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2017年2月12日 (日)

「戦闘」と「武力衝突」/「同じ」と「違う」(103)

TPPの国会審議の際、真っ黒に墨の塗られた資料の印象が強く残っている。
⇒2016年4月 8日 (金):秘密のヴェールに包まれたTPPと甘利前大臣/アベノポリシーの危うさ(50)
トランプ大統領が反対している以上、発効の見通しが立たなくなっているが、果たして何が問題になりそうだと、誰が判断したのだろうか。

公開された南スーダン派遣の陸上自衛隊の日報にも墨塗りがある。
⇒2017年2月 8日 (水):不適格大臣列伝(11)稲田朋美防衛相(4)/アベノポリシーの危うさ(130)
それでも「TK射撃含む激しい銃撃戦」の文字などが読める。

昨年10月、ジュバを視察した稲田朋美防衛相はわずか7時間の滞在にもかかわらず「状況は落ち着いている」と述べた。
⇒2016年10月16日 (日):稲田防衛大臣の資質と適性/人間の理解(18)
戦闘があったのか、なかったのか。
改めて国会で質問された稲田氏は、「憲法9条があるから、戦闘という言葉を使ってはいけないので、武力衝突はあったが、法的な意味での戦闘はなかった」と答弁した。

つまり「憲法9条の内容に抵触する事象は発生しているが、そのまま表現すると、憲法9条に違反する可能性があるから、別の言葉を使っている」と言っているのだ。
これを詭弁と言わずして何を詭弁と言うのか?

権力者が自己の都合の良い情報操作をして虚偽の情報を発信することを揶揄して、「大本営発表」と言うことがある。
さも戦況が有利であるかのような虚偽の情報を発表し、印象を変えるための言い換えを行ったのである。
辻田真佐憲『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』 幻冬舎新書(2016年7月)から引用する。
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安倍政権は、安全保障関連法を平和安全法制と、カジノ解禁法を統合型リゾート整備推進法と、共謀罪をテロ等準備罪と言い換えてきた。
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東京新聞2月9日

言葉を変えれば、実態が変わるとでも言うのだろうか。
言霊の作用を全否定するわけではないが、起きている事象の客観的な認識や表現は重要であろう。

情報の価値評価の軸は、質と希少性と言われる。
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質の高い情報と希少な情報 -価値ある情報の創り方

政府が大本営発表と同様の情報操作に走れば、それが自分の判断や行動を縛ることになるだろう。
自縄自縛である。
日本軍は次第に現実を無視した作戦が、現場に押し付けられていった。
神風が吹くと言われ、犬死のように多くの命が奪われたのだ。

稲田氏が頑なになればなる程、防衛省はかつての軍部に似てくるように思われる。
安倍首相の任命責任が問われよう。

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