アベノミクスの効果と影響/アベノポリシーの危うさ(100)
一般に、何か目的を持って行った場合、その目的に沿った結果と、そうではない結果が生ずる。
例えば、三島駅北口の東レ工場は三島市が誘致に積極的で、東レの三島進出に対して数々の特典を与えたという経緯がある。
東レの生産量増大に対応して揚水量も増えていったが、それが原因で三島市内の湧水は減少した。
しかも東レからの税収は、長泉町が圧倒的に多く、三島市は他の事業者に比べても小額であったし、従業員の現地採用も、事前の説明と比べるとはるかに少なく、東レの従業員の多くが北陸や東北の出身者であった。
結果的に、東レ誘致の経済効果は、負担に比べて小さなものと評価せざるを得ないものであった。
⇒2009年7月29日 (水):湧水量の減少の原因と影響
アベノミクスと称する経済政策の効果と影響はどうだろうか?
黒田日銀総裁が拘るように、デフレスパイラルからの脱出として良いであろう。
東京新聞10月10日
つまりデフレ脱却で企業が儲けるようになれば、給料が上がり消費も良くなるハズであった。
企業の儲けが先であることを批判されるのを予防するため、トリクルダウンということが盛んに言われ、耳慣れなかったこの言葉が、2014年の流行語大賞にノミネートされる程だった。
⇒2016年6月11日 (土):トリクルダウンの幻/アベノポリシーの危うさ(79)
ところが格差拡大が経済成長にマイナスだという認識が広まると、トリクルダウンという言葉を使わなくなった。
「トリクルダウンがまだ弱い」と言っていたのが、「アベノミクスは道半ば」に置き換わって、アベノミクスのエンジンをさらに吹かすと主張している。
⇒016年8月30日 (火):いつまでも「道半ば」の経済政策/アベノポリシーの危うさ(95)
しかし物価上昇を目指したアベノミクスの失敗は明らかである。
⇒2016年10月 1日 (土):低迷する消費と経済政策/アベノポリシーの危うさ(98)
可処分所得が減少している中で、消費意欲は減退する一方である。
東京新聞10月10日
物価を上げることを目的とせず、可処分所得の上昇を目的とすべきだろう。
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