誕生日の雑感
天皇陛下が、象徴としての務めに関するお気持ちをビデオメッセージで表明された。
保阪正康氏は、「現代の玉音放送」と語っていたが、確かに天皇自身の思いが強く滲んだものであった。
「天皇は国政に関する権能を有しない」との憲法の規定からも、制度に関わる具体的な文言は避けられ、同時に現行の憲法を遵守するという強い姿勢の表れが感じられるものでもあった。
生前退位の制度上の問題はこれからしかるべき形で検討されるであろうが、憲法に規定されている象徴天皇のあり方を真摯に追求されていることが伝わってきた。
今日は私の誕生日であるが、この日に玉音放送がされるということも感慨深い。
8月はお盆と敗戦の日があって、否応なしに来し方行く末を意識させられる。
今年は特に7月に、親しい人との永訣が続いた。
2人とも私より幾分か若年であり、必然的に自分の「死」も考えざるを得ない。
また、永六輔、大橋巨泉など、電波時代を牽引してきた才人たちが相次いで亡くなったことも時代の変わり目を感じさせる。
今日で満72歳になるが、親しい同級生も2割くらいは亡くなった。
この間まで、話をしていた人が、もうこの世の人ではないというのは不思議というか受容し難い気がするが、生あるものは死すということである。
私自身は脳梗塞の発症から6年半ほどが過ぎた。
幸いにして今のところ再発せず、後遺症はほぼ症状固定しているが、少しずつではあるが改善していることも自覚できる。
特に顕著なのは歩容である。
麻痺足が外を回るようにしか出せなかったものが、だいぶ真っ直ぐ前に出せるようになってきた。
もちろん、上肢は依然として不自由であり、見れば脳梗塞患者であることは直ぐ分かる。
ADL(日常生活活動)は辛うじてではあるが、自立でできる。
昨日まで、同世代のグループで3泊4日の旅行をしてきた。
発症後の最長記録である。
日常的には使用していない杖を持って出かけたが、やはり杖があった方が身体の負担は軽減される。
その一方、健常側の手を杖で占有されるので、不便なことも多い。
不自由であることは当然であるが、まあ良しと考えるしかないだろう。
日本人の寿命は依然として延伸している。
二〇一五年の日本人の平均寿命は女性八七・〇五歳、男性八〇・七九歳で、いずれも過去最高を更新したことが、厚生労働省が公表した簡易生命表で分かった。女性は一四年まで三年連続で長寿世界一だったが、一五年は香港(八七・三二歳)に次ぎ世界二位となった。男性は前年の三位から四位に下がった。一四年に比べ女性は〇・二二歳、男性は〇・二九歳延びた。
日本人の平均寿命が過去最高を更新 女性は世界2位に
世界一は譲っても、寿命が延伸している事実に変わりはない。
7月に亡くなった2人は共に女性で、死因はガンである。
もし、ガン検診で早期に発見できていれば、事態は変わっていたかも知れない。
60歳代後半と70歳であり、平均寿命が87歳から見るとやはり「未だ・・・」と思わざるを得ない。
日本人の年代別死因は下図のようである。
男女年齢別死因
70歳前後はやはり悪性新生物(ガン)が50%程度である。
残りの生がどれ位かは神のみぞ知るであろうが、今更ではあるにしても悔いなきようにしたいとは思う。
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