森友疑惑(8)様々な見方/アベノポリシーの危うさ(142)
経済学者の高橋洋一氏が『森友学園・南スーダン問題では安倍政権が崩れない、これだけの理由』という文章を書いている。
野党は、①天下り、②南スーダン、③テロ等準備法を3点セットとして安倍政権を攻め立てているが、やや迫力不足なので森友学園への国有地売却を新たな争点にしようとしている、と言う。
そして、国有地の格安売却には政治関与があったはずだという連想で、一気に野党は盛り上り、安倍首相の政治関与があれば辞任すると言ったが、結論として政治関与はなかった、とする。
背景として、以下のように説明する。
そもそも安倍首相がこの問題に関して政治関与していれば、財務省が安倍政権の弱みを握ることになる。消費増税に消極的な安倍首相が、財務省に特典を与えるような政治関与をするはずがないし、政治関与があれば財務省はリークし、とっくに安倍政権は潰れているはずだ。
森友学園・南スーダン問題では安倍政権が崩れない、これだけの理由
高橋氏は財務相の出身というから、この辺りの事情は詳しいだろう。
しかし、いかにもダイナミズムを感じさせない説明だ。
そして、「となると、この国有地売却問題は「近畿財務局の事務ミス」ということだけとなり、大山鳴動して鼠一匹に終わる公算が高い。」とするが、「近畿財務局の事務ミス」でケリを付けられては多くの国民が納得しないだろう。
結論部分を「なお、半ば冗談であるが、財務基準は低いほうがいい理由は他にもある。関係業界に天下りする習性が役人にはあるが、財務状態の良くないところには保身のために天下りしないようだ。であれば、財務基準は低いほうが役人の天下りを防止できるのだ(笑)。」で終わっている。
何とも志の低い話題ではなかろうか。
一方、中・高の国語教師などの経歴を持つ兵頭正俊氏は、メルマガで『教育と日本破壊の象徴としての森友学園』という文章を書いている。
森友学園事件は、本来なら、韓国の朴槿恵(パク・ク ネ)大統領の内部資料流出問題以上の事件である。国民の義憤を買って、安倍奴隷政権の退陣にまで突き進むよ うな事件だ。しかし、東京の大手(「記者クラブ」)奴 隷メディアが新聞で採り上げない。それで多くの国民が、まだことの真相を十分に知らない。
・・・・・・
国のトップが教育の何たるかをわかっていない。ただ、 趣味としての戦争に仕える教育、軍国主義に仕える政治 教育、1%の利権に仕える教育のみを考える。そこで森友学園事件は起きた。そこには3点の大きな特徴が見られる。
1 戦前回帰の軍国主義教育礼賛
2 政治の教育利用(政権トップの戦争趣味に合った学校のみへの特別待遇)
3 奴隷教育の推進(批判意識の排除)
一般的に言えば高橋氏はエリートに位置づけられようが、認識力は兵頭氏の方が上回っているように思える。
文芸評論家の斎藤美奈子さんはコラムで次のように書いている。
東京新聞2月22日
しかしさすがにテレビも沈黙しているわけには行かなくなってきた。
真相にどこまで迫れるか?
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コメント
エリートへの嫉妬が横溢する、自己顕示欲と承認欲求の表明ブログ。一見、反自民、反安倍、教育論といった高次の大義を兼ね備えているかのように装っているが、「教育の何たるかを分かっていない」と言いつつ、自分の中にも「教育の何たるか」については大した考えを持っていないのだ。その証拠に、そのことについては何も書かれず、単なるエリートへの恨み節に終始している。本当に高次の大義を持っている人なら、実名で堂々と意見を表明し、社会を動かすはずである。匿名でコソコソと自己顕示欲を満たそうとする情けない精神性は、まさに糞と言うに相応しい。
投稿: | 2017年3月 1日 (水) 07時29分