カラオケ店の大量閉店・シダックス/ブランド・企業論(56)
給食・食堂運営受託大手のシダックス株式会社が、8月末に44店を一斉閉店することが明らかになったと一部メディアで報じられ、8月30日に株価が急反落した。
東洋経済オンライン(8月30日)は次のように報じている。
カラオケチェーン大手、シダックスが8月末に44店を一斉閉店することが東洋経済の取材で明らかになった。同社は今年4月から断続的に閉店を行っており、この8月末までに計52店舗を閉店する計算だ。閉店する店舗の中には、2004年に開業し、本社機能が置かれている「渋谷シダックスビレッジクラブ」(渋谷区)も含まれる。会社側によれば、本社機能はそのまま残り、空いたフロアの賃貸などを検討しているという。
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カラオケ事業の低迷に直面したシダックスは、2016年3月末に同事業の資産約25億円を減損。また収益性が低下した店舗約100店を別子会社に移し、同社株式の65%を外部の取引先などに譲渡している。
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現在、業界では業務用通信カラオケシステム「DAM」を販売する第一興商グループの「ビッグエコー」が首位で、シダックスは2位クラスとされていた。今年3月末時点で269店あった店舗数は、200店前後までに目減りし、存在感低下は避けられそうにない。
会社側は「カラオケ事業からの撤退はない」と否定する。ただ、同事業がグループ全体の足を引っ張っているのも事実。今回の大量閉店でリストラが完了する保証もない。かつてカラオケ業界の雄でもあったシダックスは、重大な転換点を迎えている。
発覚!カラオケ「シダックス」が大量閉店へ
シダックス(株)は、1959年に志太勤氏が創業した。
1965年、東京都調布市に学校・企業食堂の給食事業を運営する「冨士食品工業」(現・シダックスフードサービス)設立した。
カラオケ事業立ち上げのきっかけは、1984年に立ち上げたレストラン事業だった。
当時、給食調理士のマナー向上などのために東京都内を中心に8店舗を設立したが、給食業と運営とのノウハウが基本的に異なっていたため失敗に終わった。
その過程で膨らんだ店舗用の土地リース契約を何とかするために設立されたのがカラオケ事業であった。
1993年から本格的な展開を始め、1998年には業界1位に躍り出た。
カラオケ業界首位の第一興商は、2015年、上場先を東京証券取引所ジャスダックから東証第一部へ変更した。
カラオケ業界の業界規模の推移は下図のようで、飽和市場になっている。
近年のカラオケ業界の現状と動向
一方、カラオケが脳トレに良いという説もある。
カラオケが脳を刺激する効果は、目を見張るものがあります。まずカラオケの発声は、脳トレの定番である音読と同様の効果があります。さらにカラオケでは音程やリズムを合わせる必要があり、脳を高度に活用する必要があります。
また歌詞を覚えたりすることで、記憶力を鍛えることができます。さらに大勢で行くことにより、コミュニケーション能力も鍛えられます。歌に感情が入ったり、人の歌を聴いて感動したり、泣いたり笑ったりという感情表現も得ることができます。
歌うことで認知症のリスク軽減!カラオケで認知症を予防しよう
高齢者の認知症予防という切り口は、再成長を可能にするだろうか?
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