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2017年2月 6日 (月)

原発事故の避難者の現状/原発事故の真相(154)

かつて大規模ダム開発が国土政策の花形だった時代がある。
ダムの重要性は減じているわけではないが、水没地域の犠牲が大きすぎることなどから、新たな大規模ダム建設は、事実上不可能になっている。
水没地域の実態を詳しく調査し、当時の補償基準があまりにも不十分であることを明らかにしたのが、不慮の事故で亡くなられた華山謙・元東京工大教授の『補償の理論と現実―ダム補償を中心に 』勁草書房(1969年)であった。

福島原発事故からの避難者のニュースに接すると、かつてのダム水没地域の人たちを思う。
自主避難者の生徒に対して、「補償金をもらっているだろう」とタカリを繰り返していたいじめ事件があった。
⇒2016年11月17日 (木):原発避難者いじめは社会の反映/原発事故の真相(148)

この事件について、被害者生徒の主張に対して、教育委員会は信じられないような対応をしている。
⇒2017年1月25日 (水):横浜市教育委員会の信じられない判断/日本の針路(321)
補償の十分性を云々するレベルには程遠く、半世紀以上も後戻りしているのだ。

政府は次々と避難指示を解除し帰還を進めようとするが、避難先で住宅を取得して移り住む動きが強まっている。
避難住民の多くは厳しい故郷の現実を前に、避難先で落ち着こうとしているのだ。

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 原発事故の避難者は、福島県内外で約八万一千人(昨年十二月現在)と、徐々に減っているとされる。しかし、この数字は仮設住宅や借り上げ住宅の居住者を中心としたもので、必ずしも実態を表していない。元の住居に戻った人は少なく、住まいは安定していても実質的には避難を続けている住民が多い。
 本紙は、避難住民が新たに不動産を取得した際の税の軽減制度の利用件数を把握することで、公表される数字からは見えない避難者の実情をつかむ努力を続けてきた。
 累計グラフの通り、避難先での住宅などの取得件数は、二〇一一年度末の六十六件からどんどん増え、一六年十二月末では前年から約二千百件増の九千五百五十二件になった。
 都道府県別に見ると、福島(八千二百九十件)が最も多く、茨城(三百七十六件)、栃木(百九十三件)宮城(百七十三件)、埼玉(百五十二件)、千葉(九十六件)と続く。福島県を除けば避難者が最多の東京都は、価格問題もあってか七十八件にとどまる。
 福島県税務課の松山政行主幹は「避難指示が解除されても、故郷で自宅を再建するより、避難先で住宅を建てている人も多い。移転先では、避難地域の近くのいわき市が人気だが、最近は住宅確保が難しく、福島市や郡山市にも広がっている」と話している。
福島、指示解除も現実厳しく 避難先移住1万件に迫る

政府は帰還制限を解除しても、生活者、特に子育て世代の不安感は強い。
017020232
東京新聞2月2日

現実に合った政策を進めないと、事故の犠牲者は救われない。

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