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2016年7月20日 (水)

昭和の才人による畢生の安倍批判・大橋巨泉/追悼(89)

「11PM」や「クイズダービー」のテレビ司会で知られる元参院議員の大橋巨泉(本名・大橋克巳)さんが12日、急性呼吸不全のため死去した。
82歳だった。
Photo
タレントの大橋巨泉さん 死去

高校卒業後、ジャーナリストになってアメリカへ行こうと早稲田大学政治経済学部新聞学科へ進学したが中退して、当時ブームだったモダンジャズ・コンサートの司会者の道を歩み始める。
早稲田大学在学中に俳人としての活動もしており、「巨泉」という芸名はこの時期に付けた俳号で、アイデアが泉のように湧き出るようにということと、大の巨人ファンということから「巨泉」と号したという。
2年後輩の寺山修司と出会った時に「こいつにはかなわん」と思って俳句の道から足を洗った。

1973年、カナダのバンクーバーに日本人観光客が日本語で買い物できる土産物店「オーケーギフトショップ」を開店し実業家の顔も持つようになった。
「オーケー」は大橋巨泉のイニシャルから名付けた。
オーケーギフトショップは、カナダ以外にもニュージーランドとオーストラリアに進出している。
これはカナダとは季節が逆の南半球に出店することで、観光客が激減する冬季の売上を補う必要があったためだという。

11月から翌年4月までオーストラリアとニュージーランドに、6月から9月までカナダに滞在し、経営するギフトショップの管理の傍ら、ゴルフを楽しむなどの生活を送っていた。
太陽の動きに合わせ居住地を移動するので、ひまわり生活と呼んでいた。
私はオーストラリアのリゾートのゴルフ場で一緒になったことがあり、「プラクティス、プラクティス・・・」と言いながら、熱心にアプローチやバンカーショットの練習に取り組んでいた姿を覚えている。

 軽快な女声スキャットで始まるテレビ界初の深夜ワイドショー「11PM」(日本テレビ系)は衝撃的だった。それまでテレビではタブー視されていたマージャン、競馬といったギャンブル系の遊びや、釣り、ゴルフ、ボウリングなどのレジャーが次々登場した。カバーガールがにっこりほほ笑み、当時15歳の由美かおるが歌って踊る清潔なお色気路線も魅力の番組だった。
 「俗悪番組」とたたかれながらも1965年11月から90年3月まで25年続き、そのうち20年間、司会を務め番組の顔となったのが大橋巨泉さんだった。
 当初は構成作家として参加した。「夜でなければできないものを」と相談を受けて作ったのがマージャンのコーナー。「非難ごうごうで1〜2回で終わると思っていたら、もっとやろうとなって、お前が司会もやれと。裏文化、サブカルチャーを初めてマスメディアに乗せた存在価値があったと思います」。99年秋に放送された一晩だけの復活特番の直前、あの笑いを含んだ陽気な声で誇らしげに語った。
 「お色気番組の元祖」と言われがちだが、巨泉さんの真骨頂は、落首や狂歌のように、軟派番組の中に政治や社会への批判を突きつける硬派企画を挟み込んだ反骨精神だ。
大橋巨泉さん死去 テレビ育て…硬軟自在、「反骨」示す

2001年に、民主党幹事長・菅直人からのが出馬依頼を受け、第19回参議院議員選挙の比例代表候補として立候補し当選した。
当選後すぐにアメリカ同時多発テロ事件が起き、これを非難する国会決議に、「アメリカを支持する」との文言を理由に民主党でただ1人反対した。
また、インド洋への自衛隊派遣に伴う事後承認にも反対し、当時の党執行部との考えの違いが鮮明になったため、わずか6か月で辞職した。
民主党が保守に寄り過ぎており、自民党化することに警鐘を鳴らしたのは先見性があったと言えよう。

20年近く続けてきた「週刊現代」(講談社)の連載コラム「今週の遺言」で、痛切な安倍批判を行っている。

今のボクにはこれ以上の体力も気力もありません。だが今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずな事が連日報道されている。書きたい事や言いたい事は山ほどあるのだが、許して下さい。しかしこのままでは死んでも死にきれないので、最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです〉〈今のボクにはこれ以上の体力も気力もありません。だが今も恐ろしい事や情けない事、恥知らずな事が連日報道されている。書きたい事や言いたい事は山ほどあるのだが、許して下さい。しかしこのままでは死んでも死にきれないので、最後の遺言として一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい。7月の参院選挙、野党に投票して下さい。最後のお願いです。

その願いは叶わなかったが、安倍政権の危うさが明確になって来ている。
巨泉氏の言葉はきっと生き続けるだろう。
合掌。

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