横浜市教育委員会の信じられない判断/日本の針路(321)
東京電力福島第1原発事故で、福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けていた。
⇒2016年11月17日 (木):原発避難者いじめは社会の反映/原発事故の真相(148)
男子生徒はいじめを受けていた小学5年の時、同級生から「賠償金をもらっているだろう」と言われ、同級生らの遊ぶ金として自宅から現金を持ち出して1回5万~10万円を渡しており、その総額は150万円にも上っていた。
この金銭問題について、横浜市教育委員会は「金銭要求をいじめと認定するのは困難」とした。
東京新聞1月21日
横浜市の第三者委員会が2016年11月にまとめた報告書では「金銭授受はいじめから逃れるためだった」と指摘しながらも「おごりおごられる関係で、いじめとは認定できない」と判断していた。
しかし、男子生徒は、「だれが出す?」「賠償金もらっているだろ?」とか「次のお金もよろしくな」などと言われ、今までにされてきたことも考え、威圧感を感じて、家からお金を持ち出してしまったという、と書いているのである。
誰が、どう考えたって、いじめそのものではないのか。
これをいじめと認めないとしたら、どういう事態をいじめというのか?
横浜市教育委員会の岡田優子教育長は「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」と述ているが、これでは「おごってもらったと言おうぜ」という抜け道を指南しているようなものではないか。
慄然とするような感覚である。
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