判断したという。市教委は判断が誤りだったと認め、遺族に謝罪した。
遺族に無断で1万冊廃棄 京都市が謝罪

「学芸員はガンだから一掃すべきだ」という大臣がいたように、学芸の軽視の影響がこういう所にも表れていると言えよう。
桑原武夫氏は仏文学が専門であるが、京大人文研の共同研究のリーダーとして、優れた手腕を発揮した。
「第二芸術論」は、若い頃の桑原が放った伝統芸術への疑問であり、大きな反響を呼んだ。
⇒2007年8月25日 (土):第二芸術論再読
⇒2007年8月26日 (日):第二芸術論への応答

「〇〇甲子園」というのは、高校対抗のイベントの代名詞である。
運動部だけではなく、文化部でも行われている。
この4月に知り合いの娘が高校に入学し、書道部に入ったと言っていた。
「書の甲子園」で地区優勝したこともある高校で、やはり練習量は多いようだ。

「俳句甲子園」は、正岡子規や高浜虚子などを輩出し、俳句の聖地とされる松山市で毎年開催されている。
⇒2010年8月30日 (月):俳句甲子園
高校生とはいえ、なかなかのレベルである。
⇒2011年9月27日 (火):今年の俳句甲子園/私撰アンソロジー(7)

こういう世界でも開成高校が常連校として顔を出すのは、癪ではあるが納得もする。
本書によれば、全国大会へ進むための決め手は、実作もさることながら、鑑賞の優劣にあるという。
俳句作品の優劣を客観的に決めるのは難しいが、鑑賞ならば共通理解が得やすいということもあるのかもしれない。
⇒2007年8月22日 (水):選句遊び
⇒2007年8月23日 (木):「選句」の遊び適性

自分の高校時代を思い出しても、驚くような早熟な批評眼を発揮する友人がいたが、開成高校には、そういうレベルの高校生がぞろぞろいるのだろう。
大会の様子は以下のようである。
Photo_2
俳句甲子園

森谷氏の小説は初めて読んだが、小川洋子氏と早稲田大学の同期生だという。
⇒2014年2月 4日 (火):小川洋子『博士の愛した数式』/私撰アンソロジー(31)
早大一文と言えば、作家志望の人間の集まりなのだろうな、と思う。

女子高生といっても、アニメの主人公たちとは異なり「萌え」ではないようだ。
最近、必要があって『ラブライブ!サンシャイン!!』というアニメを覗き見してみたが、サッパリ興味が湧かなかった。
ストーリーの違いなのか、アニメと小説の違いなのか。

私は、「プレバト」というテレビ番組で、夏井いつき氏が発する毒舌コメントと劇的に添削するのを楽しく視聴しているが、俳句の奥深さは底なしのような気がする。
まあ、俳句に限ったことではないのだろうが。
1字か2字の添削が多いが、確かに印象に大きな差異をもたらす。
2
[プレバト俳句査定]味気ない添削と、好きになれないフジモンの俳句

「印象操作」を論ずるならば、こういう問題を題材にしたらいかがだろうか。
本書には、俳句の創作や鑑賞の手引きとしての性格もあり、楽しく読了した。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 6日 (木)

自民ワーストの主犯は安倍首相自身/アベノポリシーの危うさ(248)

都議選において、自民党は負けるべくして負けた。
野村克也の名言として知られる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」で、自民党の負けは必然であった。
⇒2017年7月 5日 (水):自民ワーストの都議選と自民の「反省」/日本の針路(324)

「週刊文春」7月13日号の記事は『安倍に鉄槌!』である。
Img_2042
基本はここにあるのであって、諸々の敗因分析は増幅要因である。

閣僚経験者の一人は、不祥事や疑惑を引き起こした閣僚や政権幹部の名前を挙げながら都議選惨敗の要因を総括してみせた。「THIS IS 敗因。Tは豊田、Hは萩生田(はぎうだ)、Iは稲田、Sは下村」
自民幹部「安倍おろしの声出るかも」 首相の求心力低下

確かに、豊田、萩生田、稲田、下村は、直近の要因として、自民党の壊滅に寄与したであろう。
しかし、政権の周りにさまざまな不祥事が噴出していたのであり、構造的であったのだ。
170702
東京新聞7月2日

自民党の竹下国対委員長は、安倍首相の外遊中に前川前事務次官を参考人招致することを提案し、民進党も受け入れた。
しかし、こんな姑息なことをやっているのでは民心はますます離れていくだろう。
民進党も議席が残ったなどとホッとしているようでは未来はないだろう。






| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 5日 (水)

自民ワーストの都議選と自民の「反省」/日本の針路(324)

都議選の結果をどう見るかはさまざまであろう。
現象的には、都民ファーストの圧勝と自民党の惨敗であった。
自民党に出されたカードは、イエローかレッドか?
私は、レッドカードだと考える。
170704_3
日刊ゲンダイ7月4日

この結果を受けて、自民党には反省の声しきりと報じられている。
1707043
東京新聞7月4日

しかし、何を反省すべきか、分かっていないのではないか。
緩みではなくて、本質に多くの有権者が気がついたということである。

例えば、「失言の女王」稲田防衛相は、自身の発言をしきりに「誤解を招きかねない」と言っているが、誤解の生じようもない発言ではないか。
当然辞任するかと思っていたら、「恋々と」大臣を続ける意向のようであり、安倍首相も罷免しないらしい。
170704_2
日刊ゲンダイ7月4日

最大の問題点は共謀罪(組織的犯罪防止法改正)の問題であろうが、金田法務相はまったく自覚がないようである。
1707052
東京新聞7月5日

こんな反省では、次の総選挙でも変わらないだろうなあ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年7月 4日 (火)

原子力事業で破滅の危機の東芝(9)上場維持の条件/ブランド・企業論(68)

一部市場から姿を消すことになった東芝。
原発事業に執着したツケは余りにも大きい。
⇒2017年6月27日 (火):原子力事業で破滅の危機の東芝(8)2部降格と半導体事業の行方/ブランド・企業論(67)

しかし、二部降格で済むかどうかは予断を許さない。
上場維持の条件は次のようである。
21706242
東京新聞6月24日

虎の子の半導体メモリーの売却という判断であり、売却自体はやむを得ないだろう。
しかし、売却先については、日経新聞の社説でさえ次のように案じている。

 巨額の投資が必要な半導体事業は、財務力の弱った東芝から切り離し、新たなスポンサーのもとで再出発するほうが事業の発展につながるという判断もある。
 ここまではひとまず理解できるとして、疑問が多いのが実際の売却案だ。東芝取締役会は先週、政府系ファンドの産業革新機構を軸にした「日米韓連合」との売却交渉を優先的に進めると決めた。
 同連合は革新機構のほか日本政策投資銀行と米ベインキャピタルが出資者に名を連ね、韓国半導体大手のSKハイニックスもベインに資金協力する形で参画する。
 疑問の第一は連合の中核である官製ファンドの革新機構に半導体のような世界を相手に戦うグローバル事業を経営できる力があるのかどうかだ。同機構の主導でつくった液晶会社のジャパンディスプレイは経営不振が続いている。
 綱川社長は技術流出を招かないことを買い手の条件にあげるが、そうであるなら、SKが参加するのもよく分からない。「我が社の技術を不正に取得した」として3年前に東芝が損害賠償を求めて訴えた当の相手がSKである。
 東芝のメモリー事業の長年のパートナーである米ウエスタンデジタルとの対立も気になる。同社は米国で売却手続きの一時停止を求めて提訴しており、ここで東芝が負ければ、売却そのものが宙に浮くかもしれない。これ以上の迷走はお互いメリットがなく、溝を埋める努力が双方に必要だろう。
 最後に仮に交渉がまとまったとしても、来年3月末までに世界各国の独禁当局の許可を得て、売却を実施できるのかという不確定要素は残る。経営とは予見できない未来に向けて複数の選択肢を用意しておくことだ。「債務超過回避による上場維持」が果たせない場合を想定したプランBを東芝経営陣は持っているのだろうか。
日本経済新聞6月29日

東芝はWD社を提訴するという強硬策にでた。
Wd170629
東京新聞6月29日

吉と出るか凶と出るかは分からないが、追い込まれた結果のデシジョンであることは間違いないだろう。
長年のパートナーと泥沼の争いをするところに明るい展望はないように思える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月 3日 (月)

原発事故刑事裁判と大津波の予見可能性/原発事故の真相(157)

東京電力福島第1原発事故の刑事責任に対する強制起訴裁判が東京地裁で始まった。
大きな争点は、大津波の予見可能性である。
福知山線事故でも、脱線事故の予見可能性が争われたが、7年余りを要して歴代3社長の無罪が確定した。

 原発事故を巡る捜査では、政府の地震調査研究推進本部が2002年に「三陸沖から房総沖にかけて巨大津波が発生しうる」と指摘した「長期評価」が、東電に津波対策を義務付けるほど信頼できるものだったかがポイントだった。東京地検は13年9月、「学術的に成熟されたものではない」とし、旧経営陣を不起訴とした。これに対し、初公判で指定弁護士側は、東電が実際に長期評価を基に対策を取ろうと、担当者が奔走していた構図を描こうとした。
 08年3月。東電子会社は長期評価を基に、第1原発に最大15・7メートルの津波が来るとの試算を本社に報告。津波対策を担う原子力設備管理部の担当者がすぐに浸水を防ぐための防潮堤の高さについて子会社に検討を指示したところ、敷地の高さ(海面から10メートル)に加えて10メートルの高さの防潮堤が必要との報告を得た。
 この想定は、同部部長だった吉田昌郎(まさお)・元福島第1原発所長(故人)と、担当幹部だった元副社長の武藤栄被告(67)に上げられたが、武藤元副社長は土木学会に想定津波に関する再検討を依頼し、東電としての対策は「先送り」された。
 さらに指定弁護士はこの方針変更が社内でくすぶり続けた点も指摘。08年9月の社内会議では「津波対策は不可避」とのメモが配られ、09年2月には、元会長の勝俣恒久被告(77)や元副社長の武黒一郎被告(71)、武藤元副社長も参加する幹部打ち合わせで、吉田氏が「もっと大きな14メートル程度の津波が来る可能性があるという人もいる」と発言したことも明かした。
強制起訴初公判 津波対策「先送り」争点 東電旧経営陣は否定

21707012_3
東京新聞7月1日

原発事故を描いた小説に、若杉冽『東京ブラックアウト』講談社(2014年12月)がある。
フィクションではあるが、1つのシミュレーションとしても読める。
この小説では、緊急に運転停止した原発が、非常用電源を失って冷却を継続できなくなり崩壊熱で炉心がメルトダウンする。
⇒2016年8月29日 (月):『東京ブラックアウト』と国会質疑/原発事故の真相(147)

ある部分、福島第1原発事故と共通する。
第1次安倍政権当時の第165回国会において、吉井英勝衆議院議員が「停止した後の原発では崩壊熱を除去出来なかったら、核燃料棒は焼損(バーン・アウト)するのではないのか。その場合の原発事故がどのような規模の事故になるのかについて、どういう評価を行っているか。」と質問した。
これに対し、安倍首相(当時)は、「お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と答弁している。

そして、原子力政策の推進者と現在の政権の中核がオーバーラップしているのだ。
Img_1882
「週刊エコノミスト」6月20日号

脱原発が世界の趨勢になろうとしているのに、原発利権に執着するのは亡国的である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年7月 2日 (日)

都議選の結果は国政にどう影響するか/日本の針路(323)

都議選の最終結果は未確定だが、都民ファーストの圧勝と自民党の大敗は間違いなさそうである。
Photo_2
開票センターで花を付ける小池代表

潮目の変化が表面化したとも言える。
⇒2017年6月 2日 (金):内閣支持率の動向が示す潮目の変化/アベノポリシーの危うさ(223)
都議選は一自治体の議会選挙ではあるが、国政の動向を占う性格も持っている。
国政にどういう影響を与えるであろうか?

自民党の惨敗は当然の結果であろう。
森友・加計学園問題で有権者が安倍政権に対する疑念を募らせていたことに加え、選挙期間中に、稲田防衛相の大失言と下村都連会長のヤミ献金報道が加わった。
⇒2017年6月28日 (水):自衛隊を私物視する愚かな稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(245)
⇒2017年6月30日 (金):加計疑惑(28)下村元文科相に資金疑惑/アベノポリシーの危うさ(247)

都議選の敗戦責任は、本来は都連会長や党幹事長クラスであるが、今回は安倍首相の責任問題にならざるを得ない。
惨敗を決定づけた稲田防衛相と下村都連会長は首相の側近中の側近として知られる。
果たして自民党内に安倍降ろしの動きが出てくるであろうか?
私個人としては、出てくると思うが、それは自民党凋落という大きな流れの1コマに過ぎないだろう。

問題は都民ファーストである。
正直言って、未知数であるが、日本新党からスタートし、風見鶏のように有権者の風を読んでここまでやってきた。
しかし、いかにも危ういのは確かである。
風見鶏を動かすのは、結局有権者の動向である。

注目すべきは、静岡県である。
テストマーケティングの拠点とされているのは、日本の縮図と言われる特性を持っているからである。
その静岡県で、都議選より一足早く、知事選と2県議の補選が行われた。
結果は次の通りであった。
Ws000000

いずれの選挙でも、自民党系が敗北しているのだ。
自民党の現状にノーということである。
都民ファーストも、自民党と手を結ぶようなことになれば、一挙に瓦解するだろう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年7月 1日 (土)

大臣辞任(or更迭)の二重基準/アベノポリシーの危うさ(247)

東京都議選の応援演説で⾃衛隊の政治利⽤の発⾔をした稲⽥朋美防衛相に関し、安倍晋三 ⾸相は当⾯続投させる構えだ。
⇒2017年6月28日 (水):自衛隊を私物視する愚かな稲田防衛相/アベノポリシーの危うさ(245)

任命責任者は安倍首相であるから、他人が判断をどうのこうのと言うのは控えたいところだが、実力組織の自衛隊を統括する大臣の適格性の問題である。
看過していい問題ではない。

稲田氏は、27日に東京都板橋区で開かれた自民党候補の集会で問題発言をし、同日夜に発言を撤回した。
30日にも釈明の記者会見を行ったが、「誤解」を実に35回も連発した。
Ws000000
稲田防衛相「誤解」35回連発、会見大荒れ

稲田氏自身の言葉とは真逆に、どこからどう見ても誤解か生じる余地はない言葉だ。
憲法は全ての公務員が「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定している。
政治活動と自衛隊の分離は「シビリアンコントロール」(文民統制)の基本であり、自衛隊法は隊員の政治的行為を制限している。
公職選挙法への抵触は明らかであり、明確に大臣適格性を欠いている。

稲田氏や菅官房長官は、撤回済みと言う。
しかし、一度発した言葉は撤回しても消えて無くなるわけではない。
「綸言汗の如し」であり、未遂ではなく既遂である。
任命責任がクローズアップされるのは必至だろう。

安倍首相は翌28日、「自民党にお叱りをいただき、総裁としておわびしたい」と語ったが、首相は総裁であると共に、自衛隊の最高指揮官である。
稲田氏が首相のお気に入りであることは承知しているが、「泣いて馬謖を斬る」という言葉もある。
稲田氏を即刻罷免しなければ責任を果たしたことにならない。
認識が甘いと言わざるを得ない。

第2次安倍政権の発足以降、5人の閣僚が辞任した。
Photo_2
防衛相なぜ続投 辞任5閣僚より深刻なのに…

懐かしいような顔の人もいる。
「うちわ」を配って辞任した松島みどり氏などは、こうしてみれば、ささいなことのようにも思える。
記憶に新しいところでは、今村雅弘復興相だろう。
今村氏は、講演で東日本大震災について「まだ東北だったから良かった。首都圏に近ければ甚大な被害があった」と発言した。
その前に、記者会見での暴言という伏線はあったが、今村氏の直後に首相は同じ会場で「東北の方々を傷つける極めて不適切な発言。首相としておわびする」と述べて、翌日辞任させた。
⇒2017年4月 6日 (木):不適格大臣列伝(16)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(178)
⇒2017年4月25日 (火):アホな内閣(6)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(191)

まあ、熟慮が苦手で思い付きでモノを言う安倍首相ではあるが、さすがに自民党内にも批判のマグマは溜まっているだろう。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2017年6月 | トップページ