« 核禁止条約に反対する日本政府/永続敗戦の構造(5) | トップページ | 政権はなぜTPPの承認を急ぐのか/永続敗戦の構造(6) »

2016年11月 1日 (火)

陸上自衛隊の新エンブレム/日本の針路(302)

陸上自衛隊が記念品などに使うために作った新しいエンブレムが物議を醸している。
Photo
エンブレムについて

陸上自衛隊は、以下のように説明している。

 我が国の平和と独立を守るという陸上自衛隊の使命を踏まえ、上段に日の丸を、下段に陸上自衛隊を象徴するモチーフとして従来から制服等に装飾している桜星を配置するとともに、古来より武人の象徴とされてきた日本刀を中央に配置して、その「刃」に強靭さ、「鞘」に平和を愛する心を表現しました。
  刃と鞘にかかる帯には、陸上自衛隊の前身である警察予備隊の創隊時期を記して創隊以来の伝統を表現するとともに、奥に刃、手前に鞘、帯を配置することで、陸上自衛隊が「国土防衛の最後の砦」であること、そして、国家危急の時に初めて戦う意思を表現しました。
  陸自(桜星)が前進する姿を国鳥である雉(きじ)の翼(羽の枚数は都道府県数と同じ47)でイメージ化しました。また、「焼け野の雉、夜の鶴」という諺は、「巣を営んでいる野を焼かれた雉子が自分の身を忘れて子を救う」(広辞苑)という意味ですが、それらは、事に臨んでは危険を顧みず我が国の防衛にあたる陸上自衛官に通じるものがあると感じています。
  縁取りは、陸上自衛隊をイメージする緑を基調として、その上に白字で「日本国陸上自衛隊」の文字を漢字と英語で併記しました。
エンブレムについて

何とも違和感のあるデザインだ。
デザイン的な観点から、次のような指摘がある。

1:日本刀(抜刀)が描かれていること
これは、「描かれている」という浅い意味あいではアニメや時代劇でも同じことかなと。引っかかるのはこれが「陸上自衛隊のエンブレム」に描かれているというただ1点。伝統・文化としての日本刀の存在意義ももちろんあるとは思うが、これが鞘から抜かれた状態だからさぁ大変。
これが単純に「恐さ」に直結してるんじゃないかな。
単純に時代劇の話であれば、城下町をあるくお侍さんが鞘に刀を収めた状態で歩いている。これにはおおよそ大衆は驚くことはないけど。
では、刀を抜いた状態で、しかも鞘とクロスさせながら歩いたらどうだろう。これはお侍であっても、町民は「おや!?なにごとだ?」となるはず。
人は無意識に刃物=切れるものをつつみ隠さずに手に持ち歩くことは、少なからず「危険」を感じる生き物だと思うので、この刃物から連想させる危険なイメージが、背景やそれを掲げる組織イメージと相まって、恐さにつながっているんじゃなかろうか。
・・・・・・
2:刀と鞘がクロスする構図
これはよくエンブレムで見られる構図。交差する中心を中央にもってくることで、不安定な図案もほどよく安定する。いろんなところで見られるデザイン上の処理だ。これがクロスする意味、つまり交わる、乗算、関わりあう、コラボレーションなど、意味や意図も比較的容易に想像できる。
今回のエンブレムにおいては、いくら自分の刀と鞘とはいえ、単純に「刀を交えている」=交戦を連想させやすい。軍旗やエンブレムにおいてこの構図で武器をクロスさせる表現は珍しいものではないんだろうけど
陸上自衛隊のエンブレムについてデザイナーが思うこと

当然、かつての日本軍を思い起こさせるとして、「アジア諸国への配慮が足りないのでは」との見方もある。

 これに対し「国内のみならず海外でも大きな反発を引き起こす」と主張し、エンブレム撤回を求める活動を始めた人もいる。埼玉県ときがわ町の市民団体代表世話人、篠原陽子さん(66)は6月、オンライン署名サイト「Change.org」で署名集めを開始。約3週間で2万2千人以上の署名が集まった。「軍刀は帝国日本軍の略奪や脅迫を思い起こさせるシンボル。自衛隊のエンブレムにふさわしいとは思えない」
 民主党政権時に観光庁の事業につくエンブレムの監修に関わった劇作家、平田オリザさんは「アジアの人がどう考えるかといった調査をしたのだろうか」と疑問視する。観光庁のエンブレムについては事前に、日の丸入りのデザインへの反応を探るため、在外公館を通じて中国や韓国の反応を探ったという。
 デザインの観点からの苦言も。2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムの白紙撤回後、仕切り直しのエンブレム委員会で委員を務めた柏木博・武蔵野美術大教授は「刀の細さ、翼の大きさなど、すべての要素がコントロールされていない。すっきりしないデザインで、アナクロな感じがする」。美術評論家で多摩美術大教授の椹木野衣さんも「刀剣を記号化せず、具象的に扱っており、現代のデザインとして洗練されているとは言い難い」と厳しい。
(ニュースQ3)陸自エンブレムに日本刀、なぜ?

今までは、自衛官募集などのため下図のようなシンボルマークが使われていた。
Ws000000

まあ、率直に言えば、訴求性に欠ける。
自衛隊はデザインオリエンテッドではないのだろうか?

|

« 核禁止条約に反対する日本政府/永続敗戦の構造(5) | トップページ | 政権はなぜTPPの承認を急ぐのか/永続敗戦の構造(6) »

ニュース」カテゴリの記事

日本の針路」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/395349/68107815

この記事へのトラックバック一覧です: 陸上自衛隊の新エンブレム/日本の針路(302):

« 核禁止条約に反対する日本政府/永続敗戦の構造(5) | トップページ | 政権はなぜTPPの承認を急ぐのか/永続敗戦の構造(6) »