対立図式がはっきりしてきた都知事選/アベノポリシーの危うさ(91)
参院選は、残念ながら自公与党側の勝ちであった。
比例での野党統一名簿ができなかったことが悔やまれるが、この流れにどこかでピリオドを打たないと、日本の国は本当に危うくなる。
その直近の大きなイベントが、東京都知事選である。
もとより国政と一地方自治体の首長選挙は異なる。
しかし東京都は日本の首都である。
東京都知事選の帰趨は、国政に響かないわけがない。
野党勝利のためには、参院選1人区と同じような野党共闘の枠組みが必須である。
混迷していた野党側の候補者が絞られてきた。
東京新聞7月13日
問題は、宇都宮健児氏との調整が成るかどうかであった。
宇都宮氏は過去2回出馬し、それぞれ100万票近く獲得している。
宇都宮氏の調整がつかず、分裂選挙になれば、野党に勝ち目はなかったが、宇都宮氏が断念して4野党の推薦という形になった。
途中のプロセスはドタバタしたが、結果が良ければ構わない。
注目ポイントは小池氏が降りるかどうかであるが、たとえ降りても自民党で冷遇されるのは目に見えている。
分裂選挙になるのではなかろうか。
自民党の締め付けが始まっている。
自民党東京都連が所属する国会議員や地方議員に対し、党が推薦していない候補者を応援した場合に除名などの処分を科すとする文書を配布した。
文書は「都知事選における党紀の保持について」と題し、都連会長の石原伸晃経済再生担当相や都連幹事長の内田茂都議らの連名で出された。党公認・推薦候補者以外の者を応援してはならない▽各級議員(親族含む)が非推薦の候補を応援した場合は除名等処分の対象となる−−などとしている。
小池氏の選挙区である東京10区(練馬区の一部と豊島区)の自民党関係者からは「こんな文書は初めて見た」という驚きや、「支援するなというなら小池さんを除名にするのが筋では」との声も上がる。
選挙戦ではポスター張りや演説会の手伝いに参加するかが「踏み絵」となる。豊島区の女性党員は「文書は党が地元の動きを怖がっている証拠。みっともない」と話した。
都知事選 自民、増田氏以外の応援処分
滑稽なくらいの締め付けであるが、恐怖感の表れであろう。
しかし、ぶざまに途中辞職した猪瀬、舛添氏が、共に自公の推薦であったことの反省が明確になっていない。
まずその反省から始めるべきだ。
安倍首相は例によって「民共合作」などと訳の分からないことを言い出すだろう。
「民共合作」がなんで悪いのか私には理解できない。
政治は合従連衡しながら争うものだ。
日本国がこのまま、反動政治になってしまうのは耐え難いことだ。
反動包囲網を形成すれば、国政の流れも変っていくに違いない。
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