不適格大臣列伝(17)山本幸三地方創生担当相/アベノポリシーの危うさ(184)
「SPA!」誌に連載中の菅野完氏のタイトルではないが、思わず「なんでこんなにアホなのか?」という言葉が口をつく。
山本幸三地方創生担当相(衆院福岡10区)である。
16日、大津市での講演後、観光やインバウンド(訪日外国人)による地方創生に関する質疑で、「一番のがんは文化学芸員だ。観光マインドが全く無く、一掃しないとだめだ」と述べた。
東京新聞4月18日
公的資格を持って仕事に携わっている人間を、「一掃しないと」などと、とても大臣の発言とは思えない。
いくら撤回しても、一度口にしてしまえば、消えはしない。
程度の低いチンピラと同じである。
講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各地の優良事例を紹介した。
発言は会場からの質問への回答。山本氏は京都市の世界遺産・二条城で英語の案内表示が以前は無かったことなどを指摘した上で、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない。そういうことが当然のように行われている」と述べ、学芸員を批判した。
閉会後の報道陣の取材に対し、山本氏はインバウンドの興味を引くさまざまなアイデアについて「『文化財が大変なことになる』と全部、学芸員が反対する。観光立国として(日本が)生きていく時、そういう人たちのマインドを変えてもらわないと、うまくいかない」と説明し、「全員クビは言い過ぎ」とも述べた。
学芸員は博物館法で定められた専門職員で、資格認定試験に合格し博物館資料の収集、保管、展示、調査研究などを行っている。ある学芸員は「観光のための文化財活用と文化財保護をいかに両立するかが大事な視点だ。観光に重きを置いている最近の国の風潮を象徴している発言だ」と話した。
山本地方創生相「学芸員はがん。一掃を」
まったく無知であり、かつ無恥である。
専門職員の職務が何であるかについて、まったく知識を欠いている。
学芸員は観光案内じゃない。
一掃してしまえば、「資料の収集、保管、展示、調査研究など」が遂行できなくなる。
観光ということも理解していない。
観光の「光」は優れた景物のことを指している。
「玉磨かざれば光なし」と言うが、優れた素材もケアをしてこそ光り輝くのである。
その学芸員の存在理由を否定して、観光を言うとは本末転倒の極みであろう。
それにしても現内閣の失言が相次ぐ。
止まらぬ閣僚の失言 「1強」が緩みに
もはやこの政権の性格であり、当然任命責任の問題である。
山本氏の場合は、失言と言うより、暴言でありかつ妄言でもあろうが。
「失言」と「暴言」と「放言」と「妄言」の違い
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