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2017年6月15日 (木)

共謀罪強行成立という極めて大きな汚点/アベノポリシーの危うさ(233)

共謀罪が、委員会審議を飛ばす中間報告という奇策を使って、今朝、参議院で可決した。
奇しくも6月15日は、60年安保で樺美智子さんが亡くなった日でもある。
⇒2012年10月22日 (月):60年安保と岸信介/戦後史断章(3)
⇒2007年10月 9日 (火):60年安保…③6月15日
57年後に、岸信介の孫の安倍晋三によって、再び歴史的な暴挙が行われたのだ。

なぜ、多くの検討課題を積み残し、成立を急いだのか?
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東京新聞6月15日

やはり、加計疑惑隠しと見ざるを得ないだろう。

 国会では学校法人「加計学園」の獣医学部新設に、安倍晋三首相の意向が働いていたか否かをめぐり、野党側が追及を強めている。
 内閣府が「官邸の最高レベルが言っていること」「総理の意向だと聞いている」と働き掛けたとされる文書が明らかになり、文部科学省は再調査を余儀なくされた。
 短期間でも国会を延長すれば、野党に疑惑追及の機会を与える。強行してでも早めに同法案を成立させて国会を閉じ、野党の追及機会を封じた方が得策と、与党側が考えても不思議ではない。
 しかし、それは疑惑隠し以外の何ものでもない。
 この法案は拡大解釈され、冤罪を生む可能性は消えていない。官憲が内心に踏み込んで処罰し、人権を著しく侵害した治安維持法の復活との懸念は、審議を通じて解消されるどころか、むしろ深まった。国民が懸念を抱く法案の成立を政府与党は急ぐべきではない。安倍政権に猛省を促したい。
「共謀罪」法案 成立強行は疑惑隠しか

共謀罪を成立させ、加計疑惑にフタをして、「政権の圧勝」だろうか?
例えば、財務省出身の高橋洋一氏は、政権のコールド勝ちという。

民進党は、6月18日までの国会会期内のできるだけ早期に再調査結果を出せというだろう。国会は1週間程度の小幅延長のようである。
となると、再調査結果をいつ公表するかどうかは、政府のさじ加減次第である。再調査結果が出てくれば、野党は前川氏の証人喚問などを言うかもしれないが、国会会期後の閉会中審査で、という手もあるので、それだと野党の追及は困難になるだろう。
結局、無理筋であるはずの「総理の意向」という点にこだわり、思い込みで間違えてしまった民進党は、森友学園問題のときと同じように、何も影響を与えられないまま、またしても空回りして終わるだろう。
加計学園問題は、このまま安倍官邸の「圧勝」で終わる

私は森友学園問題も「何も影響を与えられないまま」とは思わないし、政権が追い詰められた果ての強行突破だと考える。
元外交官で、原田武夫国際戦略情報研究所代表の原田武夫氏は次のように言う。

私は今回、前川喜平・前文部科学事務次官の「糾弾」によって露呈した我が国政治の本当の病巣はここにあると見ている。「安倍一強」と言われているが、全く持ってそれはそれはハリボテなのであって、その実、「性悪説から逃れられない地方議員上がりの小心者」による恐怖政治と「娑婆のマネー・フローを全く知らず、出来ることといえば虚栄心に基づく利権づくりだけである経済産業官僚たち」による”霞が関の常識“の破壊でしかそれはないのだ。「全ての存在するものは合理的であり、合理的なものは存在する」とはかのヘーゲルの名言だが、そうした冷静なチェックが一切行われることなく、しかも「最高責任者そのものが全く引責しようとしない」という異常な体制が続いているという意味で安倍晋三体制とは、かつての「民主党体制」よりも筋が悪く、唾棄すべきものだというべきなのである。
ハウス・アフェアーについては実質的に菅義偉官房長官が取り仕切る首相官邸は、このことについて声を大にして叫び始めた前川喜平・前文部科学事務次官に対して、実に卑劣な個人攻撃を始めた。「新宿・歌舞伎町の出会い系バーに通っていた前歴を持ち、そこで買春していた嫌疑すらある」と騒ぎ立てたのである。その背後には、「またか」とその実、あきれ顔で首相官邸の”主人“たちに面従腹背をする公安警察の面々の影を感じ取ることができる。
だが、事態は全くもってこれら”主人“たちの意のままにはなっていないのである。
私は「前川喜平」を断然支持する。

「”主人“たちの意のままにはなっていない」ことは、前川氏の証人喚問すらできないことが示している。
⇒2017年5月30日 (火):加計疑惑(9)国家の悪事の告発とプライバシー/アベノポリシーの危うさ(220)
⇒2017年5月31日 (水):加計疑惑(10)証人喚問の二重基準/アベノポリシーの危うさ(221)

国会が閉会したからと言って、すべてが終わったわけではない。
疑惑の真相追究の過程で、志のある人、品性下劣な人間などの識別もできてきた。
民進党の拙劣な戦術にいささかガッカリはしたが、内閣不信任案を審議する衆議院における金田法務相と山本地方創生相の姿を見れば、任せておくわけにはいかないだろう。
Photo
与党、「共謀罪」成立強行へ 野党、内閣不信任案は否決


この国の明日のためにも、さらに追究を続けて行かなければならない。

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コメント

お前みたいなアホにこの国の将来をを語る資格ないのでは?

投稿: | 2017年6月15日 (木) 22時30分

追い詰めた末の、お前ら赤旗が望んでいない法案を成立させてしまうという愚かさよ。細川政権の時の社会党と同じアホさやな。バーカ

投稿: | 2017年6月15日 (木) 22時35分

ハリボテでもなんでも、共謀罪やこの先の憲法改正を許しちゃってる時点でお前の負けなんだよ。今回ばかりはお前も射精できなくて気の毒だ。

投稿: | 2017年6月15日 (木) 22時38分

じゃあ旧民主党体制倒さなきゃよかったじゃん?ねえ、お前バカなの?

投稿: | 2017年6月15日 (木) 22時40分

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