福島原発事故の汚染水対策を急げ/原発事故の真相(149)
今払暁、福島県沖でかなり大きい地震があった。
22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、福島、茨城、栃木3県で震度5弱、北海道から中国地方までの広い範囲で震度4~1を観測した。津波警報や注意報が青森県から千葉県にかけての太平洋岸と伊豆諸島に出され、沿岸部の住民らが避難。同8時3分に仙台市の仙台港で最大1.4メートルの津波を観測した。気象庁によると、震源地は福島県いわき市の東北東沖約70キロで、深さは約25キロ。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.4と推定される。
福島震度5弱 仙台津波1.4m 「東日本」以降最大
いやでも東日本大震災のことが頭を過る。
関係はどう考えられるか?
気象庁の中村浩二・地震情報企画官は記者会見で、「東日本大震災以後、陸側のプレートが東側に伸ばされる形で動いている影響で、福島県沖や茨城県沖などの地域では正断層型の地震が増加する傾向にある」と指摘。「大震災の1カ月後に発生した福島県浜通りの地震(M7.0)と同じタイプ」と説明した。
今回の津波について、安倍祥(よし)・東北大災害科学国際研究所助手(津波工学)は「震源が浅く、地震の規模も大きかったため津波が高くなった」と話した。政府の地震調査委員会委員長を務める平田直・東京大教授は「今後も同規模の地震が起こる可能性もある。地震や津波に十分な警戒を続けてほしい」と呼びかける。
福島震度5弱 震源浅い正断層型
幸いにして大きな被害は出なかったようであるが、肝を冷やした人も多かったのではなかろうか。
福島第二原発の使用済み核燃料プールの冷却装置が自動停止した。
原子力規制庁によると、午前6時10分ごろ、福島第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が自動停止し、核燃料を冷やす水の循環ができない状態となった。
3号機の使用済み核燃料プールには2544本の核燃料が貯蔵されており、うち184本が新燃料。停止当時のプールの水温は28.7度で、1時間に0.2度ずつ上がると予想され、運転上の制限値である65度に達するまでには1週間程度の余裕があった。
核燃料の発熱量が少なかったため、すぐさま危険な状態には至らなかったが、午前7時47分に冷却用のポンプが再起動し、冷却が再開されるまで実に1時間半にわたって現場には緊張が走った。
早朝の列島に悪夢再び…福島第2核燃料冷却装置が一時停止
安倍首相が東京五輪招致のプレゼンで、汚染水はコントロールされていると世界に発信してから2年半が経つ。
⇒2014年5月17日 (土):汚染水は完全にブロックされている?/原発事故の真相(113)
しかし汚染水は外洋に垂れ流されているのである。
⇒2015年2月26日 (木):汚染水はコントロールされていない/原発事故の真相(128)
東京電力が、21日に福島第一原発1~4号機の周囲に造られた凍土遮水壁の地中の様子を報道陣に公開したばかりである。
東京新聞11月22日
凍土壁の運用開始から8カ月経つが、効果は疑問である。
ケーブルや配管を収納する地下トンネルによって凍結管が貫通できず、その部分が凍結できないため、汚染水が抜けるのだ。
建屋への地下水流入は下図のようである。
東京新聞11月22日
東電は山側の凍結を増やすと言うが、効果は限定的であろう。
今朝の地震では被害が出なくても、いつもそうとは限らない。
一刻も早く汚染水を止めるべく、事故を収束させる対策を優先させるべきである。
見せられた地点の土は確かに凍っていた。しかし、凍結が進むにつれ、減っていくはずの建屋地下への地下水の流入は一向に減らない。運用開始から八カ月、三百四十五億円の税金を投じた対策の効果は表れていない。
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