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2016年12月14日 (水)

原発の事故対応コストを社会化するな/原発事故の真相(151)

経産省が2016年12月9日に示したところによると、福島原発事故のコストが21.5兆円になる。
1612132
東京新聞12月13日

にもかかわらず、世耕・経産大臣は、原発は安いとの発言を2016年12月7日におこなっている。

世耕経産大臣:「色んな費用を全部、含めたとしても発電単位あたりのコストは原発が一番、安いと考えている」
世耕大臣「原発コスト安い」強調…廃炉費用増加でも

いつまでこんなことを言っているのだろうか。
大島堅一立命館大学国際関係学部教授(環境経済学)の説明を見よう。

原発のコスト計算の方法には、1)実績コストを把握する方法と2)モデルプラントで計算する方法の2つがある。
2)の方法で計算した値は、政府のコスト検証ワーキンググループが2015年に試算したものが最新だ。ここでは、原発のコストを10.1円/kW時としている。おそらく世耕大臣は、この計算結果を言っているのだろうと思われる。
政府の計算には、いくつもの前提があって問題点もあるが、長くなるのでここでは詳しくは述べない。さしあたってこの計算方法の特徴を一言でいえば、想定や計算式で数値は変わってくる。
原発の実績コスト
これに対して、実績コストは、想定も何もないので誰が計算しても同じになる。過去の原発のパフォーマンスを知るのに最適だ。
では、原発の実績コストはどれくらいなのだろうか。
まず、発電コスト。これは、電気料金の原価をみれば把握することができる。データは、電力各社の有価証券報告書にある。また計算方法は、電気料金を算定する際にもちいる省令に書いてある。この2つをもちいて計算する方法は、室田武・同志社大学名誉教授が開発した。計算すると、8.5円になる。
次に、政策コスト。原発には、研究開発費や原発交付金といったものに国費が投入されている。つまり国民の税金だ。財政資料を丹念にひろうとこの費用も計算できる。これは1.7円。
最後に、事故コスト。これは経産省により21.5兆円という数値がでた。そこで、これまでの原発の発電量で割って単価を計算すると、2.9円となる。
つまり、原発のコスト=発電コスト+政策コスト+事故コストで、13.1円(kW時当たり)となる。
他の電源は
原発以外の電源も計算すると、火力は、発電コスト9.9円、政策コスト0.0円(値が小さいので四捨五入するとこうなる)で合計9.9円。
一般水力は、発電コスト3.86円、政策コスト0.05円で合計3.91(ほぼ3.9)円だ。
これらのコストも原発のコストと同じように計算できる。
計算結果のまとめ
以上をまとめると、原発(13.1円)>火力(9.9円)>水力(3.9円)。つまり、過去の実績(1970-2010年度)でみると、原発は安い、どころか、原発は最も経済性がない電源だったと言える。
それでも安いのなら電力会社が払うべき
原発は、政策コストと事故コストが大きい。これは、結局、ほとんどを国民が払っている。
「原発が安い」というのは何故か。それは、原発のコストを電力会社が全て負担しているわけではないからだ。
最終的に負担しているのは国民。つまり、電力会社にとっては安くても、国民にとっては高いのが原発、ということになる。
もし仮に、今でも原発が安いというのであれば、原発に対する国の支援を全て止めるべきだ。東京電力を含む電力会社は、事故コストを含む全てのコストを自分で払うべきだろう。それが資本主義のルールなのだ。
原発は高かった~実績でみた原発のコスト~

科学は基本的に倫理によっている。
原発は、科学の精華であるといっても良い。
しかし、(自民党の)政治家は、原発になると、とたんに非論理的である。
社会的費用を内部化しないで、「安い、安い」と言うのは、1960年代の公害と同じ構造である。
半世紀以上、自民党のアタマは停滞したままのようだ。

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