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2016年11月16日 (水)

南スーダンPKOの新任務/アベノポリシーの危うさ(105)

船戸与一氏の畢生の大作『満州国演義』は、満州事変から第二次世界大戦終結まで、架空の人物、敷島四兄弟を中心に、それぞれの視点から満州国の興亡を描いた歴史小説である。
7500枚の大作で、現在読んでいる最中であって読了していないが、満州国という現代日本にも影響を残している「幻の国」の歴史小説が、近未来の出来事を描いているかのような錯覚に陥りそうである。
⇒2016年11月 5日 (土):TPPは強行採決ではないのか/日本の針路(305)

15日、南スーダンPKOの陸上自衛隊への新任務「駆け付け警護」が閣議決定された。
Pko1611162
東京新聞11月16日

政府は南スーダンの現状を「落ち着いている」と説明している。
稲田防衛相は、13日のNHK日曜討論で、「反政府勢力のマシャール前副大統領は海外にいて、現在、南スーダン国内では、国家組織に準じたような系統だった反政府勢力は存在しない」と発言していた。
しかし今や、南スーダンは内戦状態と言ってもよく、政府軍の方が国連側の“敵”のようであると言われる。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏が言う。
「南スーダン政府の中には、UNMISSが反政府勢力を支援しているとみている人もいて、疑心暗鬼です。妨害行為はその表れ。7月にジュバで起きた“大規模衝突”の際、政府軍とUNMISSのPKO部隊との間で、一時交戦があったと南スーダンのルエス情報相が認めています」
 一方、反政府勢力も大将は海外でも、戦車や機関砲を持った強い実力組織は残っている。つまり、南スーダンには敵か味方か不明な武装勢力だらけで、自衛隊が救援要請を受けて駆け付けても、どの勢力から襲われているか行ってみないと分からない状況なのだ。すでに中国やケニアなどは救援要請をネグレクトするケースが出てきている。
「司令官を解任されたケニアは、国連の問題すり替えだと怒って撤退を決めました。そういう中、駆け付け警護の新任務を付与された自衛隊が出発するのです。現地で活動を始めるのは12月。救援要請をいきなりネグレクトはできないでしょう。市民を襲っていたのが政府軍なら、南スーダンとの交戦になります」(世良光弘氏)
国連文書が暗示 自衛隊と南スーダン政府軍“交戦”の現実味

既成事実の積み重ねが引き返し不能な事態に至る。
満州事変の鮮やかな軍事的成功が、手痛い政治的敗北を導いたのだ。
『満州国演義』の第三巻『群狼の舞』新潮文庫(2015年9月)に次のような文章がある。

あの若僧は陸士を卒業してすぐに関東軍として渡満して来たんだろうよ。それも熱河侵攻とか東北抗日義勇軍殲滅とかの派手な作戦に従事しているわけじゃねぇ。・・・・・・戦闘経験のねえ軍人ほど始末に悪いものはねえ。おれは確信してる。あの若僧は戦果を挙げたくてうずうずしてるとな。

表現を借りれば、戦争体験のない若い政治家が、好戦的になるほど始末に悪いものはない、と言えるかも知れない。

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