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2017年1月 8日 (日)

見えないものを見る工夫/知的生産の方法(162)

去年横山大観の企画展を観た。
テーマは『横山大観 大気を描く』である。
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大気は目に見えない。
目に見えないものをどう描くか?

大観は大明治元年生まれ。
東京美術学校(現東京芸大)の第1期生として、岡倉天心、橋本雅邦らの教えを受けた。
絵具の濃淡で空気や光を表現する「朦朧体」という手法を創始し、国内では評価されなかったが、海外で高い評価を得た。
画家は見えないものを技法を工夫して表現する。

科学の世界では、胸の異常を検査するX線写真や脳の内部を見るMRI画像などが、見えないものを見る工夫として思い浮かぶ。
⇒2012年12月23日 (日):『脳のなかの水分子』とMRI/闘病記・中間報告(56)
脳卒中患者にとって、MRIは大きな助けである。

また、ニュートリノの研究においては、小柴昌俊さんの発明による「カミオカンデ」が可視化に貢献した。
⇒2015年11月 9日 (月):素粒子論の発展と日本人(6)/知的生産の方法(135)

ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士の緑色蛍光タンパク質も印象的が画像である。
オワンクラゲが持つ緑色蛍光タンパク質を発見したことにより、2008年にノーベル賞を受賞した。
Photo_2
ノーベル化学賞を受賞した「下村脩博士」

緑色蛍光たんぱく質が脚光を浴びたのはSTAP細胞の記者会見である。
理化学究所は、「STAP細胞論文はほぼ事実ではなかった」としたが、アメリカのハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院がSTAP細胞の特許を出願したという。特許請求の範囲は、「細胞にストレスを与えて多能性を生じるメカニズム」だという。
かなり広い範囲をカバーするものと言えよう。

小保方晴子氏の、実験ノート等は避難されても致し方ないと思うが、STAP現象そのものの評価は別であろう。
私が印象深かったのは、細胞の多能性を証明するために使った蛍光色素で発光させた写真である。
蛍光色素で標識したSTAP細胞をマウスの受精卵に導入し、子宮内に戻すと、生まれてきたキメラマウスには蛍光を発する細胞が全身の組織で見いだされた。
Stap
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/

現時点では、理研は研究リーダーの小保方氏の不正と認定したままである。
⇒2014年4月 3日 (木):STAP細胞論文の検証/知的生産の方法(85)
ES細胞のコンタミネーションがあったのであろうということのようだ。
ちなみに、米国の特許出願(14/397,080)については7月6日付で非最終拒絶(Non-Final Rejection)が出されていたという。
STAP細胞特許出願を米国特許庁が暫定拒絶

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