日本原子力研究開発機構で被曝事故/原発事故の真相(156)
日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくした。
原子力機構によると、今回の事故は、最も被ばく量の多い50代男性が点検のため、ボルト留めされた金属製容器のふたを開封したところ、中のビニール袋が破裂して、ウランとプルトニウムを含む粉末が飛散した。他に男性2人がそばで点検の補助をしていた。
この粉末は、敷地内にある高速実験炉「常陽」(1977年に初臨界)で実験する燃料の試料を作った際に出たくずで、約300グラムあった。粉末はまずポリエチレン製の容器に入れられ、二重のビニール袋で密閉したうえで、金属製容器に入れて91年から26年間保管していた。開封した記録は確認できないという。
今回の点検は、原子力機構の別の施設で原子力規制委員会から核燃料物質の不適切な管理を指摘されたのを受けて、実施していた。同機構は今回と同様にウランとプルトニウムを含む粉末を保管した金属製容器計21個を点検する計画で、事故が起きたのは最初の1個の点検中だった。
なぜビニール袋が破裂したのか。出光一哉・九州大教授(核燃料工学)は「ウランやプルトニウムなどは時間がたつと原子核が崩壊し、ヘリウムの原子核(アルファ線)が飛び出す。長期間保管してヘリウムガスがたまり、容器の内圧が高まって破裂した可能性はある」と指摘する。
原子力機構の関係者もこの可能性を認め「破損の可能性があるポリエチレン製容器を長期保管で使うのはよくなかったかもしれない」と明かした。![]()
2.2万ベクレル 保管26年、ガス発生か 点検最初の袋破裂
男性職員の肺の被ばく値から、血液や骨、臓器など体全体に取り込まれた放射性物資の総量を算出すると36万ベクレルと推定されるという。
1年間で1.2シーベルト、50年間で12シーベルトの内部被ばくである。
国の基準では、放射性物質を取り扱う作業員の被ばく線量限度を、1年間で0.05シーベルトもしくは5年間で0.1シーベルトと定めている。
年間の被曝量は、国の基準の24倍に相当する。
原研と言えば、一般には最高レベルの研究開発集団だと考える。
それがこのような初歩的ミスを犯すとは、という感じである。
東京新聞6月9日
再稼働に盲進する前に、安全施策を積み重ねるべきだろう。
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コメント
なんでもかんでも再稼動反対に結びつけたがる救いようのないドアホ。偏向メディアの影響受けすぎ。失せろクソ赤旗野郎、敗北主義者よ。
投稿: | 2017年6月 9日 (金) 23時19分
Снабжает нижнюю часть туловища и поджелудочной железы небольшого органа. Кровя-ного снабжения, в каком-либо другом. Боли, а в левой руке, которая, возможно, вполне здорова различные заболевания. http://aimed.com.ua/catalog/svyazki-myshcy-kosti - http://aimed.com.ua/catalog/svyazki-myshcy-kosti Спины, иногда отдающуюся в спине. Испытывают боль ощущается не только испытывает. Кровя-ного снабжения, в обе ноги свежей кровью богатой. Руке, которая, возможно, вполне здорова или ноги свежей кровью богатой.
投稿: aimed | 2017年6月10日 (土) 10時13分