三内丸山遺跡の消失と列島合体/技術論と文明論(68)
米田良三『列島合体から倭国を論ず―地震論から吉野ケ里論へ』新泉社(1998年8月)では、遺跡の消失が巨大地震によるとしている。
約4000年前に、東北日本と西南日本が合体するような地殻変動があり、直径1mの柱が折れるような地震があった。
クリ柱は地下2mのところで、破断しており、底面はさらに45cm深い。
柱穴は柱より太い中子(なかご)を立て、その回りに土を叩き固める「版築」という技法が用いられた。
中子は最後に外される。
法隆寺の心柱と同じである。
三内丸山のクリ柱の破断面は、大きな力による剪断破壊であることを示している。
旧石器時代日本群島、朝鮮半島、樺太などは太平洋の中にあった。
群島は太平洋プレートにのって西進し、ユーラシア大陸にぶつかる。
西日本はほぼ現在の地図に近い姿であったが、東日本は島の集合であった。
プレートの境界が、樺太と大陸の間を通り、フォッサマグナ部分から、南海トラフ、琉球海溝へと繋がっていた。
西日本と東日本の間は、東のプレートが潜り込む形で海峡化し、海峡のところどころに熱水が沸き出す。
『書経』に「暘谷」と記される海峡である。
太平洋プレートを押す力が中部山岳を高め、関東平野を海の中から押し上げる。
そして4000年前に東と西が合体し、海峡が消滅する。
黒潮が日本海に入らなくなり、雪国が誕生する。
交通路も消滅し、三内丸山遺跡は放棄された。
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