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2016年8月19日 (金)

甘利不起訴問題と法務省人事/日本の針路(289)

あっせん利得処罰法違反容疑などで告発され、東京地検が不起訴とした甘利明・元経済再生担当相と元秘書2人について、東京第4検察審査会は、甘利氏について「不起訴相当」とし、元秘書2人については「不起訴不当」と議決した。
甘利氏は8月1日、約半年ぶりに国会に姿をあらわし、本会議場で安倍首相とにこやかにあいさつを交わしたうえで、「私の件は決着した」などと述べた。

 甘利氏は、1月末の辞任直後から「睡眠障害」の療養を理由に、半年余り国会を欠席していた。その間、東京地検は甘利氏と元秘書2人について、あっせん利得処罰法違反の罪などでの不起訴処分を決定。検察審査会は元秘書2人への再捜査を求める「不起訴不当」を議決したが、甘利氏については「不起訴相当」とし不起訴が確定した。
 甘利氏は1日、「本当に寝耳に水の事件で、青天のへきれき」と振り返った。その上で「ずっと申し上げてきた事実関係が理解されたものだと思うが、築いてきた信用は落としてしまった。今まで以上に国民のためにできることをやりたい」と話した。弁護士に依頼した元秘書2人らに関する調査は検察の再捜査後に報告書をまとめる予定だという。
甘利氏「私の件は決着した」 閣僚辞任後初めて国会登院

まったく不可解な決着であるが、この裏で、法務省の黒川弘官房長が事務次官に昇格するという人事があった。

Photo 黒川新事務次官は、甘利明前経済再生担当相の口利きワイロ事件の際、野党から事件をを握りつぶした“黒幕”として名前があがった人物だ。民進党のプロジェクトチームが法務官僚を呼んでヒアリングをした際、「黒川さん、その辺りのラインですべてを決めているんじゃないか」と名指しされたことがある。果たして、この人事は法を歪めて政権に協力した論功行賞なのか。
 この人事発表の翌16日には、東京地検特捜部が甘利氏の元秘書2人を再び不起訴処分(嫌疑不十分)とすることを発表。あまりに絶妙過ぎるタイミングである。特捜部は「総合的に判断して(あっせん利得処罰法の)構成要件に当たらない」と説明しているが、元秘書2人は約1300万円ものワイロを受け取り、甘利氏本人も大臣室で50万円の現金をもらっている。これが犯罪でなくて何だというのだ。
甘利ワイロ事件 握りつぶした“黒幕”が事務次官昇格の仰天

特捜部は同法の構成要件である「国会議員の権限に基づく影響力の行使」について、「『言うことを聞かないと国会で取り上げる』などの極めて強い圧力を指し、一般的な口利きにはあたらない」と解釈し、嫌疑不十分で不起訴としたが、政治家に甘い処分であることは明らかである。
ワイロを渡した人が「渡した」と録音テープまで残しており、もらった側も「もらった」と認めているのである。
これで不起訴になるなら、何でもアリだろう。

検察審査会の議決は、贈った側のの総務担当者から元秘書への計約1300万円にのぼる現金提供については、「請託を受けてあっせんしたことの報酬、謝礼として行われたとみるのが自然だ」と結論付け、再捜査の必要があると判断した。
一方で、甘利氏については、「元秘書と共謀していたことをうかがわせる証拠はない」とし、不起訴相当だという。
小沢一郎氏の政治資金規正法違反事案と比べ、アマリにも対照的である。
⇒2012年2月18日 (土):小沢裁判に対する疑問

菅官房長官と“蜜月関係”にある黒川氏は、裏で検察、法務省を牛耳っているという。
検察の正義は何処にありや?

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コメント

権力とはそういうもの。黒くてもそういう権力あってこそ国は正しい方向へ進む。彼のTPPへの功績に比べたら、口利きなんてあまりに瑣末な問題。

投稿: | 2016年8月20日 (土) 10時52分

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