オスプレイ事故と根拠ない安全主張/永続敗戦の構造(7)
起こるべくして起きた事故と言えよう。
沖縄県名護市沖で米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが「不時着」した。
米側は「コントロールを失った状況でなく自発的に着水した」と墜落の可能性を否定するが、大破した姿を見れば、墜落に限りなく近いだろう。
米海兵隊は報道発表文で「キャンプシュワブ沿岸の浅瀬に着水した」と発表し、防衛省も広報文で「不時着水」との表現を使っている。しかし現場の海岸浅瀬に横たわっている事故機をみると、真っ二つに機体が折れて大破し、回転翼も飛び散って原形をとどめていない。制御不能で墜落したとしか考えられない状態だ。米軍準機関紙「星条旗」は今回の事故を「墜落(クラッシュ)」と報じ、琉球新報も紙面では当初から事故を「墜落」と報じている。
これが不時着? 機体真っ二つ 沖縄名護東沿岸のオスプレイ事故
オスプレイは、米国本土やアフガニスタン、ハワイなどでは墜落、不時着事故が相次いでいる。
安全性と効率性は、一般論として、トレードオフの関係と言えよう。
軍用が効率優先になるのは分からないでもないが、十分な安全性が確保できないものを、生活圏の中でオペレーションするというのは狂気の沙汰である。
東京新聞12月15日
現場は米側が規制線を張り、機動隊は米軍の意向に沿って立ち入りを制限する。
絵に描いたような「永続敗戦の姿」である。
取材しようとする記者たちもそれに阻まれている。
オスプレイは、沖縄だけの問題ではない。
東京新聞12月15日
安全性を強調してきた政府の信頼性が失墜した。
今こそ、アメリカとの軍事同盟のあり方を再検討すべきではないだろうか。
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