泉田知事の出馬撤退と柏崎刈羽原発再稼働/技術論と文明論(63)
新潟県の泉田裕彦知事が、30日、知事選への出馬を取りやめると文書で発表した。
地元紙の「新潟日報」が、県政をめぐり「憶測記事や事実に反する報道」を続けたことから「十分に訴えを届けることは難しい」と判断したという。
もともと新潟日報は、3期12年に及ぶ泉田県政に「市町村長との意思疎通が不十分」「多選の弊害がある」と批判的だった。発行部数46万部で新潟県内シェア67%。出資企業のトラブル報道で、泉田知事が「事実と異なる部分が含まれる」と逐一抗議し、それを県公式サイトにアップする対応に追われたのも、同紙の新潟における影響力の裏返しだった。
「このような環境では訴えを届けるのは難しい」。泉田知事は8月30日に突如発表したコメントで、批判報道が続くことを不出馬の理由に挙げた。だが、県議会には「4選に不安が出てきたことも一因ではないか」と冷ややかな見方もある。
泉田知事は今年2月にいち早く出馬を表明していた。前回の2012年は共産党を除く各党推薦のオール与党で圧勝したが、今回は自民党内にも「知事は独善的」と4選反対論が一部にあり、同党は推薦するか態度を保留した。
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泉田知事は同県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について「福島第1原発事故の検証・総括なしに議論できない」と慎重姿勢を貫いていることで知られ、不出馬のコメントでも同紙の原発報道にまで触れて「東電の広告は今年5回載ったが、住民避難等生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はない」と批判するほどだ。
出馬撤回知事と地元紙・新潟日報の対立 その訳は
泉田知事の東京電力柏崎刈羽原発の再稼働についての慎重姿勢は、県民の生活に責任を持つものとして評価してきた。
今回の立候補取りやめに、どんなウラがあるのだろうか。
規制委は避難計画は評価の対象とせず、知事を含め自治体には、再稼働自体に関する権限はない。
佐田岬の付け根にあって、半島の住民は事故時の避難が困難であることが予想される伊方原発も再稼働した。
原発なしでも今年の猛暑は電力は足りていた。
原発稼働に拘る理路が分からない。
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コメント
大きな設備を運転した経験あるか?動かすための知識や経験は、停めるための知識であり、廃止するための知識でもあるんだよ。それを途絶えさせないために、常にどこかは動かしておく必要があるんだよ。誰も原発の運転のやり方わからない状態になってから、どうやってお前の望むような廃炉の作業するんだ?「技術論」(笑)の基本中の基本を勉強しなさい。
投稿: | 2016年9月 4日 (日) 09時44分
ですね。いづれにしても、クソ素人がオピニオン誌ごっこ、ママゴトでモノを言うにしても、もうちょっときちんと勉強というか、取材すべきだよねこの人。
投稿: | 2016年9月 4日 (日) 12時20分