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2016年11月29日 (火)

非合理な制度設計は受容されない/日本の針路(309)

東京電力福島第1原発の事故炉の処分費用、廃炉費用が当初の想定以上に膨れ上がり、積立金の不足見込まれる。
そのため、政府は原発の廃炉費用を、電力小売りの全面自由化で新規参入した電力会社(新電力)に負担させる方針ことを考えた。
⇒2016年10月 6日 (木):電力自由化と廃炉費用の負担/技術論と文明論(75)

ところが、世論や有識者の反発などから断念し、東電の経営努力で捻出した資金を廃炉費用として積み立てることで対応することにしたらしい。
当然であろう。
原発非依存の新電力にとっては、まったく納得できない政策だからである。

ソフトバンクグループの孫正義社長は次のように批判していた。

考え方は根底からおかしいのではないかと思う。古い業界を守るために過去の遺産を新しいところに押し付けることを意味していて、新しく伸びるべき分野の芽を摘んでしまうのではないかと危惧する。 
孫社長「根底からおかしい」 原発廃炉費用負担で   

福島原発事故関連費用は、現在、以下のように推定されている。
Ws000000
福島第1原発事故 廃炉費、新電力除外 賠償費は上乗せ 経産省

制度設計の基本は、不合理を正し、合理へ誘導すべきである。
原因者負担、受益者負担等の原則に照らし、合理的な費用負担のあり方を検討すべきではないか。
安倍政権は、あえて非合理な制度を考えているように思える。

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