「日本3.0」(?)への対応/日本の針路(316)
安倍首相が年頭所感を発表した。
女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した人も、誰もが、その能力を発揮できる一億総活躍社会を創り上げ、日本経済の新たな成長軌道を描く。
激変する国際情勢の荒波の中にあって、積極的平和主義の旗をさらに高く掲げ、日本を、世界の真ん中で輝かせる。
安倍内閣総理大臣 平成29年 年頭所感
昨年は、相模原障害者施設における大量殺人や原発自主避難家族に対するいじめなど、弱者に対する迫害が深刻化した年であった。
これらの顕在化した事件は氷山の一角に過ぎない。
社会全体の風潮がそういう方向に進んでいるのだ。
「積極的平和主義」の美名の下に戦争の準備を進め、「日本を世界の真ん中で輝かせる」と客観的条件を無視して、自己陶酔する。
安倍首相の(スピーチライターの)言説には幼児性が際立つ。
未来志向がお好きな内閣であるが、そのためには歴史に学ぶ必要がある。
昭和は遠くなりにけり、であり、昭和を歴史として捉える時期になった。
近代日本は、明治維新から敗戦までの時代、敗戦から現在の時代を経て、第3の時代にシフトする。
近代の第3ステージ、「日本3.0」が始まる
1964年の東京五輪に始まる経済志向(思考)で過ごしてきた時代が終焉するのだ。
安倍政権が「未来志向」を口にするなら、このようなパラダイムシフトをベースに置くべきだろう。
「日本2.0」時代の政策が、「日本3.0」時代にはまったく有効性を失う。
2020年には東京五輪が開催されるが、「日本経済の新たな成長軌道を描く」と相変わらず経済成長を目標に掲げるのは、時代錯誤でしかないのだ。
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