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2016年10月 8日 (土)

「もんじゅ」廃炉と核燃料サイクル/技術論と文明論(76)

やっと廃炉の方向性が決まった「もんじゅ」に目くらましの可能性があると指摘されている。
政府は「もんじゅ」は廃炉にしても核燃サイクルの開発は続けるという。
⇒2016年9月23日 (金):破綻しているのは「もんじゅ」and/or「核燃料サイクル」/技術論と文明論(70)

「もんじゅ」を廃炉にして、核燃料サイクル」は続けるという意味をどう考えるか?

「もんじゅ」の廃炉で、いかにも重大な政治決断をしたように見せかけ、その実、「核燃サイクル」にかける予算や人員は減らさないということではないか。いつものように目くらましでごまかされないよう、政府の真の意図をさぐっておかねばならない。
いまさらいうまでもなく、原子力発電の最大の矛盾は、いつまでも放射能を出し続ける使用済み核燃料の処分方法が確立されていないことだ。
いずれ、科学技術の力で克服できると踏んで、とりあえずスタートさせたものの、最終的に地中深く埋めておく処分場が、候補地の反対でいっこうに見つからず、使用済み核燃料は各原子力発電所のプールに貯まり続けている。
この状況を打開し、ウラン資源を持たない弱みを解消するための、一石二鳥プランとして浮上し、事業化したのが「核燃料サイクル」である。
使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して再び使うというサイクル計画。そこには、自力で核兵器をつくる技術的な能力を持っていたいという政府の思惑もある。
それを承知のうえ、米国が原子力協定を結んで非核保有国である日本に再処理を認めたのは、思うがままコントロールできる、いわば「属国」という双方暗黙の前提があるからだ。
この事業計画のかなめとなるのが高速増殖炉「もんじゅ」だったが、トラブル続きで36年経っても実用化できなかった。1兆円もの巨費を垂れ流し、多くの職員やファミリー企業の雇用を維持するだけの存在となっていた。
民主党政権下の平成24年9月には、「革新的エネルギー・環境戦略」なる文書のなかで、「研究を終了する」という目標が打ち出された。「もんじゅ」廃炉のチャンスだったが、しょせん目標は目標にすぎなかった。
そして、自公に政権が移ったあと、原子力ムラの勢いが復活し、2013年12月、政府はエネルギー基本計画を作成して、民主党政権が決めた「原発ゼロ」方針を撤回、「もんじゅ」に関しては「研究終了」から「実施体制を再整備する」に転換した。
だがそれには無理があった。「もんじゅ」は、実施体制の再整備どころか、まったく稼働のめどが立たない。年200億円をこえる国費は人件費を中心とする維持管理費に消え、開発の進展にはつながらない。
もんじゅ廃炉の裏に、新たな「天下り利権」死守の目くらまし疑惑

はたして、「もんじゅ」をなくして、「核燃サイクル」が成り立つのか?
「もんじゅ」は廃炉にするが、「高速炉」の研究は続けるという理屈は成り立つのか?

核燃料サイクルは以下のような図で説明されている。
Photo
核燃料サイクル(原子燃料サイクル)とは

高速増殖炉を動かすから、青森県は全国の原発から出る「使用済み核燃料」を引き受けてきたのです。高速増殖炉を動かさないのならプルトニウムは必要なくなり、使用済み核燃料はゴミとなってしまいます。そのばあいは今あるゴミは全て各電力会社へ持って帰ってもらうという約束を国と交わしているのです。だから国も電力会社も「核燃料サイクル計画」をやめるとは口が裂けても言えないのです。
高速増殖炉「もんじゅ」廃炉は「核燃料サイクル計画」というウソ崩壊の序章

「もんじゅ」が止まれば、その燃料を作り出す「核燃料サイクル計画」を続ける意味がない。
「核燃料サイクル」をやめたら、使用済み核燃料は電力会社へ返還されるので、原発の運転ができなくなる。
もはや原発政策は全般的に破綻しているのだ。
⇒2016年10月 2日 (日):八方塞がりの原発政策は転換すべき/技術論と文明論(74)

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