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2017年3月21日 (火)

森友疑惑(28)籠池理事長は窮鼠か?/アベノポリシーの危うさ(163)

「窮鼠猫を噛む」という言葉がある。

追い詰められたネズミが逃げ場を失ったとき、必死で猫に噛みつくことがあるということ。
『塩鉄論・詔聖』に「死して再びは生きずとなれば、窮鼠も狸(野猫)を噛む(死に物狂いになった鼠は猫を噛むこともある)」とあるのに基づく。
「窮鼠反って猫を噛む」とも。
窮鼠猫を噛む

籠池理事長は追い詰められた窮鼠だろうか?
確かに、信じていたであろう人たちから切り捨てられ、逆襲に転じたと見えないこともない。
しかし、政権側が追い詰められているとも考えられる。

 籠池氏にインタビューした「日本会議の研究」の著者・菅野完氏は17日、2015年9月7日に「100万円」の記載がある森友の寄付者名簿のほか、振替払込用紙の名義欄の「安倍晋三」が修正液で消され、「森友学園」に書き直されていた写真をそれぞれネット上で公開した。これだけでも超ド級の“物証”で、カネの出どころが官房機密費なのか、安倍首相のポケットマネーなのかはともかく、少なくとも「100万円の寄付」が事実だったことが分かる。おそらく、自民党は証人喚問で「なぜ、領収書名を安倍にしなかったのか」と籠池を攻め立てるのだろうが、本人がすでに説明している通り、「昭恵夫人が要らないと言ったから。迷惑がかからないようにした」と反論すれば、それ以上、追及しようがない。それでも自民党が噛みつくのであれば、「事実解明のために昭恵氏も証人喚問してほしい」と突っぱねればいいだけだ。
安倍政権は窮地 籠池氏の偽証告発「かなり困難」と元検事

菅野氏が示した振替払込用紙は以下である。
Ws000001
「安倍首相からの100万円」

菅官房長官は、講演に同行した政府職員も「寄付を渡すという状況にはなかった」と“火消し”に躍起である。
もちろん、籠池理事長側の自作自演ということも否定はできない。
自民党は、証人喚問において、「安倍晋三から」と言って「100万円を寄付した」という籠池証言に焦点を絞り、偽証罪の告発を検討しているらしい。
この辺りの真偽は証人喚問の場を待ちたいが、そもそも蜜月時代の籠池理事長には、こんな手の込んだ自作自演をやる必然性はなかったと考える方が自然だろう。

南山法律事務所の小口幸人という弁護士が、「証拠力」の評価を行っている。
1.「27-09-07淀川新北野郵便局」というスタンプが押されており、後から森友学園が作出することがかなり困難な記載で、森友学園の口座に100万円送金されたときの伝票であることは、ほぼ確かだ。
2.つまり、森友学園がしっぽ切りにあった感じになってからつくられた証拠ではない。
3.森友学園の上に押されている赤い淀川新北の郵便局長印からして、修正テープの下の文字は、9月7日当日かそれ以前に記入された文字であろう。
4.つまり、まず安倍晋三とか、匿名とか書いたが、どちらも修正テープで消して森友学園と書いたという順序であり、郵便局が修正箇所を示すためにスタンプを押していることを考えると、郵便局の前でこのやりとりがあって、最後の森友学園を明確にするために、つまり他が修正であることを明確にするために、郵便局がスタンプをおしたと考えるのが、最も合理的。

まあ、小口弁護士自身も言っているように、真実は未だ分からないので、「当たるも八卦当たらぬも八卦」ではある。
さらに、100万円の寄付があったかなかったは、籠池氏と安倍夫妻の親密性のバロメーターの傍証に過ぎない。
仮に、自作自演をしたのであれば、そんな学園に、財務省や大阪府が類例のない優遇をしていたことを問うべきであろう。

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