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2016年11月 5日 (土)

TPPは強行採決ではないのか/日本の針路(305)

安倍晋三首相は、10月17日の国会で、「我が党においては(1955年の)結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と言った。
山本有二農水相が「TPPは強行採決する」などと発言したことに対し、野党が追及を強めていることに関しての言葉である。
山本氏は発言を撤回し陳謝したが、どちらが本心かは、その後の経緯でも明らかである。
⇒2016年11月 2日 (水):政権はなぜTPPの承認を急ぐのか/永続敗戦の構造(6)

安倍首相の舌はどういう構造になっているのだろうか?
舌の根がまだ乾いていない2週間後の11月4日に、TPPの承認と関連法案の委員会での採決を強行した。
1611052
東京新聞11月5日

TPPについては徹底して情報が秘匿されてきた。
4月5日に、衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会の理事懇談会で示された甘利明前経済再生担当相と米国のフロマン通商代表による閣僚協議などTPP関連文書は、表題を除いて黒く塗りつぶされていた。
⇒2016年4月 8日 (金):秘密のヴェールに包まれたTPPと甘利前大臣/アベノポリシーの危うさ(50)
⇒2016年4月10日 (日):TPPで何が決まったのか?/アベノポリシーの危うさ(51)
その甘利氏は、金銭疑惑の渦中に睡眠障害を理由に国会を欠席し、ほとぼりが冷めるのを待って政治活動に復帰した。
しかし詳細な内容については未だに開示されていない。

民進、共産、自由、社民の野党4党は、農相不信任決議案の提出を検討しているというが、任命責任の問題である。
安倍内閣によって日本は完全に戦前に戻った。
船戸与一氏の文字通りの畢生の大作『満州国演義』の第1巻『風の払暁』新潮文庫(2015年8月)の「解説」で、馳星周氏は次のように書いている。

『満州国演義端』の前半は、太平洋戦争に突入する前の日本を描いて、その様相は現在の日本とあまりに酷似している。
 理性ではなく情緒に流れる世論。声の大きいものの意見がまかり通り、目的のためには手段を選ばずという輩が跋扈する。
 在特会やネトウヨといった声のでかい反知性主義者が大きな顔をし、目的達成のためのためには数の力に頼って憲法解釈を無理矢理変えて恥じることのない安倍政権。
 まるで双子を見ているかのようではないか。
 七十数年前の情緒に支配された日本は破滅へとひた走った。現代の日本はどこに向かおうとしているのだろう。
 小説家とは予言者でもある。
 船戸のおっちゃんは、安倍晋三が返り咲くとはだれも思っていない時期に、二十一世紀の日本が、戦前と同じ空気に侵されていくなどとは誰も考えていなかった時期にこの小説を書きはじめた。

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