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2017年4月 8日 (土)

森友疑惑(42)「裸の王様」の末路/アベノポリシーの危うさ(179)

森友学園をめぐる一連の疑惑の核心である国有地ダンピング払下げに、安倍昭恵夫人が関与しているが確定的になった。
籠池氏が谷査恵子首相夫人付政府職員に宛てた要望事項が明らかになったのだ。
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東京新聞4月5日

問題は籠池氏が送った陳情の手紙(上図の④)である。
菅野完氏は次のように言う。

 だがこの「籠池からの手紙」はいささか読解し難い。なぜなら手紙の内容が、「50年定借として早い時期に買い取るという形に契約変更したい」「学校の用地が半値で借りられたらありがたい」「本来なら平成27年度予算で返ってくるはずの立て替え払いが、予算化されていなかったので早急に予算化してもらいたい」と、手前勝手な要求事項だけを無味乾燥に箇条書きしたものにすぎないからだ。
 冒頭の挨拶や自己紹介、依頼内容の概要など、手紙らしい内容は一切ない。ただただ要求内容が羅列されるだけ。「籠池氏が何をしている人か」「なんでこんな手紙を送りつけてきたのか」という予備知識がなければ、到底、理解できるような代物ではない。しかしながら、これに対する返答である谷氏からのfaxは、予備知識のない人間であれば読解不可能なはずの「籠池からの手紙」を見事に読み込み、その要求事項の全てに遺漏なく的確に返答しており、先述のように「工事立替費の次年度での予算化」という「籠池の要求」を完全に満たす回答まである。ここまで円滑なコミュニケーションが成立するためには、「籠池が手紙を送る意図」を、谷氏に「解説」する人物がどうしても必要だ。
菅野完「アッキード事件の核心に迫る“籠池ノート”の中身」

それは昭恵氏以外には考えられない。
⑤の谷氏から籠池氏へのファックスに、「さしあたっての回答」が記されていた。
⇒2017年3月30日 (木):森友疑惑(37)ゼロ回答と満額回答/アベノポリシーの危うさ(172)
この「さしあたっての回答」の部分を指して、官邸サイドは「ゼロ回答」だとしたが、実際は籠池氏の要望は、1年以内にすべて適えられているのだ。
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東京新聞4月5日

以上でQ.E.D.(証明終わり)である。
首相がよく口にする「悪魔の証明」でも何でもない。
ごく当たり前の推論である。

この推論を否定するのは、夫人付け秘書に証言させればいいだけである。
もちろん偽証は罰せられる場で、である。
安倍晋三首相は、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と述べたのである。
⇒2017年2月22日 (水):森友疑惑(2)国有地格安売却/アベノポリシーの危うさ(136)
まあ、この言葉があろうとなかろうと、辞任に値する行為であったのだが。
それにしてもこの発言を含む議事録が公開されていないのはなぜか?
⇒2017年4月 6日 (木):不適格大臣列伝(16)今村雅弘復興相/アベノポリシーの危うさ(178)

このように問題を大きくしたのは、自滅行為を繰り返してきたからである。
⇒2017年3月28日 (火):森友疑惑(35)連続オウンゴール/アベノポリシーの危うさ(170)
まだ逃げ切れると考えているなら、周りに「王様は裸だ」という人がいないからであろう。
今や週刊文春誌4月13日号も「裸の王様」を唱え始めた。
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私はかねてから「裸の王様」ではないかと指摘してきた。
⇒2013年10月17日 (木):安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(16)
⇒2014年11月27日 (木):続・安倍首相は裸の王様か?/日本の針路(76)
⇒2015年12月12日 (土):続続・安倍首相は裸の王様か?/アベノミクスの危うさ(64)
裸の王様の末路は滑稽である。

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