高齢者の自動車事故にどう対応するか/日本の針路(308)
高齢者の自動車事故が続いている。
東京都立川市の病院敷地内で12日昼、乗用車が突然暴走し、2人の命が奪われた。
立川署には亡くなった2人の家族らが駆けつけた。「まだ40歳手前なのに本当に悔しい」。安和(あわ)竜洋さん(39)の義理の父親(66)は声を詰まらせ、「少しこわもてだけど優しくて思いやりがあった。旅行に行くといつもおみやげを買ってきてくれた。涙が止まらない」と話した。安和さんが勤務する会社の社長(46)は「彼は役員でうちの仕事の要。惜しい人を亡くしてしまった」と語った。
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一方、事故を起こした乗用車を運転していた上江洲(うえず)幸子さん(83)は、夫が8月から入院し、ほぼ毎日、見舞いのために車で病院へ通っていた。近くに住む女性(75)によると、夫は高熱が続いて肺炎になり「ここ2、3日が山」と言われていたという。「1人で面倒を見て、疲労がたまっていたんだと思う。11日は徹夜で看病し、『ゆうべは大変だった。お父さんの冬支度を取りに来た』と話していた」と振り返り、ショックを隠せない様子だった。
「本当に悔しい」遺族悲しみに暮れる 立川の車暴走
高齢者の自動車運転事故の例は次のようである。
高齢者運転事故 相次ぐ 04年以降、毎年400件超
10月の横浜市港南区の事故は、87歳の男が運転する軽トラックが児童の列に突っ込み、小学1年の男児を死亡させた。
神奈川県警によると、男は「どうやってぶつかったか覚えていない」と話したという。
一晩中運転していて、その記憶が明確でないともいう。
素人診断でも、明らかに認知症である。
運転を辞めさせる家族はいなかったのだろうか。
亡くなった小学生も余りに無残だし、遺族が怒りをぶつけようにも、責任能力があるのかどうか分からない。
警察庁は認知症に重点を置いた対策も進めている。現行では、75歳以上の免許更新時に認知機能検査を行い、「認知症の恐れがある」(1分類)▽「認知機能低下の恐れがある」(2分類)▽「低下の恐れがない」(3分類)に分ける制度を実施。1分類のドライバーが交通違反をすると医師の診断を受けさせ、認知症と診断されると免許を取り消す。
しかし1分類でも交通違反がなければ免許取り消しがないうえ、2、3分類については違反をしても次の免許更新時まで認知症検査を受けることがないという点に、チェック体制の「甘さ」があると指摘されている。このため来年3月施行の改正道交法では、1分類であれば交通違反がなくても医師の診断を求め、2、3分類についても交通違反があれば診断を義務づけるという内容に制度を変えた。
高齢者運転事故 相次ぐ 04年以降、毎年400件超
認知症のテストは、身の回りの受験者には余り評判が良くない。
しかし、「クルマは凶器になり得る」という原点に戻って厳しいチェックが必要だろう。
免許証に、高速道路除外とか、自動停止装置付き限定などの制限を設けることが必要なのかも知れない。
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